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風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き風景水彩画「ナスタチウム(キンレンカ)」

2013-04-28 08:57:41 | アート・文化

 

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我が家の庭では、常連の花の一つであるナスタチウム(和名・キンレンカ=金蓮花)を描きました。

10数年前、瀬戸内の民宿に泊まった際、眼下に海が広がる庭で咲く色とりどりの花の中で、ひと際鮮やかだったのがこの花でした。

それが、夜の食卓でサラダに添えられていたのにはびっくり。
少しピリッとした刺激や苦味のある食感も気に入りました。花の期間が長いこと、花の色が黄やオレンジ、赤、ピンクなどと豊富なこと、さらに種子は大きいから採取や保存も簡単とあって、我が家ではパンジーなどと並ぶ常連になったのです。

難といえば、寒さに弱いこと。
春早く開花させたいので、冷え込みや積雪は比較的少ない地域に暮らす僕は、苗づくりも12月に入るとスタートさせます。
育苗
ポットに土を入れ、指でごく浅い穴をあけて種を置き、土をかけてタテ1.5㍍、ヨコ1㍍ほどのガラス温室(ヒーター装置などはありません。風避けです)に並べておきます。芽が伸び始めると、ガラスを閉め忘れてはなりません。冷たい風や雪が舞い込んだり、伸びて葉が冷たくなったガラスに触れたりしていると、ダメになることがあります。

例年は吊り下げ形のハンギングに植えるのですが、ことしはハンギングを先にご紹介したイチゴに譲ったためプラスチック鉢に植え、スタンドの上で咲かせました。

同じオレンジ色種なのに角度や光の当たり具合で色が随分違って見えます。5枚の花弁のひらひら感や、葉と花が長い茎の先で風に揺れる感じを描くのも課題でした。


楽描き風景水彩画「廃線跡の愛岐トンネル群を描く」

2013-04-23 09:01:23 | アート・文化



愛知県春日井市と岐阜県多治見市の間を走っていた旧国鉄中央線の廃線跡地を見学することができる、
NPO法人・愛岐トンネル群保存再生委員会による春の公開は、ことしも4月26日(金)から5月1日(水)まで行われることが、同委員会のホームページで案内されています。

僕も2011年秋の公開の際、風景水彩画を学んでいる朝日カルチャセンター(名古屋)の教室からスケッチに出かけました。修学旅行はもちろん、就職や進学などで故郷を後にした日を、SL抜きにしては語れない世代。煤煙と汽笛の記憶をよみがえらせながら、線路跡やトンネルの中を歩きました。
 

赤、茶、オレンジ、青、黒、白、紫・・・。さまざまな色を使わねば描けそうにないトンネルの天井。出入り口近くには苔むした緑も。作業員たちが通過列車をやり過ごした退避所も当時のままです。

産業遺産であるトンネルだけでなく、線路周辺の新緑や草花に迎えられての散策。魅力がいっぱいです。
 

公開の詳しい日時や注意点などは、愛岐トンネル群保存再生委員会のホームページ(http://www.geocities.co.jp/ag_tunnel/index.htm)に載っています。

今回は一昨年秋の公開で撮った写真と描いた作品のうち、トンネル内のものだけをご覧ください。絵の1番目は10号でしたが、2番目と3番目はもっと大きく描きました。


                      

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楽描き風景水彩画「イチゴの花」

2013-04-20 08:49:44 | アート・文化

 

吊り下げ形のハンギングバスケットで再生したイチゴは、その後も直径2.5㌢~3㌢の花を次々咲かせています。花びらを落とした黄緑色の小さな頭=写真=も、粒々がきちんと見えるようになりました。
 

それにしても、数年前から気になっているのですが、我が家の庭でもハチやチョウを見かけることがめっきり少なくなりました。植物の受粉は大丈夫でしょうか。風だけでは頼りないですよね
 
