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EXILE HIRO 五十嵐広行 LDH 代表取締役社長 INTERVIEW

2016年02月19日 17時40分37秒 | 市場動向チェックメモ
http://goethe.nikkei.co.jp/human/160128/?n_cid=WGT00001

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トップヒューマンEXILE HIRO 五十嵐広行 INTERVIEW
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LDHは世界でも稀有な、ベンチャー企業だ。第一に、エンタテインメント業界における起業だったこと。第二に、起業したのがこの業界では基本的に「商品」とされるアーティスト自身だったこと。そして第三に、短期間で驚異の成長を遂げたこと。どのひとつをとっても比較し得るベンチャー企業は、今のところ存在しない。そういう意味でこの人、HIROこと五十嵐広行が、きわめてユニークな起業家であることは間違いない。LDH代表取締役社長でありながら、EXILEのリーダーでもあるHIROにはいくつもの顔がある。そのひとつひとつを解き明かしながら、LDHの成功の秘密に迫ってみたい。

エンタテインメントというファンタジーを支えるにはリアルをわかってなきゃいけない

起業家としてのHIRO
 起業したのは2002年のことだ。当時のEXILEメンバー6人が50万円ずつ出し合って作った会社はエグザイルエンタテインメント。青山のビルに事務所を借りた、小さな会社だった。
 エンタテインメント業界では、タレントやミュージシャンは、いわゆる芸能事務所に所属するのが普通だ。マネジメントやプロモーション、ライブやツアーなどの芸能活動に関する計画立案や運営は、原則、事務所の社員が行う。所属タレントはアーティスト活動に専念し、事務所がその他の業務を担当する分業制になっている。
 事務所は所属タレントの才能を「売る」わけだ。そういう意味で、あまり気持ちのいい言葉ではないが、タレントは「商品」などと言われたりもする。
 簡単に言えば、HIROは起業することで、この「売り手」と「商品」の垣根を取っ払った。それは事務所の管理から自由になることを意味したけれど、同時に保護を失うことでもある。すべての責任を、自分たちで背負うことでもあった。大きなリスクだったはずだ。なぜ、敢(あ)えてそのリスクを引き受けたのか。
「会社を作りたいとか、社長になりたいとか思ったわけじゃないんですよね。そういうことにはまったく興味がなかった。ただ、やってみたいことがたくさんあったから、それを紙に書き出して、いろんな人に見せてたんです。『俺、こういうことやりたいんですよ』って。
 J Soul Brothersのデビューでお世話になったエイベックスの松浦(勝人)さんにも見ていただき、『それをやりたいなら自分たちで会社を作るしかないな』と言ってくれて、僕らが会社を作るきっかけをくれたんです。それで会社を作らせていただきました。リスクがたくさんあるのはわかっていたけれど、自分たちがやりたいこと、夢をかなえていくには、そうするのが一番だって思ったんです」
 ベンチャー企業は、本質的にリスクテイカーだ。リスクを取ることで、新しいビジネスチャンスを獲得する。その意味でも彼の会社は、まさしくベンチャー企業だった。HIROがやりたかったのは、音楽業界の常識では考えられないことだった。

