甘い生活 since2013

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孔子先生とお話させてもらった! 中思40

2019年11月11日 02時41分48秒 | 中国の思想家のことば

 孔子さまが現代にやってきたら、もちろん、現在の中国政府のことについて考えてくださると思います。

 私:先生、中華人民共和国はどうなるんでしょうね。このままどんどん拡大していくんですか? 行きつく先はどこなんでしょう。

 先生:香港であれやこれやと、市民と現地政府でトラブルがあるようだね。実際はどうなるんだろうねえ。



 私:香港の市民たちは、外国の風を感じてきた伝統がありますので、自由であったり、普通の選挙によって選ばれた政治家による政治を求めていくと思われます。

 先生:そんなに自由というのはいいものなのかな。キミはどれほど自由を感じているのかい。選挙とは、うまく機能するものなのかな。



 私:確かに、自由というのは扱いにくいものです。何でも自由ということになれば、選挙に行かない自由、人に迷惑をかけてもいい自由、自分だけが利益を得られたらいい自由、人が苦しんでいても知らんぷりをする自由と、ワガママが優先されてしまって、無秩序な社会が生み出されてしまいます。



 先生:それは大変なことではないかなぁ。自由というのは、あまりよくないことではないのかな。どうなんだろうね。混乱や混沌は、人々の生活を結局は苦しめるものになってないのかな。それでも、自由は大事というわけだね。



 私:ハイ、そうなんです。混乱は続いています。でも、それは、私たちが生きている限りにおいて、行ったり来たりしながら、何か、自分の生活というのを探し求めているわけで、そういう選択が許されていることがとても大事なんだと思うんですけど。それが自由と呼ばれるもので、現代の私たちにはなくてはならないものなんです。

 先生:キミたちが進んで混乱を受け入れようとするのは、いい心がけだと思う。そうした混乱の中で自分たちの生き方を見つけようということなんだろうね。それがキミたちの人生の根本であるわけだ。



 私:私たちは、放っておかれると、どんどん無秩序に向かってしまいます。

 だから、あれこれと自分で自分を縛る法律やルールが必要で、市民社会というのは、そういうのを整備しつつ、無秩序を避けるために、最低限の生活を保障し、他人とほどよい距離の社会というのを模索してきたのだと思われます。

 国家は、そうした市民社会とは別に、権力者が自分たちの利益になるように、その国の人々を丸め込み、囲い込み、秘密裏に自分たちの利益を優先しつつ、表の顔は「国民の皆様のため」というのを装い、選挙というものを維持してきたように思います。どっちにしろ、人々は丸め込まれるようになっているみたいです。

 最近の傾向としては、人々を分断し、なるべくそういうことは人々に伝えず、みんな努力しているんだから、自らのことは自分で守る。生活が苦しい人々というのは、本人たちの努力不足という面もあるし、国家がちゃんと最低限は保障しますから、みなさんは、自分自身の生活をとりあえずお考えなさい。皆さんが努力されたものは、必ず国家が守ります。国家を信用しなさい、という政治が行われている気がします。



 先生:私は、国家の枠組みはいろいろな形でいいと考えています。いろんな政治システムが生まれるのは、人々の歴史でもありますから、それを尊重していかねはなりませんし、その延長線上に未来は続くのでしょう。人間社会は永遠に発展していくものか。それはわかりません。

 けれども、人間の社会があれば、政治のシステムみたいなものは作られていきます。

 人間社会の発展というものがあるのか、それは歴史的に見ると、どうなのか、それはわかりません。発展というものを人々は求めてしまいがちですが、それはひょっとしたら、ないのかもしれない、と私は思います。

 私が生きていた時代と、キミたちが生きている時代とは、政治のシステムは少しは違うかもしれないけれど、根本は同じではないかと思うのです。

 統治者がいて、統治されるものがいる。それは人間という生き物が生活していく上で、自然に生まれてくるものでしょう。

 ですから、肝心なのは、その統治者がどうあるべきなのか、ということです。

 私が見たところ、現代の中国の統治者は、強いし、管理体制を敷いて、徹底的に一党独裁を守ろうとしているように見えます。統治者たちの立場を守ることに汲々としている。

 あの人たちは、高圧的なように見えますが、内実はいつ自分たちの根拠とする政治システムが壊されてしまうのではないかと心配でたまらないのでしょう。香港で起こっている市民運動がもし中国全土で起こったら、それは新たな革命ですから、絶対にそれは認めない。徹底的に香港だけにとどめたいでしょう。