だから、綿棒で人工授粉をしてやることが朝の日課に加わりました。子どものころ観察したハチが蜜を吸っている様子を思い出しながら、突っついています。

 
受粉をしている時、花の一つに1.5㌢ほどの薄緑色の虫がへばりついているのを見つけました。何かの幼虫でしょう。取り除きましたが2個のイチゴの花弁に直径2㍉ほどの穴があき、どちらもイチゴの頭の一部にかじりとら取られたようなくぼみができていました。

 
イチゴが大きく赤くなるのを待っている者が、他にもいるようです。時おり庭にやってくるヒヨドリです。イチゴ栽培を楽しむ方のブログにもありましたが、ゴミ袋などをかぶせるような防護策も考えねばなりませんね。
 
また、ランナーが勢いよく出てきしたが、しばらくは栄養がイチゴの実に回るようにするため取り除いた方がいいそうで、これも作業のひとつになっています。
 
開いたばかりのイチゴの花を描いてみました。


生物に限らず、小さなものを実物より大きく描くのは難しいですね。ボタニカルアートや細密画も少し学ばねば・・・。

いずれにせよ、対象を観察するように細部まできちんと見て、その部位の名前、働きなどを知って描くことは無駄ではないし、楽しいと思います。
それに、白いものを描くのも大変。でも、よく見ていると光や影などで白にもいろんな色があるものですね。
ハンギングバスケットを吊るしている鎖を、画面に入れるべきかどうかも悩みました。

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楽書き雑記「ハンギングでイチゴの再生」

2013-04-17 19:50:17 | 日記・エッセイ・コラム

庭に吊るしたハンギング鉢で、葉の間から飛び出すように伸びてきた花芽の茎が、次々と白い花弁を開き始めました。イチゴが「再生」して久々の春を謳歌しているのです。

久々というのは10年ぶりか、それ以上かもはっきりしません。イチゴの品種も忘れてしまいました。
というのは、かなり前、僕はイチゴの苗を2つほど購入、庭の隅に植えました。夏にはいくつものイチゴを収穫できましたが、そのころ飼っていた愛犬がおしっこをかけていたのを見た、とかで人は誰も口にしません。結局、僕だけが味わったのを覚えています。

しかし、栽培はこれで終わり。
親株から伸びたランナーを雑草ごと抜き取りました。その後も抜き取りを免れたランナーから育ったらしい痩せたイチゴを、庭から離れた軒下の隅などで見かけたことはあります。そのたびに中指の先ほどの実を口にしたものの、ランナーは抜き取ってきました。

ところが昨年春、またまた硬い地面にへばりつくように育つ小さな苗を4、5本見つけたのです。
植物とはいえ、僕は不びんに思いました。
プランターに移植すると、ブログでイチゴ栽培を楽しむ人たちのページを
いて、刻んだわらを苗の周りに敷いたり、枯れた葉を取り除いたり・・・。イチゴの実は親指の大きさになり、勢い良く伸びてきたランナーをポットに引導して15、6本の苗ができました。

昨年秋、うち6本の苗を吊り下げ形の直径33㌢ほどのハンギング鉢2つに、3本ずつ移植しました。パンジーなどのような派手さはなくても、葉の緑と広がり、そこに白い花となれば美しいはず、思ったからです。

りは庭に1㍍四方を確保して、露地植えしました。
イチゴ愛好家からは「どちらも、密植しすぎです」とおしかりを受けそうですが、
1本の苗も捨てないで、との思いが強かったものですから・・・。

早速、花のスケッチを始めました。
作品は、次回更新の「楽描き風景水彩画」のページで。

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楽描き風景水彩画「ご近所のシダレザクラ」

2013-04-14 08:00:02 | アート・文化

 

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ご近所というより、お隣さん宅の庭と言った方がいいくらいの距離。まさに