EXILEのリーダーとしてのHIRO
 彼が「やりたかったこと」は、その後のEXILEの成長を見ればよくわかる。松浦さんが「それをやるには自分たちで会社を作るしかない」と言ったのは、普通の芸能事務所はとてもそんなことはやらせてくれないよ、という意味だろう。あまりにも、リスクが大きかったからだ。EXILEが世間の注目を集め始めていたとはいえ、そんなリスクを引き受ける芸能事務所は、おそらく存在しなかった。
 EXILEは、ダンサーとボーカリストのユニットだ。彼ら以前の音楽業界での主役は、歌手と演奏者だった。バックダンサーという言葉もあるくらいで、ダンサーは歌手の後ろで踊る添え物的な存在だった。そのダンサーが、歌手とユニットを組んで音楽業界に勝負を賭けたのだ。
 計算は何もなかった、と言う。とにかくいい音楽を作ること、それからライブで観客全員を心から楽しませること。それだけを考えて前に進んだ。
「音楽とライブ。シンプルに言うと、とにかくそこで一番になることを目指してました。当時はあまり余裕がないから、目の前にあることを、一所懸命やることしか考えられなかったんです。一番の基本は、『どうやってライブに来てくれた人たちを楽しませるか』じゃないですか。自分の時間とお金を使って、ライブに来てくれた人が、『行ってよかった』と思ってくれるかどうか。そこに、EXILEの存続はかかっていた。あとは、その基本と『俺たちは何をしたいか』ということのバランスを、どうやって上手く取るかですよね。そこから始めて、少しずつ経験を積み重ねていったんです」
 社運を賭けてという言葉があるけれど、EXILEのライブはいつも文字どおりLDHの総力を投入したものになった。そこまでできたのも、LDHが彼らの会社だったからだろう。採算を度外視したステージの華麗さは、いつもファンの予想を上回った。
「発信するエンタテインメントに相当のインパクトがないと本物の感動は生まれないんです。だからいつもやれることを限界までやった。自分たちの持っているものを、何もかも使ってライブを確実に成功させるというのが、僕らの基本的な姿勢なんです。毎回初めてのことだらけで、ミスや失敗もたくさんあったけど、そのたびにそこから学びながら、ライブを進化させていったんです」
 これは、少しあとの時代の話だけれど、例えばドームツアーのリハーサルは、東北地方のある本物のドームを借りて、本番と寸分違わぬセットを組んで行う。そのために、何百人というスタッフが何百台ものトラックを連ねて移動するのだ。莫大な費用がかかるはずだが、それがライブを成功させるためのHIROの意気込みなのだ。
 わずか数年で、EXILEのライブはとにかく楽しいという評価が定着する。ファンは急増し、アルバムはミリオンセラーとなる。NHK紅白歌合戦に出場し、アリーナツアーを成功させ、発表する楽曲がことごとく音楽チャートの上位の常連になり……。EXILE第一章の黄金期が到来するのだが、それは長くは続かなかった。結成から5年、ボーカルの一翼を担っていたSHUNがソロ活動に専念するために脱退、ボーカルがATSUSHIひとりになってしまう。ふたりの男性ボーカルの存在がEXILEの絶大な人気を支えていただけに、大きな打撃だった。業界内では「EXILEはこれで終わった」という心ない声も、囁かれるくらいだった。
 けれど、HIROはそのEXILE存続の危機を逆手に取る。
 新しいボーカルを、公開オーディションで決めるという企画を打ち上げたのだ。

