「予想外」。文書の一部開示を命じた高知地裁判決。高知新聞。
2009.08.31 Monday
かつて高知県警と戦った高知新聞の記事を紹介します。
(高知白バイ事件でも片岡さんを支援してほしいのですが)
予想外
(夕刊「話題」)
(2005年6月17日・夕刊)
司法記者として失格だが、重要な裁判に限って予想を外してしまう。先日も傍聴席から転げ落ちそうになるほど驚いた。県警の捜査費疑惑を認定し、文書の一部開示を命じた高知地裁判決。情報公開訴訟で「公益」を理由に文書開示を認めたのは、これが全国で初めてとなる。
言い訳めくが、期待は多少あった。しかし原告側の主張が一定認められるとしても、ここまで踏み込んだ判断を示すとは思っていなかった。判決は捜査費の「不正の疑いが相当強い」とし、「疑惑解明には高度の公益性がある」と言い切った。
とはいえ、判決は個人の特定につながる情報の開示は認めていない。県警の主張が基本的に認められ、開示対象は極めて限定されている。仮に県警が判決の範囲で文書を開示したところで、外部から捜査費執行の内情をうかがうのは無理だろう。
だからこそ、文書の保管先も警察官の勤務先も県警なのだから、県警は自ら調査して「疑惑の解明」という公益に寄与する責務を負ったはずだった。しかし県警が後日開いた会見で、当方の甘い予測はまたも大きく外れてしまった。
県警は高知地検が捜査中であることなどを理由に「内部調査する予定はない」と明言。「説明責任は果たしてきた」「(内部調査しなくても)県民は納得すると思う」とも言い放った。これも当方の言い訳だが、県警は会見の趣旨を「県民に向けた説明」と銘打っており、ここまで乱暴な論理に終始するとは思ってもみなかった。
もうすぐ6月県議会。判決で説明責任を果たすよう促されながら、なお県警は議場で従来通りの言葉を繰り返すのか。議員はそれで納得するのか。いや、予想はもうやめておこう。(大山哲也)
現在、片岡晴彦さんを支援する会は、高知白バイ事件の再審のために署名活動中です。ezaixは、十万人(以上)の署名が必要と思っています。
皆さん、時速10キロメートルで2メートルのブレーキ痕の写真を主張する高知県警がおかしいと思ったらぜひ、署名をお願いします。
署名はこちらから→「再審請求への署名活動」