借景のシダレザクラです。


ソメイヨシノより少し遅れて「お待たせしました」とばかり開花。赤めの強い

ピンクの花びらをびっしり付けた枝をすだれのように垂らして「私が主役よ」

と言わんばかりに咲き誇る姿は、大スターの貫録さえ感じさせます。

数本の枝をアップして描くか、少し離れて住まいを入れるか、庭に咲いて

いる草花を入れるか、いろいろ考えましたが、今回は舞台を独り占めにし

たような姿を20号の作品にしました。


この絵を描く前に、愛知県豊川市の桜ケ丘ミュージアムで開かれていた

「描かれた日本の美ーーさくら展」を観てきました。中島千波、後藤純男、

松村嗣 加藤東一、守屋多々志らの大作に酔いしれるばかり。「素人

の自分には、桜は難しすぎる」と思いつつも、「だから描きたくなる」と自分

言い聞かせた次第です。



楽書き雑記「楽描き仲間の個展」

2013-04-11 16:29:46 | 日記・エッセイ・コラム

絵を趣味にしている僕は、できるだけ美術館や街のギャラリーをのぞくことにしています。

きのう(4月10日)も、愛知県美術館ギャラリーの第89回白日会展・名古屋展を観て、レベルの高い作品の数々に驚くとともに、僕自身のこれからの制作に生かせれば、と思う収穫もありました。また、短い期間でしたが絵の勉強をご一緒した仲間が受賞しており、彼の意欲と努力に改めて敬意を払った次第です。

仲間には公募展や教室展、グループ展での作品発表だけでなく、個展を開いている方もいます。なかでも僕が最も楽しみしている個展のひとつが、佐藤英機さんの水彩画展。ことしも5月7日(火)から5月12日(日)まで、名古屋市中区にある名古屋市民ギャラリー栄(中区役所朝日生命共同ビル内)で開かれます。

佐藤さんは僕と同年輩ですが、絵の方は大先輩です。定年後間もなくから毎年この時期に個展を開かれ、今回で11回目。全国各地へスケッチに出かけられた水彩画の力作が会場いっぱいに並び、圧倒されます。

今回も、僕は「すごいなあ」とため息をつきながら、大いに学ばせていただきます。

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楽描き風景水彩画「水彩画教室の授業から」

2013-04-09 11:55:28 | アート・文化

 
今回は、少し趣向を変えてみたいと思います。

僕は朝日カルチャーセンター(名古屋)の「風景水彩画入門」(講師・山田彊一先生)という教室に通っていますが、このブログを開いて頂いた僕のような趣味の水彩画ファンやこれからやってみたいと考えられている方々のために、授業の一端を見ていただこうというわけです。



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「絵は上手下手ではない。個性があるかないかだ」。山田先生は毎回のように、この言葉を口にします。確かに、絵の指導書にも「個性が大切」「個性的な絵を」と書かれているし、レベルの高い展覧会などでも、構図や筆使いなども含めてすごい個性で描かれた作品に圧倒されることがしばしばです。

その点、今の僕は題材の形や場面をできるだけ忠実に描こうとしがちですから、山田先生からは「旨く描こうとしてるね。それより個性的な絵を」言われるわけです。

そこで、先日のスケッチ会で名古屋・大須の本願寺派名古屋別院にある梵鐘堂(上の写真)を題材に、実験的に従来の僕とは少し違った描き方をしてみたのが、次の絵です。写真には背の高い樹木やビル、教室の仲間の姿も写っていますが、すべてはぶきました。

 
     

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僕の作品を見た山田先生は言いました。「個性的だけど、僕ならもっといい絵にする。やってみせようか」。僕は、この作品は展覧会に出す予定もありませんでしたから「では、お願いします」と絵筆を渡したのです。
先生は、たっぷり水を含ませた筆を絵の上から下へ勢いよく、走らせました。そしてすぐ、ティッシュペーパーで水をこすり取るようにぬぐっていきました。

これを何度も繰り返します。色が抜け落ち、紙もはげて、穴が開くのではないか、と心配になるほどですが、絵の印象は大きく変化していきます。より個性的で、アートらしくなったと言えばいいでしょうか。
この「洗い」、僕も時おりやってはいますが、どこをどう洗えばいいのかだけでなく、その勢いと思い切りの良さはさすが、と思いました。
 