ピンチな時にも必ずチャンスはあるわけで そこでへこたれさえしなければ新しい何かを生み出すきっかけになる

HIROさん
プロデューサーとしてのHIRO
「今の所属(タレント)の若い子たちにも言うんですけど、ピンチっていうのは、物事の見方のひとつでしかないんです。普通の人は、それをピンチと見るかもしれないけど、別の角度から見れば、違うものが見えるかもしれない。例えば、チームの中でメンバーの誰かが辞める。それまで上手くいっていればいるほど、他のメンバーはリアルな危機だと思いますよね。そういう時こそ、チームが一丸となれる時でもあるんです。火事場の馬鹿力じゃないけど、『やるぞ!』っていう目に見えない力が発揮される時でもある。だから、ピンチな時にも必ずどこかにチャンスはあるわけで、そこでへこたれさえしなければ、新しい何かを生み出すきっかけになる。実際、あの時もそうだった。SHUNちゃんが辞めただけでなくて、実はあの時のEXILEは他にいくつも危機を抱えていたんだけど、逆にそれでメンバーは一丸となって危機に立ち向かえたんです。そのパワーには計り知れない何かがありました」
 危機を乗り越えるためにHIROが打ったひとつの手が、オーディションだった。ミリオンセラーのグループのボーカルを一般公募で選ぼうというのだ。それは、普通の男が、ある日突然スターになるという、ひとつの「ファンタジー」でもあった。
「エンタテインメントって夢を売る仕事じゃないですか。だけど、夢を売るという仕事そのものはリアルですよね。だから僕らは、リアルとファンタジーをきちんとわかってなきゃいけない。あの時の僕らのリアルは、ATSUSHIという天才と並んで歌えるだけの、才能あるボーカルを探さなきゃいけなかった。それを一般公募のオーディションで決めることで、一種のファンタジーにしたわけです。大きな賭けだったけど、その最終審査を武道館のステージでやることによって、エンタテインメントとして成功させる自信はありました。それは、今まで僕らが積み上げて来た、ライブでの経験があったから」
 このオーディションには全国から1万人の応募があった。そのニュースは音楽誌だけでなく、新聞や雑誌の記事となり、EXILEの知名度は一般の大人たちの間にも広まっていく。さらにそのオーディションでTAKAHIROという今までのメンバーとは雰囲気の違うボーカルを見い出したことで、EXILEのファン層は一気に拡大する。
「すべてのピンチがチャンスとまでは思わないけど」と慎重な彼は言うけれど、HIROは見事に危機を回避するだけでなく、大きな飛躍をEXILEと、そしてLDHという会社にもたらしたのだった。

