地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

「等時帯」地図(東京中心)

2009-01-26 11:32:14 | Weblog
等時帯図(東京中心)を覗いてみましょう。

地球の赤道の全長は40,075,161km(約4、000万km)です。
24時間(正確には23時間56分で、これが4年に1回の閏年を生じさせます)に一回、地軸の周りを回ります。
北半球では、北極または北極星(ややズレていますが)の周りを、反時計回りに回っています。

そして、そのことが時差を生じます。
一周360度ですから、一時間に15度回ることになります。
赤道上の1度のこの長さは約11万kmです。
したがって、赤道上を時速165万km/hの速さで時計と逆の方向(左から右へ)に回っていることになります。
とすると、飛行機などで時速170万Kmぐらいで西に走り続けると、永久に年をとらないし、200万kmで走ると若くなる・・・?
そんな馬鹿な!
それは単なる、時計システムの問題、人間の作った約束事の問題ですね。
同じことが、時差にも言えるのでは!?

 
話は横にそれますが、緯度1度の長さを歩いて調べた人がいます。緯度ですから地球上のどこの長さもほぼ同じですが・・・。
それが日本の伊能忠敬さんです。江戸後期です。
「子午線1度の長さ」を測量するため、江戸から蝦夷まで、幕府の許可を得て測量したのです。
詳しくは、井上ひさしさんの「四千万歩の男」を読むと、面白く知ることが出来ます。

今日、取り上げた「等時帯」地図(東京を中心にした地図)は、この地球上に住む人々の生活をグローバルに管理するための約束事として作った地図です。

国際的には、イギリスのグリニッジ天文台を標準時の起点にし、15度毎に(東)に移動するごとに1時間遅らせています。
そして、12時過ぎると1日前の日の12時に切り替えます。
これが日付変更線です。

日付変更線を設けないと、飛行機で移動した国が今、何月何日の何時かわからなくなってしまいます。特に日付が!?

また、あまり正確に経線で時間帯を区切ってしまうと、一軒の家の中で日付が変わったりします。極端な例ですが。
そこで、国の境などでややゆがめて「等時帯」線を決めています。
例えば、国が何月何日を国会議員の投票日と決めても、バラバラになってしまうのを防ぐためです。

広い国、ロシアやアメリカなどは、洲で時間帯を分けざるを得ないところもあります。

また、サマータイムを設けている高緯度地帯の国の問題もあります。