「なるほど」「いいね」。周りを囲んで見守った教室中の生徒たちも納得したようです。
それが、この作品です。


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楽描き風景水彩画「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)の大楠

2013-04-05 16:33:45 | アート・文化

樹木たちの本格的な芽吹きの季節を迎えました。
僕は木に出会うのが大好きです。

といっても、僕には専門的な知識もなければ、森林歩きの経験もありません。せいぜい、少年時代、住んでいた田舎で里山を駆け回って木の実を口にしたぐらいです。

そんな僕でも樹木、とりわけ大木や巨木に出会うと、その生命力のすごさや生きてきた時間の長さ、それに比べ自分たちのすべてがいかに小さいかを思うと、畏敬の念さえ覚えます。だから、教室のスケッチ会などでも、僕の目は大きな木を探していることが多いのです。

今回の絵(20号)は、瀬戸内海に浮かぶ大三島(愛媛県今治市)にある大山祇神社の巨大なクスノキです。この島に渡る前に立ち寄った生口島(広島県尾道市)の平山郁夫美術館で大山祇神社のスケッチ画の絵ハガキを手に入れ、境内の同じ位置から描いてやろうという大胆な思いもあって大クスに向かいました。

拝殿に通じる神門の前にどんと立ち、天然記念物にも指定されたそれは樹齢2600年とか。神社の話では、巨木に寄り添うような枯れた部分は落雷によるものだそうです。

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楽書き雑記「孫のアート」

2013-04-01 20:20:26 | 日記・エッセイ・コラム

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 「おじいちゃん。こっちへ見に来て」<o:p></o:p>
5歳になった孫が小躍りしながらやって来ました。
これは何だろう?目にした僕のそんな反応を見透かしたように、孫は得意満面に言いました

「ウチュウセンカンヤマトだよ」
「大きいのと小さいのと、中くらいの。いいでしょう」

孫のママも僕の妻も外出、2人で留守番をしていた日のことです。
やりかけていたことがあった僕は、孫に色鉛筆とプリンターの給紙口に20枚ほど入っていたA4用紙を数枚抜き取って「ひとりでお勉強していてくれる。ここに字や絵をかけば」と、その場を離れていました。
途中、「テープをちょうだい」と言ってきたので、理由も聞かず僕の絵描きの際に画用紙を止めるテープを渡したのですが・・・。

幼児の多くは絵を描くことが大好きなようですが、孫はさほど積極的ではなさそうです。ママの話では最近になって少し変化が出てきたらしいですが、それまではお絵かき帳を渡しても「ママが、かいて」「おばあちゃん、かいてよ」、時には「おじいちゃんが・・・」と、なかなか応じませんでした。
ママはお絵かきは子どもの時から得意分野だったようですが、僕はこのブログの最初にも書いたように「不得意分野」で、絵からは逃げていた子だったのです。だから「これでもいいか」と思いつつも、スーパーの催しコーナーなどで幼児たちの作品を見かけるたびに、少し心配にもなっていました。

ただ、孫が自信を持っているのもあります。レゴブロックです。
飛行機、船、戦車・・。最近は、すっかりハマって「大作」に挑戦しています。僕は図画だけでなく工作も不得意でしたから、驚くばかりです。ここに掲載した「作品」も絵というよりも工作ですかね。

「よくできてるよ。すっごーい」「パパに見せたら、喜ぶよ」
帰ってきたママと妻の反応に、大はしゃぎの孫。

僕はタテ約
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のA4用紙を次々張り合わせたような作品をどう評価すればいいかはわかりません。でも、孫は自分の背丈をはるかに超える「大作」にのびのびと挑むことができ、すばらしい充足感を味わったに違いないでしょうね。

気温の上下が激しい春の「ばかじい」のひととき。
プリンターの給紙口の紙は、1枚も残っていませんでした。