自分の夢をかなえようとする時、自分がカッコいいと信じることをする時、人は一番がんばれる。

LDH代表取締役社長としてのHIRO
「スピード感が全然違うんですよ、決裁までの。何をするにしても、全部自分たちで、その場で決められる。普通は社内で時間をかけて話し合うじゃないですか。だけど表に出る僕がその場で決断できるから、全部即決でやってこられた。まあ、失敗もたくさんあります。だけどそのかわり何でも素早くやれるから、そのスピード感でLDHは成長してきた。会社を大きくしたくて会社を作ったわけじゃないから、別に大きくならなくてもいいんです。ただ、会社の成長とともに、夢を実現するスピードがどんどん上がってる。自分たちの夢をかなえるための会社だから、そういう意味ではやってよかったなと思います」
 EXILEは結成以来、大胆にそのカタチを変えてきた。デビュー当初は、ボーカル2人とパフォーマー4人の6人のユニットだった。それが5年後には7人になり、その3年後には14人に、さらにその5年後にはメンバーは19人にまで増えた。
 人数を増やした当初は賛否両論だったが、今やそれを言う人はいない。カタチを変えるたびに、EXILEのライブの規模と迫力は増した。それぞれのメンバーの活動の幅も拡大している。
 成功したアーティストがメンバーを大きく変え続けるなんて、音楽業界のそれまでの常識では考えられないことだった。
 それができたのはやはり、社長であるHIRO自身がパフォーマーであり表現者であるということだ。グループのカタチを変えることについて、最もナーバスなのはメンバー自身だ。それは各メンバーの人生そのものに直結しかねない、極めて繊細な問題なのだ。彼が単なる経営者だったらこんなに簡単にはできなかったのではないか。すべて即決でやってきたと言うけれど、それはあくまでもメンバーの100%自発的な賛同を前提とした、会社としての決断だ。
 グループの人数を増やすことに限らず、例えばボーカルを一般公募のオーディションで選ぶというようなアイデアも、押しつけにならないように十分に時間をかけて話し合い、メンバー全員が心から納得して協力できる体制を作ってから初めて実行に移している。
 単にそうしたほうが物事がスムーズに進むから、という理由ではない。HIRO自身が表現者のひとりとして、メンバーの気持ちを理解し、それを何よりも大切にしているからだ。その信頼関係が醸成されているからこそ、メンバーは彼のビジョンを信じ、何をするにしても全員が一丸となって事に当たる。
「まあ、極端な言い方をするなら、僕らは野放しにしていただいたわけです。おかげで余計なことを考えずに、自分たちの夢をかなえることに、全身全霊で取り組める。夢をかなえるとか、自分がカッコいいと思うことをするとか、そういう時に、人は一番力を発揮できる。僕の社長としての重要な仕事は、そういう環境を、すべての所属のために整えることだと思っています。そのために人と人をつないで盛り上げて、それからひとりひとりとコミュニケーションを取るのが、僕の一番の役割なんです」
 HIROがプロデュースするアーティストはもちろんのこと今、力をいれて取り組んでいるのは、「HiGH&LOW」のプロジェクトだ。深夜の時間帯に現在放映されているドラマをコアに、映画に漫画、ドームツアーまで連動させた、前代未聞のメディアミックス型の総合エンタテインメントだ。
「深夜のドラマにしたのは、視聴率にとらわれることなく、考査などの事も考慮して、思いきり大がかりなことをやりたいから。LDHの総力を挙げたドラマなんです。もちろんEXILEのメンバーも三代目J Soul Brothersも、E-girlsも、劇団EXILEの役者たちも大勢出演しますし、何らかのカタチで関わります。ひとつひとつのキャラクターがスターになりつつある。TVドラマは、その中核という位置づけで、そこから大きくはみ出して、今の時代に可能な限りのメディアミックスの手法を連動させていきたいと思っています。それぞれのキャラクターの出演する映画を製作したり、すべて新曲のシングルが集まったようにオリジナルアルバムを作ったり、SNSをつなげたり、漫画を描いてもらったり、さらには今まで見たことのないようなエンタテインメントのドームツアーまでやります。これからも無数のスピンアウトが生まれていくだろうし、その勢いでHiGH&LOWの世界を爆発的に広げている最中なんです」
 ここまで広範囲に広がったメディアミックスは、音楽業界の歴史でも初めての試みだ。このプロジェクトは、HIROの想いから生まれた。EXILEのメンバーをはじめ、所属アーティストの多くが、TVドラマや映画に出演するようになった。
 基本的にアーティスト個人の活動に関して判断はそれぞれに任せているが、いろいろ経験をしているメンバーを見ているうちに、HIRO自身が、EXILE TRIBEらしさの出る作品を考えてみたいと思ったのだ。
「メンバーそれぞれが持っている才能や能力を、音楽とはまた別の世界で、もっとストレートに表現できる方法があるんじゃないかという発想から、このプロジェクトは生まれたんです」
 アクションが多いのは、メンバーの身体能力を生かせるからだ。すごい運動神経の持ち主たちなので、番組を見たら驚くはずだとHIROは言う。
「こんなにアクションができたのかと。今までこういうカタチでメンバーの身体能力を見せる機会があまりなかったから、ファンの方たちにとってもすごく新鮮だと思います。それも僕ら発信だから見せられるわけで、自分たちで創造することで本当にたくさんの可能性を見い出すことができています。予算に関しても、とにかく見ている人たちに喜んでもらえるように、そこで躊躇(ちゅうちょ)したら、ライブと同じで人を感動させられない。だから、そこの部分は自分たちらしいやり方にこだわり、自分たちが培ってきたエンタテインメントのビジネスモデルで取り組んでます。クオリティーがあがればあがるほどメンバーのモチベーションが上がるし、ファンの方は喜んでくれる。そういう意味では、これはメンバーのモチベーションへの投資でもある。損して得を取るという表現が、この場合に適切かどうかわからないけど、やっぱりメンバーのモチベーションを上げることを、僕は何よりも優先させたい。なにしろ、それがすべての鍵だと思うから」
 16年前、J Soul Brothersを結成するために、MATSUとÜSAとMAKIDAIの3人を誘った時も、HIROは同じことをした。
「ダンサーも、ボーカルやミュージシャンと同列のアーティストとして音楽業界で勝負ができるようにしたいんだ」
 アンダーグラウンドのダンサーとして活躍していた彼らを、このひと言が動かし、現在のEXILEにいたる歴史が始まる。その3人が、この2015年限りでEXILEのパフォーマーを卒業する。16年はEXILEの第五章が幕を開ける。そしてまた、今までにはない新しいライブを見せてくれるはずだ。その絶えざる変化こそが、EXILEとLDHの成功の秘密なのだ。

