友人が天体写真に凝り始めて星野写真を送って来るので、星列の同定とか楽しんだりしています。滝星図 8.5 等 ではちょっと物足りなくなってきたので、自分で星表データをダウンロードして Excel で描いてみようと思いました。
随分昔に、一度やったことはあるのですが、詳細は忘却のかなたで、そもそもデータも更新されているでしょうから、新たに最初から試みることにしました。手順を備忘のために記録しておくことにしました。
ヒッパルコス星表というのが一般的なようなので、まず
随分昔に、一度やったことはあるのですが、詳細は忘却のかなたで、そもそもデータも更新されているでしょうから、新たに最初から試みることにしました。手順を備忘のために記録しておくことにしました。
ヒッパルコス星表というのが一般的なようなので、まず
に記されたリンク先から赤経、赤緯範囲を指定して必要部分のみダウンロードしようとしましたが、範囲の指定がうまくできなかったので、結局、ftp で張られていた全データへのリンク先から FFFTP を使って gz ファイルをダウンロードし、7ZIP で解凍しました。
Excelで読込み、該当の赤経、赤緯範囲を切り出し、赤緯は軸の向きを逆にして描きました。3等星以上を色を変えないと星座の形が見えてきません。
描いた図で、σ Ori 付近の星列を写真と見比べてみたのですが、ちょっと力不足のようなので、Tycho-2 catalogue を試みることにしました。
Tycho-2 catalogue data files からダウンロードでき、データのフォーマットもThe Tycho-2 Catalog Format から分かるのですが、表が、GSC region number に従って配列されているというので、見たい部分の region number を知る必要があります。そのため、The Guide Star Catalog. III. Production, database organisation, and population statistics. - NASA/ADS で pdf ファイルをダウンロードして説明を読みました。
Excelで読込み、該当の赤経、赤緯範囲を切り出し、赤緯は軸の向きを逆にして描きました。3等星以上を色を変えないと星座の形が見えてきません。
描いた図で、σ Ori 付近の星列を写真と見比べてみたのですが、ちょっと力不足のようなので、Tycho-2 catalogue を試みることにしました。
Tycho-2 catalogue data files からダウンロードでき、データのフォーマットもThe Tycho-2 Catalog Format から分かるのですが、表が、GSC region number に従って配列されているというので、見たい部分の region number を知る必要があります。そのため、The Guide Star Catalog. III. Production, database organisation, and population statistics. - NASA/ADS で pdf ファイルをダウンロードして説明を読みました。
全天を2段階で区分けしています。まず、約 7.5°の large regions に区切り、次にそれらをさらに small regions に区切ります。large regions は同じ赤緯範囲を赤経 0h を起点にぐるりと一周する順に番号が振られています。赤道沿いからまず北半球、次に再び赤道沿いから南半球の順です。small regions は、large regions の順に通し番号になっています。(pdf ファイルの Fig.1, Fig.2 参照)
以下、具体的に GSC region number を知る手順を、オリオン大星雲付近を例に説明します。
以下、具体的に GSC region number を知る手順を、オリオン大星雲付近を例に説明します。
まず赤緯の範囲の中心が -3.75 なので、Table IV から、一周の赤経 24 h を N=48 に分け、即ち 30m ごとに区切られていることが分ります。従って起点の赤経 0h 00m ~ 0 h 30 m から数えて、欲しい赤経 5h 30m ~ 6 h 00 m の範囲は 12 番目であることが分ります。
さらに Table IV に、L1=367 とあり、起点の赤経 0h 00m ~ 0 h 30 m の範囲の通し番号が 367 ということなので、欲しい赤経 5h 30m ~ 6 h 00 m の範囲の large region の番号は 378 と分ります。
次に Table V から、番号 378 の large region を区切った small region の通し番号が が 4766 から始まっていること、さらに k=4 、即ち縦横それぞれ4分割され、合計 16個の small regions に区切られていることが分ります。
以上より、small region number 4766~4781 の範囲が必要と分ります。
先にダウンロードした Tycho-2 catalogue data files の catalog.dat ファイルの各行の先頭の4桁数字が small region number になっているので、必要範囲を切り出せば良いのですが、ファイルが大きいので少々大変です。
ちなみに index.dat ファイルは、各行が各 small region の情報になっています。例えば、その 4766 行目は
1227506| 7967| 82.51| 84.38| -1.87| 0.00
となっていて、catalog.dat は 1227506 番目のデータから、suppl_1.dat は 7967 番目のデータから、それぞれ 4766 の領域のデータが始まっていることを意味しています。また後ろは角度で表現した、赤緯、赤経の下限、上限です。
ヒッパルコス星表の時と同様に Excel で描いてみました。4.0 等、9.0 等で3段階に描き方を変えると、写真との対応もずいぶんうまくできました。
最初、suppl_1.dat を入れずにやっていたら、抜けている星が結構あったのですが、入れたら問題なくなりました。suppl_1.dat は、catalog.dat と書式が少し違うので注意が必要です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます