地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

日本近傍の植生指数分布図

2009-01-07 17:37:49 | Weblog
日本近傍の植生指数分布図を取り上げてみました。

毎日のテレビの天気予報では、日本近傍の雲の動きが表わされています。
これは衛星画像です。

この衛星画像は、可視光線による画像ですが、
このほかに波長の短いガンマ線、X線、紫外線や、波長の長い赤外線、電波などを画像化して、いろいろな目的に使っています。

すなわち、人の肉眼では見えない姿も画像にして捕らえ、活用しているのです。

また、人工衛星自身が電磁波を発射し、その反射を画像化する場合もあるそうです。マイクロ波による画像だそうです。だんだんに調べてみます。

現在は、アメリカのLANDSAT(ランドサット)、わが国の地球観測衛星ALOS(エイロス、だいち)、フランスのSPOT(スポット)、そのほか、IKONOS(イコノス)、Quick Bird(クイックバード)などが宇宙を回っています。

そして、例えば、きれいな水の分布を調べるには、青色の0.4μmの波長のみを受け止める画像を撮ると地球上のその分布がわかります。

同様にして、雲の観測から天気予報、森林・植生の分布、海水面の温度分布、またそれらの経年変化の観察などが出来ます。
特に、経年変化が地球温暖化の状況等を知るのに貴重です。

上の図は、東京情報大学(千葉市にある1988年創立の私立大学)が提供した「2002年の植生指数NDVI分布」(財 日本地図センター 発行 「空中写真・衛星画像」より)です。
(注)NDVI=Normalized Difference Vegetation Index(植生指数)

2002年の1月から12月までの各月の植生指数を図化したものです。
植生が少ない、すなわち一年を通して、赤、黄色の地域は市街地や、樹木の生えていない高山地帯です。
また、その反対に、一年を通して、植生の豊かな緑色の地帯は常緑樹の豊かな、自然環境のいい地域です。
一般には、秋から冬にかけては、落葉して赤かっぽくなりますし、夏になると濃い緑色に変わります。
一部、中国やロシヤには海と同じ紫色の部分がありますが、これはゴビ砂漠やツンドラ地帯を現しているのでしょうか。まったく植生が存在しない地域です。

地球温暖化で、地球最後の日も遠からずのニュースの多い最近ですが、一方ではこうしたグローバルな調査を可能にし、日夜その対策に頭を使っている人たちがいることは、人類も地球もまだまだ捨てたものではなさそうですね。