 もちろん、すべてが上手くいっているわけではない。LDHも生身の人間で構成される会社である以上は、修正すべき課題がないはずはない。その質問をHIROに投げかけると、即座に明確な答えが返ってきた。

「LDHが大きくなり、社員の人数も増えて、本当のLDHの想いとか、Love,Dream,Happinessという僕らが起業した時のテーマが薄まっているのを感じます。そこで、原点に回帰しようってことを15年の目標にしてきました。時間が経てば、そういう想いが強い人だけの集団ではなくなるかもしれないし、これだけの人数が集まれば、薄まるのはしょうがないと思うんですけど、自分がどこまでそういう想いを伝えていくのかも、自分の課題ですし、できるだけ同じ方向に向いていけるようにしっかりひとりひとりの、社員のみなさんの顔が見えるようにならないといけない。そこがなかなかできていないのが、今の一番の課題ですね」
 HIROが抱えるのは、急激に成長する企業にしばしば見られる課題だ。さすがの彼も今のところは、課題を解決しかねているらしい。所属アーティストのモチベーションを上げることに関して、右に出る者のいない彼のことだ。いつか、妙策を生み出すに違いないけれど。

EXILE HIRO

1969年生まれ。90年ZOOでデビュー。99年J Soul Brothersを結成し、2001年EXILEと改名し再稼働。EXILEパフォーマー兼リーダーとして、また所属事務所LDHの代表取締役社長としてグループおよびスタッフを牽引し、EXILEを国民的エンタテインメントグループに押し上げる。13年をもってパフォーマーを勇退するも、引き続きリーダー兼プロデューサーとして新しいエンタテインメントの創造に向けて心血を注いでいる。著書に『ビビリ』。

日米航空交渉合意 羽田の利便性向上 成田の地盤沈下警戒

2016年02月19日 07時07分30秒 | 市場動向チェックメモ
http://mainichi.jp/articles/20160219/k00/00m/020/101000c?fm=mnm

日米航空交渉合意
羽田の利便性向上 成田の地盤沈下警戒

毎日新聞2016年2月18日 21時37分(最終更新 2月18日 23時37分)


 羽田空港の米国路線を巡る日米航空交渉が合意に達し、利用者の利便性向上が期待される。ただ、成田空港の地盤沈下を警戒する米航空会社の思惑が絡み、交渉は難航した。

 石井啓一国土交通相は18日の記者会見で「国内線への乗り継ぎを含めたビジネス、観光需要に的確に対応できる」と述べ、合意を歓迎した。羽田は都心に近いのが強みだ。国内線利用者は成田空港の約10倍で、地方の利用者も乗り継ぎをしやすい。ただ、米国路線は深夜・早朝便だけで、空港へのアクセスが限られるなど利便性に限界があった。

 今回の合意で開設される昼間便は10便で、日米が5便ずつ活用する。昼間便が開設されると、米東海岸にも行きやすくなる。全日本空輸は現在、成田を午前11時と午後4時40分に出発するニューヨーク便を運航。それぞれ現地の午前10時前後と午後4時前後に到着しており、羽田便も同じような時間帯が想定される。

 ただ、昨年12月に始まった交渉はいったん延期されるなど難航した。羽田便を持つアメリカン、デルタ、ユナイテッドの米航空大手のうち、成田の地盤沈下を警戒するデルタが“羽田シフト”に難色を示したためだ。デルタは、機材の共同利用などで協力する国際航空連合「スカイチーム」に所属するが、これには日本の航空会社が入っていない。アメリカンは「ワンワールド」で日本航空、ユナイテッドは「スターアライアンス」で全日空と提携し、国内便やアジア便と羽田で乗り継ぎできる。羽田の拡大が成田の地盤沈下につながれば、デルタへのしわ寄せも予想される。

