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小住宅。

最近の住宅造りには、若いクライアントによる狭小敷地に低予算で、
しかも自分達の感性にフィットした住宅を、という流れがあるように思います。
これは建築家による家つくりが「贅沢」でなくなって来たということでもあり、
非常に良いことではないかと。
ただ、やはり全体の傾向としてコストと要望のアンバランスが目に付きます。
一番悩ましいのは20坪くらいの狭小敷地で3階建てを、という希望。
敷地が狭い、というのは斜線制限(道路、北側、隣地、高度地区などなど)が
ビシバシ効いて来る、ということで三階部分は思うようにならないし、
多少容積率が高いところでも、まず消化しきれません。
(仮に消化できたとしても、予算がついていきません)
その上構造コストもアップするし、やっぱり2階建てで納まるとリーズナブル、
階段の面積に占める割合も許容範囲だし、
あまりギリギリ感を見せずに綺麗に纏められるよな~、と感じることしきり。

さて、今日は家庭画報別冊「住みやすい小住宅傑作選」をご紹介したいと思います。
この本では延べ床100㎡を小住宅の基準としているのですが、
登場する住宅の質、過去の名作住宅の紹介、Q&Aなどなかなか充実していて、
更に特筆すべきはコストを含めた種々のデータがしっかり載っていること。
写真・図面も綺麗で見やすいし、丁寧に編集された良い本ではないかと思います。

住みやすい小住宅傑作選―人気住宅作家の基本セオリーから (別冊家庭画報)住みやすい小住宅傑作選―人気住宅作家の基本セオリーから (別冊家庭画報)

世界文化社 2003-05
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この本を久々にしげしげ眺めてみたのですが、
プラナリアの実感が的外れでないことも確認できました(笑)
小住宅を建てたい、とお考えの方、流行の「狭小住宅モノ」も面白いですが、
まずはこの本で「ベーシック」(<よく見ると過激)を確認されることをお勧めします!
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