2009年度の企画展「Un nouveau regard―ふるさと再発見・久万新映像紀行」の作品制作に向けて、今月27日から写真家の笹岡啓子さんが久万高原町に来町!
笹岡さんは、東京造形大学卒業後、2001年photographers galleryの設立に加わり北島敬三らと共に活動、個展の開催やグループ展も様々な企画に参加、現在「pg press」編集責任者の任にあり、2008年3月には「VOCA展」(上野の森美術館)でVOCA奨励賞を受賞するなど、精力的に活動されている若手女性写真家です。
笹岡さんは今回、久万美術館が収蔵している「久万山真景図」(遠藤廣實という松山藩のお抱え絵師が江戸時代にこの地域を巡って描いた絵巻物)に描かれている風景と同じ場所を選んで撮影しています。
地元の人の話を聞きながら場所を特定。当時の面影を残している場所もあれば、植林されていたり埋め立てられていたりで、中々特定しにくい場所もあります(中にはその場所に行く道が通れなくなっているところも…)。
明日より、来年の写真展「Un nouveau regard―ふるさと再発見・久万新映像紀行」のために、写真家 高橋あいさんが久万に来られます。
高橋さんは、1980年東京生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、同学科の副手として港千尋氏のアシスタントを努め、現在は東京藝術大学美術学部の修士課程に在学中の若手写真家です。
高橋さんの写真は、市中にありながらも、人の気配がなくなってしまいそうな場所をとらえます。しかし、それでも消えてはしまわないだろうと思わせる人の存在の強さを写し取るところが、とても印象的な作家です。
そんな高橋さんが、いわゆる「限界集落」の問題が深刻な「地方」である久万高原町をどのように写すのか、とても気になるところです。
久万美術館では、2009年度の企画展、「Un nouveau regard―ふるさと再発見・久万新映像紀行」を開催するため、ただいま準備をしています。
この企画展は、久万高原町の人や自然などの風景を、東京の写真シーンで活躍する三人の若手女性写真家が撮りおろします。都会派の映像感受性を持った彼女たちが、その風景を「旅人」の眼で見たとき、見慣れたはずのふるさとの風景が新しく再発見されるのでは、という試みです。
開催は来年度ですが、久万高原町の四季を織り交ぜた作品を制作するため、写真家には今から撮影に取りかかってもらっています。
今日も、写真家の一人、萱原里砂さんが撮影のため現地をまわっています。
萱原さんにとって、久万高原町はどう映っているのでしょうか…。