 羽田の国際線利用者は2005年度の130万人から、14年度には1156万人に急増。一方の成田は3018万人から2666万人に減少しており、デルタにとってこれ以上の成田の低迷は容認しがたい。デルタは、米国内で成田便がある都市の政治家などに働きかけ、米政府に対し羽田拡充を認めないよう訴えてきた。米政府もデルタの意向を無視できず、日本の提案より多くの枠を配分するよう主張。ただ、羽田の昼間便早期開設へのアメリカン、ユナイテッドの期待は大きく、デルタには「羽田の国際線がさらに拡充する余地は小さい」などと説いて妥結に導いた模様だ。

 今後は日本側の配分が焦点になるが、増枠分は全日空に配分される可能性が高い。国交省が、経営破綻後に政府の支援を受けた日航の新規路線開設を16年度末まで認めない方針を示しているためだ。全日空の親会社、ANAホールディングスの片野坂真哉社長は2日の記者会見で「国交省のこれまでの方針通り、適切に配分してほしい」と要望。日航の植木義晴社長はこの日の記者会見で「国交省の方針を理解はしているが、(配分について改めて)話し合っていく」と述べた。 羽田は10年に第4滑走路の利用が始まり、国際化を本格化。当初は国際線の枠自体が限られ、米欧路線は深夜・早朝便しかなかった。政府は14年の国際線ターミナル拡張に伴い、国際線を増強。欧州便は早々と昼間便が開設されたが、米国便はデルタの反対もあって公式交渉が昨年12月にずれ込んでいた。【山口知】

日米航空交渉 羽田米路線、昼10便新設へ 深夜早朝は減

2016年02月19日 07時05分57秒 | 市場動向チェックメモ
http://mainichi.jp/articles/20160219/k00/00m/020/086000c?fm=mnm

日米航空交渉
羽田米路線、昼10便新設へ 深夜早朝は減

毎日新聞2016年2月18日 20時59分(最終更新 2月18日 23時03分)

 羽田空港と米国を結ぶ定期便を巡る日米の航空交渉は18日午後、決着した。羽田発着の路線は現在、深夜・早朝時間帯に1日当たり8便(往復)あるが、昼間時間帯(午前6時〜午後11時)に10便を新設し、深夜・早朝便は2便に減らす。計4便増える枠を、日米の航空会社が折半して活用する。米東海岸へ昼間に出発する便が新たに開設されそうで、利便性が向上しそうだ。

 日本の提案を米国が受け入れた。10月末までに航空会社に発着枠を割り当て、運航が始まる見通しだ。

 現在、定期便は8便あり、全日本空輸と日本航空が各2便、米国の航空4社が1便ずつ運航。出発時刻はすべて午後10時以降の深夜早朝帯になっている。目的地はハワイと米西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコのみ。ニューヨークなど東海岸は、深夜に羽田を出発すると、到着が現地の深夜になり、乗り継ぎなどの利便性が低いため開設されなかった。

 今回の合意で昼間に羽田を出発する便が新設されると、米東海岸にも夕方に到着できるため、ビジネス客や旅行者の利便性が高まる。計4便増える枠は、日米が2便ずつ分け合う。日本は2便とも全日空に割り当てる方向だ。日航は、2010年の経営破綻時に政府の支援を受けているため、羽田の国際線増枠では全日空を優遇する。米国側は、米国内でどの航空会社に割り当てるか調整する。

 羽田は10年に第4滑走路の利用が始まり、増えた発着枠を使って国際化を本格化した。当初は国際線の枠が限られたため、米欧路線は深夜・早朝便に限られた。政府は14年に国際線ターミナルを拡張したのに伴い、新たに40便の枠を設定。これにより余裕が生じる昼間の発着枠を日米路線に割り当てる方向で、昨年12月に日米政府間の公式交渉に着手したが、配分などを巡って交渉が難航していた。【山口知】

