2年前の「歸去來兮(かへりなんいざ)」展で図録を装丁いただいた書容設計家・羽良多平吉さん。その40年の仕事を回顧する雑誌が少し前ですが発刊されました。
雑誌『idea』346号 大特集:羽良多平吉
http://www.idea-mag.com/jp/publication/346.php
ベタな表現で恐縮ですが、「溜息が出るほど美しい」雑誌です。HPに内容の詳しい紹介がありましたので、ぜひご覧ください。そこから一文をコピーさせていただくと、
羽良多は書物のデザインを「装幀」や「ブックデザイン」ではなく,「いれもの」であると同時に「すがた」も意味する「容」を用いて「書容設計」と呼ぶ。そして素材やツールの存在論をとらえる「点國」「フォンタジー」といった造語を照準器として用いることで,書物のかたちと理(ことわり)をよりそわせる。
70代後半から『HEAVEN』『遊』や初期YMOのヴィジュアルなどで展開したニューウェーブ感覚あふれるグラフィック。80年代以降の書容設計における多彩な組版。90年代中頃以降の実験的なデジタルグラフィック。そして近年におけるモダニズムや「白」「マージナル・ゾーン」の再検討。
本特集では羽良多のこのような40年以上にわたる活動の全体像を紹介する。と同時に,本人および関係者のコメントを通じて,羽良多がヴィジュアルに媒介してきた70年代以降の諸文化コンテクストを浮かび上がらせる。
なるほど。ブックデザインの歴史における位置付けだけでなく、70年代以降のカルチャーに対して羽良多氏がヴィジュアル果たしてきた歴史までもがよくわかる一冊ですね。
そして。
同書では「歸去來兮(かへりなんいざ)」展図録も紹介されています
当館館長と学芸員もコメントを寄稿させていただきました。他の寄稿者が「井上陽水」や「坂本龍一」だったりして、はい、ちょっとミーハーな気持になりました
羽良多さんには次回の展覧会「絵画のwaltz―吉田淳治展」でもカタログ・ポスター・チラシのデザインをお願いしています。ポスター・チラシはもうすぐ完成。
出来ましたらご紹介いたしますね、お楽しみに。