暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

雪国

2020年07月26日 | 古民家

 白く透き通った雲とは違い・・・

ねずみ色の低い空を仰ぎ見ながら・・・薄い雪の花弁は風に舞い、時間が止まっているかのように

いつまでも容赦なく降り続いて・・・一晩に1mを超す時もあり・・・

やさしく淡い重さも感じない雪の粒を、恨めしく思うのは・・・雪国に暮らす者にしか解らない感覚かも知れない・・・

重い瓦屋根の上に・・・ジュッと湿り気のある重い雪を抱える住まいは・・・

その重さに耐えうる造りでなくてはいけなくて・・・それでも人の背丈ほども降り積もれば・・・

居間に入る板戸は固く・・・重さで下がった鴨居を見ながら、そろそろ雪下ろしをしないと・・・

そんな気持ちになる・・・。

密集する住宅事情では度台無理な話でも・・・田舎暮らし、農家の住まいならば・・・

急こう配の屋根に、雪が自然と落ちる工夫は出来ても・・・

出入りする場所の雪またじは必要で・・・汗だくでの作業が翌朝リセットされる・・・

厳冬期の苦労は何大抵では出来ないと思います・・・。

そんな暮らしを支える雪国の古民家が移築され・・・

現代の住まいとして、新しい暮らしの一部となる機会も少しは増えたと思っていますが・・・

一時はゴミと同じ扱いを受けて、不用なモノとされて来ました・・・。

立派な造りでは無くても・・・貴重な素材を生かす暮らしを忘れてしまった時間を取り戻す・・・。

先人の知恵や技術を生かす・・・それを知る教育の場を増やしていけたら良いと思います。

 

 

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山に川に海

2020年07月25日 | 古民家

 海の民と山の民・・・大陸からの文化が入って来るよりも、以前の暮らし・・・

獣の毛皮や肉・角などの代わりに・・・石器や海藻などと交換して

足りないモノを補いながら・・・交流を頻繁にしていたようですが・・・

小説や漫画の影響なのか・・・仲たがいしているようなイメージでした・・・。

海と山では・・・その環境も違うので、おのずと住いのカタチもそれに合わせ特色が見られます・・・。

湿気のある環境と・・・動物などから身を守り、食物を守り・・・

大切な家財を守る高床式の住まいが造られ・・・使う素材は、ふんだんに育つ木材や植物・・・

工夫された石器の道具などで、複雑な加工が出来て・・・

海から渡って来る情報もあって・・・進んだ文化が暮らしを豊かにして行きました・・・。

人との関わりを避け独自の文化を進めば・・・おのずと限界が来てしまい・・・

多様性を求めて進化して来た文化は・・・動植物すべて、生きる為の知恵でした・・・。

そんな中でも、自分の身の丈で暮らして来た頃から・・・大きく世界は変化して・・・

後戻り出来ない仕組みで・・・息が詰まりそうな暮らし・・・

どこかでストンと腰を下ろし・・・大きく深呼吸して廻りを見つめ直す・・・。

子供の頃に見た、山や川や海が・・・どれだけ変わってしまったか、気付いてほしいと思います。

 

 

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時間

2020年07月24日 | 古民家

 時間をお金で買う・・・

高速道路に乗っていると・・・時間を買っているのでは?などと思い・・・

誰にでも平等に訪れるのが時間で・・・お金で買えないモノが時間と思っていたのが・・・

・・・限りある時間を、渋滞の中で過ごすのでは無く・・・

高速道路(有料道路)に乗って、早く移動出来た時間を別の用事に充てられるのはいかがなのだろうか・・・?

(そもそも、込み合う高速道路に乗ってしまっては本末転倒と言うお言葉もありましょうが・・・。)

移動がほぼ徒歩の時代・・・朝は早く・・・帰りの時間を考えれば、それなりに仕事も早く仕舞い・・・

仕事場所も・・・そんなに遠くへは行けなくて・・・

旅行に出るとなれば命がけで、一生に何度も無い時間・・・そんな環境で育てば・・・

単調に過ごす毎日に楽しみを見つけ・・・代り映えしない地域や景色で行われる・・・

毎年の行事は、飛び切り大切な日となって・・・

通り過ぎるいつもの時間は・・・少しの変化にも心躍る・・・

すごく濃密な毎日になっていたのかも知れません・・・。

見ようとしなくて・・・見えていなくて・・・見ているのに気付かない・・・

もったいない時間の使い方をしているような気がします・・・。

詰め込み過ぎ・・・生き急ぎ感のある時間の使い方が良くないと思わなければいけない訳で・・・

物や情報を与えられる喜びに疲れて来た毎日を・・・

新しい何かを見つけ続ける時間に疲れた毎日に気付き・・・

聞こえてくる音や・・・香りや、見るものすべてに・・・ゆっくりと心を傾けてみても良いのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