航空交渉の合意内容

      現状 合意

昼  間  無し 10便

深夜・早朝 8便  2便

※発着枠はそれぞれ日米の航空会社が折半

昼間の羽田―NY便など実現へ 成田は減便の可能性も

2016年02月19日 07時02分11秒 | 市場動向チェックメモ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2L5VX5J2LULFA039.html?rm=675

朝日新聞デジタル>記事


昼間の羽田―NY便など実現へ 成田は減便の可能性も
大平要、下山祐治2016年2月19日05時05分


羽田空港国際線ターミナル。米国便は深夜・早朝に限られていたため夕方の到着は無かった

 日米両政府は18日、羽田空港からの米国便を増やすことで合意した。これまでなかった昼間(午前6時~午後11時)の発着便が認められ、今年秋には米東部のニューヨーク便などが実現する見通しだ。ビジネス客らの利便性は上がるが、競合する成田空港には、重い課題が突きつけられる。

 これまで深夜・早朝(原則午後11時~翌午前6時)に発着する8便だけだったのが、10月下旬にも、昼間10便、深夜・早朝2便となる。日本と米国の航空会社に半分ずつ配分する。

 国土交通省は5月をめどに、日本に配分された発着枠を航空会社に割り振る方針だ。公的支援で再建した日本航空との競争条件を考え、全日本空輸に4便分を割り振る方向で調整する。

 昼間の発着便では、ニューヨークやシカゴなどの路線が実現しそうだ。都心に近いため、ビジネス客の人気を集めそうだ。国内線が多いため、地方の人にも便利になる。石井啓一国交相は、「首都圏のみならず、国内線の乗り継ぎを含めたビジネス、観光需要に対応できる」と話した。

 一時期は「原則として国内専用」だった羽田は、2010年秋に国際定期便が復活した。就航先もアジアから欧州などにも拡大。今では国際線が1日最大100便を超え、日本では成田、関西に次ぐ「国際空港」になった。さらに国交省は2020年までに、飛行ルートの見直しなどでさらに50便ほど羽田の国際線を増やす方針だ。

 ただ、都心に近いのが「売り」なのに、ビジネス客の利用が多い米東海岸便が無かった。深夜に出発すると到着も深夜になるため、利用者が少ないとみて、運航する航空会社が無かったからだ。

 ログイン前の続き国交省は昼間の米国便を実現するため、米政府と4年ほど前から非公式の交渉を重ねた。米国側でも、ユナイテッド航空やアメリカン航空は、深夜便より利益が期待できる昼間便の就航を希望。成田に多くの路線を持つデルタ航空の反対を米政府が抑え込み、ようやく合意にこぎ着けた。

■成田空港「ハブ機能を拡充」

 デルタが交渉の最終盤で求めたのは、東南アジアと北米をつなぐ拠点として、成田の機能を高めることだった。同社は現在、成田から米国10都市、アジア7都市に就航し、乗り継ぎ客を多く運んでいる。

 日本側は、成田に第3滑走路を建設する方針や乗り継ぎ客向けのサービス向上に取り組むことを説明。合意にも「ハブ(拠点)空港としての機能拡充に取り組む」と盛り込んだ。

 ただ、現実には都心に近い羽田に利用者が流れる心配はぬぐえない。成田空港会社の夏目誠社長は18日、「重複する路線の減便や運休という影響は受けると考えている」と話した。

 国交省は、東南アジアから北米に向かう客や格安航空会社(LCC)の取り込みで、羽田との役割分担を進める絵を描く。ただ、こうした戦略はアジア各国の拠点空港とも重なり、厳しい競争にさらされることになる。(大平要、下山祐治)

空き部屋悪用する詐欺、ネット通販で急増 商品転売も

2016年02月19日 06時55分43秒 | 市場動向チェックメモ
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2C44FPJ2CULFA001.html?rm=426

