最近、といっても、この3週間で高知地裁が3件の無罪判決を出した。
一つはすでにブログに上げた2月14日の「赤信号無視無罪判決」
そして、業務上過失致死で不起訴となった会社社長が、高知検審の「不起訴不当」議決を受けて、高知地検が再捜査後に起訴された事件の判決で 高知地裁が2月7日に無罪判決を出していた。
以下NHKニュースより転載
平成19年に高知県香美市の山林で伐採作業をしていた作業員が重機にはさまれ死亡した事故で業務上過失致死の疑いで書類送検されいったん不起訴になったものの検察審査会の議決を経て起訴された木材会社の社長に対し高知地方裁判所はきょう無罪の判決を言い渡しました。
無罪判決を受けたのは高知市吉田町の木材会社社長(65歳)です。この社長は平成19年5月香美市の山林で伐採作業をしていた際、一緒に作業していた当時58歳の男性が社長の操作していた重機に頭をはさまれて死亡し業務上過失致死の罪に問われていました。
7日に開かれた裁判で、高知地方裁判所の平出喜一裁判長は死亡した男性が社長が操作する重機に近づくことが予想外であったことも否定できず事故は予見できるものではなかったなどと指摘し無罪判決を言い渡しました。
この社長は事故後業務上過失致死の疑いで書類送検されいったん、嫌疑不十分で不起訴になりましたが検察審査会が「不起訴不当」と議決したことから検察庁が改めて捜査し去年、一転して起訴されていました。
今回の判決について高知地方検察庁の橋本晋次席検事は「判決の内容を十分に検討し控訴するか否かを適切に判断したい」とコメントしています。
一方弁護側は「裁判所が事故を予見できなかったと認定したことは評価する。しかし、今回の裁判は一度不起訴になったものが再度起訴されたという特異な経過を経ている。起訴すべきでない事件は不起訴にするという検察庁に本来求められている機能が十分に果たされていない」とコメントしています。
以上
3件目の無罪判決は窃盗事件の一部無罪判決
WEBには報道記事がなかったが、2月23日付け高知新聞が割と詳細に報道していた
同朝刊記事より転載(一部省略)
3件の窃盗罪の罪に問われた高知市内の無職の男性に対して、高知地裁の大橋弘治裁判官は22日の公判判決で1件について「犯罪の証明がない」と無罪を言い渡した。
無罪となったのは昨年4月19日の事件。高知市内の駐車場で他人の車からデジカメ一台を盗んだとして、高知地検が起訴したが、被告側は「知人から譲り受けた」と無罪を主張していた。
大橋裁判官は判決理由の中で、検察側が提出した防犯カメラの映像に言及、被告の使用車種と同車種同色の車が写っていたとの立証に対し、「映像がかなり不鮮明」と指摘。犯行の裏付けにならないと判断した。
被告が被害品のデジカメを所持していたことについては、「被告が犯人であることを強く疑わせる」とする一方、「第三者が盗み、被告に譲り渡した可能性を直ちに否定できない」と述べた
また、被告がデジカメの売却を試みた形跡がないことなどから、「動機を明確に説明できない」などと述べた。
他の2件の窃盗事件は犯行を認定し、懲役1年6か月(求刑懲役3年)を言い渡した。
以上
さて、この2件、現在、再審請求中の高知白バイ事件と無関係でない。
過失致死事件の平出喜一裁判官は白バイ事件再審請求の裁判長であり、窃盗事件の大橋弘治裁判官はどう再審請求の左陪審を務めている。
そして、いつになく詳細な判決報道をした高知新聞・・・ いやな予感がするなぁ。
政「兄貴。真っ当な判決じゃねぇですか。疑わしきは罰せずを絵に描いたような判決ですぜ。
旦那は何が気に入らねぇンでしょうねぇ・・」
鉄「相変わらず、読みの浅い野郎だな。お前は・・」
政「じゃぁ、片岡の叔父貴の再審請求を務める裁判官が真っ当な裁判官ってことにはならないんすか」
鉄「真っ当な判決かどうかは、瓦版を見ただけじゃわからねぇが、判決理由はいい内容と俺も思うぜ。
でもなぁ たいした事件でもないのに、無罪とはいえやけに「後進」の瓦版は詳細じゃねぇか」
政「・・・そこが臭うってことですかい」
鉄「そうだ。 津野・修を知っているかい? そう、叔父貴の上告を棄却した最高裁裁判長だが、その後、 痴漢冤罪事件で上告を受理して差し戻し判決を出した。また、愛媛白バイ事件国賠で、山本さんに白バ イ修理代を払えと命じた山本某裁判官は、ネットで叩かれた後に、警察相手の裁判で無罪判決を出し て、大きく新聞に取り上げられたってことがあるんだが・・」
政「・・へぇ そんなことがあったんですかい・・っで、それが叔父貴の再審請求となんか関係があるんですかい?」
鉄「政ぁ~ しょうがねぇなぁ。いいかい、 この記事を読んでお前は大橋裁判官にいい印象を持っただろ う?」
政「そりゃぁもう 久しぶりにいい裁判官を見たって感じです。」
鉄「でっ 叔父貴の再審も真っ当に判断してくれるって思うよな」
政「仰る通りで・・」
鉄「じゃぁ 詳細過ぎの観がある瓦版記事はどう「読む」んだい」
政「滅多に出ない無罪判決ってのは値打ちがあるから、じゃないんですか」
鉄「無罪判決が滅多に出ないのは間違いねぇが この記事は裁判官を褒めすぎなんだよ。高知地裁と言い換えてもいいがな。」
政「たしかに 裁判官を褒めている様な気がしてきましたが・・ それが気に食わねぇんですかい」
鉄「それに、この判決を報道しているのは「後進」だけなんだよ。WEBにも記事は見当たらねぇ。なんで 「後進」だけが載せるんだい? それも 詳細にな」
政「へぇ・・」
鉄「政ぁ お前何年叔父貴の裁判を手伝ってきたんだ? まともな世界じゃねぇの知っているだろう。裁判官も人の子だぁ。判決の評価は気にするだろう。ところがだ、叔父貴の裁判ように自分の意思で判決が書けないときがある。 それも、マスコミが注目するなか 恥ずかしくてたまらない判決理由を書かなきゃならないとしたとき、政ならどうする」
政「出世と引き換えですかねぇ カタタヤスシやシバタヒデキのときはそうでしたよね」
鉄「あの時は判決後にマスコミ注目されたんだがな。今回は判決前から注目されてるんだ。条件が違うよ。大恥をかくからにはおまけが欲しいところだろうな」
政「オマケ? グリコのおまけみたいなオマケですか?
鉄「そうだ その「おまけ」がこの瓦版記事なんだよ」
政「へへ 兄貴ぃ 兄貴が裁判官を信用していないのはよくわかるんですがね 深読みじゃねぇですかい」
鉄「俺もそう思うがな。でもなぁ 一審無罪の確率は3%あるかないかだぜ。田舎地裁で3週間に無罪判決が3件だ。統計的にはありえねぇよ。」
政「3%で3件ってことは、100件の判決が無けりゃ3件の無罪判決は出ないってことになりますねぇ」
鉄「計算だけはまともだな・・ これも深読みだが、今の平出裁判長は3月末で高知地裁を転出だろう。あとに座るのが、大橋裁判官となるかもしれねぇ。」
政「でも、兄貴、兄貴の「深読」みが当たるってことは地検と瓦版と裁判所がつるんでるってことですよ」
鉄「それが、高知白バイ事件なんだよ」
終
久しぶりに「鉄と政」を書いたもので、思わす筆が進みました。