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仮の住処

2020年07月23日 | 古民家

 梅雨の長雨が、ホロリと降り続く中・・・自然の成長は目に見えて早く・・・

顔もおぼろげな、甥や姪の変わり果てた成長ぶりに驚くように・・・

ひっそり育ち、たくましく生い茂る雑草を見ていると・・・生ける物がいなくなった土地は・・・

案外、自然によみがえるのは簡単で、人の暮らしなどあっという間に飲み込まれてしまうのだろう・・・

わがもの顔で歩いているようで・・・もろい社会の姿を見ている気がします・・・。

フツラフツラと苔むした道路脇の壁や・・・橋の欄干に・・・うっそうとした木々の森・・・

わずかばかり差し込む日の光に息をして・・・・光を蓄えた緑の敷布は・・・

人が立ち入るのを拒んでいるようで・・・それでいてとても清々しく高貴な感じがします・・・。

杉や檜の森・・・人の手が入り、健康的な森にも、温かさや安堵は覚えますが・・・

手つかずの神秘の森には・・・手を触れてはいけない、守らなければいけない大切な時を感じます・・・。

数百年もその場を見守って来た大木を伐採する時、人は敬意をもって挑みます・・・。

住いの一部に井戸があって、致し方なく塞ぐ時・・・感謝の意味・この先も大切に思う気持ちを込めて・・・

お祈りをするのと似たように・・・。

人が育てて来た暮らしは・・・心の中で、時間と共に積み上げて来た習わしや言葉に多くの魂が宿り・・・

見守ってくれますが・・・

そんな事さえも・・・無かった事にしてしまうほどの自然の力・・・

みんな・・・その恩恵を少しだけ頂きながら・・・

仮の住処として、今がある事を忘れているのかも知れません。

 

 

 

 

 

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竹と土

2020年07月22日 | 古民家

 竹と言うモノは大変すばらしもので・・・

生活の中にツルリと入り込んで・・・見かけない事は無いように思う・・・。

その辺りを散歩に出かければ・・・めったやたら育つ竹藪・・・

あちらこちらで見掛けて・・・うだるように生い茂っていれば、何かに使えないモノだろうか・・・?

・・・と、誰かが考え・・・手先の器用な人が薄く裂いて編んで見たり・・・

細い枝を束ねて箒を作って見たり・・・。

土を使った歴史は古いようで・・・骨組みを何かでこさえて、その上に土を塗ると・・・

太陽の光と熱で自然に固まり、快適な住処となる・・・

木の型枠に入れてレンガを作って、積み上げるなど・・・世界のいろんな場所で土は使われていました・・・。

竹を麻ひもなどで編んで・・・その上に土をかぶせる、土だけの時よりも数倍強くなり・・・

厚く塗り込めるので、断熱性も良くなり・・・建物の中にしまい込んだ大切な品物を・・・

火災から守ってくれます・・・。

各地で蔵など、土壁で造られた住まいは沢山ありますが・・・・

土壁に適した土と言うモノもあって・・・愛知県や埼玉県は古くから有名で・・・

聚楽壁などの仕上げ材も入れると・・・京都辺りにも良質な土が生産されていたようです・・・。

(良質な土の取れる場所には良質の瓦も造られています。)

本来は・・・自分の土地や近くで用意できるに土に、藁スサ・麻などを混ぜて発酵させ・・・・

土造りに半年・・・1年の時間を掛けて住まい造りはしていました・・・。

自然の素材が成長し・・・伐採され、伝統技術で組まれ・・・長い年月暮らしを守り・・・

時が経って朽ち始めれば・・・新しく育った竹や藁、土を再利用して手直しされるか・・・

新たな住いの材料となります・・・。

道端にあるモノで暮らしを支えるのです・・・。

時間と手間暇・工夫を重ねる考え方が当たり前になる・・・

そんな暮らしが、この先大切になるような気がします。

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