朝日新聞デジタル>記事


空き部屋悪用する詐欺、ネット通販で急増 商品転売も
藤田知也2016年2月19日05時07分


空き部屋を使ったネット通販詐欺の例


 マンションなどの空き部屋を悪用した詐欺が、ネット通販で急増している。他人のクレジットカード情報を使って商品を注文し、空き部屋に配送させて受け取る手口だ。大手ネット通販は警戒を強めるが、なんでそんなに増えているのか。

 東京都内の入居者募集中のアパートの一室。お客さんを案内した不動産管理会社の社員が、ドアのすき間に挟まった宅配便の不在票を見つけたのは昨年1月のことだ。見覚えのない宛名で、商品はネット通販で買った家電。宅配業者に連絡すると、その日の夕方に再配達すると教えてくれた。

 そこで、再びアパートに行き、業者の後ろで様子をうかがった。すると、薄暗い玄関の中から、男2人が出てきた。

 「あんた、誰だ!」

 「ヘヤ、ミタダケ!」

 もみ合いの末、片言の日本語の男らは商品も取らずに逃げ出した。だが、数日後に「また再配達の依頼があった」と宅配業者から連絡が。今度は刑事も連れて張り込むと、別の中国人の男が現れ、商品を受け取ったとして御用となった。

 ログイン前の続きこの会社が管理しているほかの物件も調べると、伝票や空き箱など「痕跡」が続々と出てきた。パソコンやデジカメに加え、数十万円分のブランド服を買った明細書も見つけた。ドアにかけておいたダイヤル式の錠前の暗証番号が盗み取られたようで、錠を変えて対抗すると、錠ごと壊されることもあった。

 日本賃貸住宅管理協会が昨年11月に調べたところ、都内の会員企業が管理する空室のうち、少なくとも63戸がネット通販などの受け渡しに悪用されていた。錠前の暗証番号を何らかの方法で盗まれるケースが多く、末永照雄会長は「巧みに悪用されると気づくのが難しい。被害は氷山の一角だ」とみる。

 流通総額で国内トップの楽天は昨年1年間で約72億円相当、9万2千件分の注文を他人名義などによる不正と判断、取引を中断した。その額は前年比2割増で過去最高だった。大きく押し上げたのが、空き部屋宛ての注文だ。

 楽天は、同じ商品が大量注文される場合など不審点を見つけると、出店業者に知らせて相手を確認させたり決済方法を変えさせたりする。不正が明らかな場合は取引を中止させる。昨年6月の調査では、集合住宅宛ての不正注文で判別できた分の85%が空き部屋だった。

 ヤフーが提供する通販サイトでも、昨年の不正注文の4割を空き部屋宛てが占めた。そのうち9割以上は発送を止めたが、完璧に防ぐのは難しい。悪用された空き部屋は首都圏中心で、商品は家電が多いという。

 怪しい注文を検知する事業を展開するIT企業かっこ(東京)では、だまし取られた商品がオークションサイトで転売される例も見つかっている。同社の稲数裕之さんは「大手が対策を強めれば、次は必ず中小が狙われる」と警戒する。

 空き部屋が悪用される理由は、従来の短期賃貸マンションや私書箱に比べ、身元が割れにくくお金もかからないからだ。振り込め詐欺で現金の送付先にも使われるが、だます相手が通販サイトなら会話しなくても済むので、日本語が苦手な外国人でもたやすい。盗まれたカード情報が、闇サイトで盛んに売買されている影響も大きい。

 実際、福岡県では昨年、他人のカード情報で注文した家電などを空き部屋で受け取ったとして中国人グループが逮捕・起訴される事件があった。不動産業者向けの空室サイトで鍵の置き場所などの情報を盗み見て悪用。被害総額は5千万円以上にのぼるとみられる。

 日本クレジット協会によれば、カード情報をネット上で悪用される被害は2012年から増加傾向にある。協会は「請求書に見覚えのない取引がないか注意して」と呼びかけている。(藤田知也)