 私:先生、中国共産党が無理をして、頑張っているのは、私みたいなものから見てもわかります。あの人たちは穏やかな気持ちで毎日を過ごしてはいなくて、ずっと人々の中に眠るマグマを封じ込めるための歴史をもう何年もしてきたのだと思います。気が気ではなかったと思います。いつもハラハラドキドキしながら、国民を押さえつけてきた。その代わりに、経済発展を保障してきたし、これからも、それだけは続けたいと思っているはずです。それこそがあの人たちを守る壁ではなかったかな。

 建国当初の1949年からずっと1989年の天安門の時も、2019年の香港問題でも、いつも中国政府は転覆の危機を経験してきたのだと思います。



 先生:先ほどから何度も申し上げていますが、政治システムは変わっていきますが、昔も今も政治の根本は変わっていないのです。

 どんなシステムであっても、政治家は人々に対して誠実でなくてはなりませんし、人々のことを思う政治を行わねばならないのです。それが「仁」です。

 あなたが言う、経済発展だけは保障し、政治は一党独裁である現代の中国であっても、矛盾はあるように見えますが、それでも「仁」は行うことができます。

 あまりに漠然としていて、現代において、いかに「仁」という思いやりを実践するか、それは様々でしょう。いろんな形があってもいいと私は考えます。

 香港の市民による香港政府への抗議は、中国全土に広がるのか、それとも香港限定なのか。おそらく、香港限定で押さえつけられるでしょうし、このまま何人もの犠牲者が出ても、それは現在の一党独裁を守るためには仕方のないことと、統治者たちは思っているでしょう。



 私:学生たちはどうなりますか?



 先生:政府との戦いに疲れていくことでしょう。国外に逃亡したり、無気力になっていくか、いろんな形で挫折するのでしょうね。

 人々は学生たちは混乱を招くだけだと嫌気がさしていくだろうし、市民活動は下火になり、香港政府・北京の政府ともに、自分たちの道は間違っていなかったと公言し、経済発展に力を注ぐことでしょう。ますますあの人たちは肥え太り、人々は自らの目先のことだけ考えていようと、政治ではなく、違う何かにエネルギーを傾けていくことになるはずです。政治と社会を変えようと連帯しても、挫折するようにできている。中国の体制が変わるには、もうしばらく時間がかかるのです。


 私:先生、それは「仁」なのですか?



 先生:それは「仁」ではなくて、統治者のエゴイズムだと思われます。けれども、政治においては自由は許さないけれども、経済発展での自由は推し進めますから、こちらでは「仁」なのだと政府の人たちは思っていることでしょう。

 私:こうした政府は永遠に続くのですか?



 先生;おそらく、それは永遠ではありません。いつかは一党支配が終わる時が必ず来ます。その後に、中国で皇帝が誕生するのか、二大政党が生まれるのか、それとも連邦制で、各地方がそれぞれ独自の道を進みながら、緩い国家ができるのか、それはわかりません。

 ただ確実に言えるのは、何百年後か、それとも数十年後かに、一党支配は終わる。そうすると、古くて新しい政治システムが生まれる。人々はとりあえずそれを受け入れ、それぞれの生活の中に没頭していくのです。


 私:人間って、いったい何をしている生き物なんでしょう。



 先生:それは、私が答える問題ではなくて、あなた自身が見つけなくてはならない問題です。たぶん、答えはありません。

 私:先生、また、質問したい事ができた時、どうぞ、よろしくお願いします。



 先生:さて、「仁」とは、現代において、どうしたらいいのか、私も考えていきたいと思います。



 私:先生、ありがとうございました。

 先生:キミ、夜中に何をしているんです。もう少し寝ていなさい。明日になったら、また違うこともあるんですから、とりあえず休みなさい。



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