7月10日(日) 設立総会も何とか無事終わりました。
同日 午前中に、主だった支援者と弁護士が今後の対策について話し合いました。
確認された事項
1)7月4日のネガ確認時に、発見できた新たなねつ造疑惑箇所については、さらに裏付けをとり、慎重に対応いていく。
2)前回の三者会議で提案されたスリップ痕の鑑定についての対応は、一歩間違えば、再審却下の理由とされる可能性がある。
この他にも活発な意見が出されたのですが、ここでは省きます・・ってか書けない。
この時期、これ以上の具体的な情報を流すことは不利な状況を招くことになります。
それだけ、今後を左右する重要なことが、ネガの確認で判明しているとお考えください。
とは言っても、せっかく興味を持ってきてくれている一般の方々に申し訳ないので、総会当日に耳に入ってきた話をおひとつ。
鉄と政 番外編
政「兄貴、一つ 紹介したいお方がいるんですが、会っていただけやせんか?」
鉄「おう、かまわねぇよ。今からかい?」
政は会場後方に座っていた二十歳そこそこの若衆を手招きした。
政「この男は、神田に住んでる文吉さんて方なんですがね。身内に岡っ引きがいるんでさぁ。ちょっと話を聞いてやってくださいやし。」
文吉はぺこりと鉄に頭を下げた。文吉は身なりの良いところからして、裕福な町屋の息子というところだ。文吉は挨拶もそこそこに話し出した。
文吉が白バイ事故をしったのは高松高裁判決の直後のネット情報からだった。事故に疑問を持った文吉はすぐに身内の岡っ引きに事の真相を訪ねた。
岡「ああ あの事故は白バイがぶつけたのは間違いねぇよ。詳しいことは俺にもわからねぇが、考えもみな。高知県警の白バイ隊員にのろのろと出てくるバスをよけきれないほどに運転がへたくそな奴は一人もいないねぇ。スリップ痕のねつ造?まぁ 大きな声じゃいえねぇが似たようなことは日常茶飯事よ。あれほど大胆なのは珍しいがな。ありゃ、やりすぎだってバスの運ちゃんに同情しているやつが多いぜ。」
その後も、文吉はネット等で手に入れた情報を岡っ引きに伝えて意見を求め続けた。その岡っ引きはその都度、嫌な顔一つしないで応じてくれていた。
2年ほど前に文吉は土佐を出て大学に進学した。 今年の5月、土佐へ帰省した時に久しぶりにその岡っ引きに会ったのでいつものように白バイ事件の話をしたという。
岡「文吉、悪いなぁ あの事件についちゃ何も言うなって「達し」がきてんだ。」
文「今まで、いろいろ教えてくれたじゃないですか」
岡「まぁな。あの頃と今じゃ状況が違うんだよな。なんでも再審がはじまるかどうかって瀬戸際らしいじゃないか。上もかなりピリピリしててよう。高知白バイ事件について警察関係者以外にしゃべるななんて、管轄違いの俺の署でも言われてんだ。」
そこまで話して文吉は一息ついた。
鉄「それまでは、いろいろ話してくれた身内の岡っ引きが何も言わなくなってってことですかい?」
文「はい。それまではいろいろと話してくれたんですが、事故の処理の仕方が不自然だとか・・ ええ、具体的にです。」
鉄「具体的にってのは?」
文「はい。事故現場に最初に到着した警官・・白バイ事故では○×隊員ですが、その警官のするべきことは規則に書かかれているが、それすらしていないとか いろいろ話してくれたのですが」
鉄「・・・・・・・ するべきことってのは?」
文「運転手の身元確認とかですね。」
鉄「その規則ってのは交通事故捜査要綱って言ってなかったかい」
文「ええ、そんな感じでした」
その要綱の全文をすでに手に入れていた鉄には、大きな意味はなかった。目撃隊員等の捜査要綱を無視した捜査は明らかだった
鉄「他に何か気になることは言ってなかったで?。」と鉄が話を終わりにしようとしたときに政が文吉に声をかけた。
政「文吉さん。兄貴に何か聞きたいことがあるんじゃ・・・」
文「あっ そうでした。最後によく意味が分からないことを言ってくれたんですよ。ネガよりも大事なものがあるって・・・」
それを聞いて鉄は政に顔を向けた。それに構わず文吉は話を続けた
文「今、一番の関心事はネガの改ざんの有無だと思うのですが、他に何かあるのですか?」
鉄「いやぁ 私らもネガが手に入ったからじっくりとやるとか考えているですがねぇ。ネガより重要なことってのは・・・私にわかりませんねぇ・・」
鉄はとぼけて答えたものの、その大事なものがスリップ痕であることはすぐに分かった。文吉が会場に戻った後に、政に尋ねた。
鉄「政。今間の話は出来すぎだが、旦那の読みと一致するよな。」
政「へい。ネガの提出は撒き餌じゃないかって奴ですね」
鉄「ネガの鑑定ってのは予想以上に手間がかかりそうだから、その間にスリップ痕でケリを付けようとする算段ってのは間違いないな。それと、俺たちの予想以上に県警全体がピリピリしてるようだが・・、」
政「しかし、裁判所の提案とはいえ、ネガとスリップ痕の同時鑑定となるときついですねぇ」
鉄「まぁ、きつい勝負をしてんのは今に始まったことじゃねぇよ。楽な喧嘩はさせてくれないもんだな。ところで、政、念のためなんだが、文吉さんの身内とやらの所属と階級くらいはあたってくれよ。」
政「もちろんでさぁ」
政が二つ返事を返した丁度その時、支援する会総会が終了して、皆がロビーに出てきた。
終わり