グループ展「第8回風の游子展」(6月2日~7日・名古屋市民ギャラリー)の開催が迫りました。ぜひ、お越しをお待ちしております。
――――――――――――――――――――
僕の出品作紹介の締めくくりは、ブログに連載している「東山動物園の仲間たち」の作品から選んだものです。
この動物シリーズは昨年7月1日から始め、月に1~2枚掲載してきました。
本来の生息地とは大違いの環境で過ごす動物たちの表情や仕草を描くことで、人間と地球のこれからに関心を深めたい、が動機です。
動物園は昼間だけの開園など、制約も多いので一端を垣間見るだけですが、園舎の前で彼らを見つめる自分の頬が緩んでいるのに気づきます。やはり人間も仲間なのだと改めて感じます。
一方で、人間の欲望によって彼らが殺されたり、生息地が開発などで狭められ、多くが「絶滅危惧種」にあるのを知らされます。
つい先日もアフリカで角目当ての密猟者からサイを守るために、サイの角を切り落としているニュースを見ました。サイの角はやがて再生しますが、密猟者に狙われる期間を少しでも減らそうというわけです。
ここに掲載した2枚のうち1枚は、シリーズのトップバッターを務めた「ライオン一家のお父さん」です。
彼はゆったりと園庭の散歩や寝そべっている毎日ですが、時おり辺りに響き渡る吼え声をあげると、周りの動物たちに緊張感が走るのを感じます。絵のタイトルも「東山の帝王」としました。
もう1枚は最近の作品で、タイトルは「ゴリラ、きゅうりを食らう」です。
僕はこれまで動物園のゴリラの食事は、バナナなど高価な果物中心なんだろうな、といった程度でした。
ところが、東山動物園ではバナナなどの果物が多かった食事を、数年前から試行錯誤を重ねて安価で手に入りやすい白菜やニンジン、キュウリなど野菜中心に切り替えたそうです。類人猿舎の中に入るとメニューの実物が展示してあります。
オランウータンやチンパンジーもほぼ似たようなメニューです。
こんなことを知っただけでも、動物シリーズを描くのが楽しくなりました。