三か月前にいきなり足が痛みだし、「眠れない・立てない・歩けない」の三重苦につらい思いをし続けましたが、すでに足の痛みで夜中目が覚めなくなることがなくなって二週間たち、昼間も体制によって少し足に突っ張り感を感じる程度まで回復しました。足が痛くなりだした理由ははっきりしませんが、直前にPCにHDDを増設するために中腰姿勢を長くとったのがまずかった、と自分では思ってます。その足がほぼ回復した以上、三か月間封印していたPCのパーツ交換や増設に手を出してもいいころではないか、と思っておりまして。実はちょっと株で儲けゲフゲフ。本業うまく行ってないのに(´;ω;`)
PC用の新パーツ、と言えばまず候補に挙げたいのが先日新発売になったIntelの新CPUとマザーボード。その中でも最上位のCore i9、いやー世間で酷評されてるみたいですね。特にパフォーマンスを出すためにマザーボードのBIOS設定がTDPの制限をとっぱらってあるために発熱量がかなりすごく、簡易水冷で冷却しないと厳しいらしいです。ライバルに対抗するためにCoreとクロックを増やし、TDP125WになったCPUと言うとAMDのFX8350を思い出します。あれは、少なくともわたしの使い方では冷却はちょっと大き目な空冷CPUクーラーで足りましたし、少なくともCoreが3000番台相手までならそれに見合うパフォーマンスはありました。一方、現行のIntelのCore i9はTDPのわりに10コア/20スレッドしかなく、どう転んでも12コア/24スレッドのRyzen 9 3900xに勝てるとは思えません。それにCPUコアのアーキテクチャ自体は6000番台から変わっておらず、今使っているCore i7 8700と比較してコア数分相当のパフォーマンスアップと予想できてしまいますのでもう一つ物欲を刺激しません。調べてみたらFXの時みたいに世間の評価と違った性能が見えてくる可能性はありますが、ちょっと高いんですよねぇ、お値段。i9でなくi7をターゲットにしてもなおちょっと高いと思います。せめてあと1万円安くなってからだなぁ。FXは評判は悪くても安かったから買う気になったわけだし。
Intel製新CPUの評判があまりよくないのは製造プロセスに古い14nmを使っているからだと言われます。初期より改良して++が付いてはいますが、根本的な解決にはなっていません。一応Intelは10nmでの製造も可能なはずですが、こちらはパフォーマンスよりも消費電力を抑えることを想定した作りになっており、モバイルには良くてもデスクトップ向けとしてはイマイチな模様。もちろんデスクトップ向けの微細化製造プロセスの開発も続いてはいますが、苦戦が続いている模様。もっとも、これはIntelだけの話ではなく、半導体外注先のファウンドリの一つであるGFも2018年に7nm製造プロセス開発の無期限延期を発表しており、現在はどうなっているか分かりませんが、14nm/12nmあたりで止まっているようです。現状の2社よりも微細な製造プロセスである7nmに成功したTSMCが製造を引き受けてくれているからRyzenは高性能なのだ、と言っても過言ではありません。
TSMCがうまくやっているのはともかくIntelやGFがその流れから遅れてしまったのはなぜなんでしょうか。おそらくなぜうまくいかないのかIntelがそれを語ることはないでしょうが、推測くらいはしたいもの。実は先日、月刊ASCIIの2004年3月号を部屋で発見し、そこに2020年ごろのコンピューター業界を予想する記事が載っていましたので紹介したいと思います。ちなみにわたしがこの号を買って取ってあったのは、特集記事の一つが「録画PC再入門2 MPEG2を攻略せよ!」だったからです(笑) 古いPC雑誌はあとで読むとこういう発見があるからメチャクチャ面白いのです、今はこうした遊びが出来なくて残念。
いわゆる「ムーアの法則」を使い、グラフで2020年少し前に製造プロセスは0.01㎛(マイクロメートル)を下回る、とされています。1nmは0.001㎛なので、0.01㎛は10nm。TSMCだけとは言え、人類の技術としては10nmよりも微細化に成功しているため、ムーアの法則はほぼ守られていることになります。記事内にはこの時点で
"トランジスタはついに、原子数十個のサイズになってしまう。このサイズになってしまうと、私たちのスケールの世界とは違う、ミクロな世界を支配する「量子的現象」が顔を出す。たとえば、電子が絶縁体の壁をすり抜けてしまうという"トンネル効果"が発生したり、また電子の位置やエネルギーを同時の特定できない(位置を把握した場合は電子の運動方向が把握できず、逆に電子のエネルギーを確定した場合にはその位置が分からない)といった"不確定性"が支配的になる。このような状況では、既存のコンピュータはまともに動作せず、それらの量子的現象を抑えるために多大な努力が必要となる。”
こうなると書いています。これこそIntelやGFが苦戦した原因ではないでしょうか。ちなみにこの時点でのPCのアーキテクチャは、IntelがPrescottと呼ばれる三代目Pentium4。ウリはSSE3に対応したことで製造プロセスは90nm。AMDは初代Athlon64で製造プロセスは130nm、両社とも先代のNorthWoodPentium4やAthlonXPも現役なころでした。まだこういう時代が来るなんて一般ユーザーからは遠い未来だと思われていたのです。なお、雑誌の記事はこの先は「従来のコンピュータでは大きな問題となる量子的現象を、むしろ利用しようという」量子コンピュータがこの先のコンピューターになるだろうというのが主題です。
10nmを下回るあたりで微細化はそろそろ限界に達し、あとは細かい改良くらいで現状のPCは製造プロセスによる成長は止まることになりそうです。だからこそGFは無期限に開発を中断し、逆にIntelは四苦八苦しながらもそこにたどり着こうとしているわけです。それに力を注ぎすぎてCPUコアのアーキテクチャが更新されないのがIntelのデスクトップの現在の問題かと。
ならば、今回は導入をパスするのが得策か、となってIntel新CPU購入を見送り、別のものを買うことにしました(やっと本題(^^;))
はい、RADEONです。それも新型のRDNAではなく、旧式のGCNのロークラスです。現状、RDNAはミドルクラス辺りがメインでロークラスには下りてきていません。にも拘わらず、FluidMotionVideoに非対応ということでゲーム以外の面では劣る部分さえあります。4Kへの対応と言った進化した部分もありますが、現状UHDBDも再生できない4Kが使えても意味はあまりありません(アレが出ればまた話は別ですが)。わたしは今までR7 250XEを使っていたのですが、これはH.265/HEVCへのエンコードに対応していないため、ちょっと物足りなくなっていたのです。GeForceのロークラスと迷ったのですが、これからRDNAが下位まで下りてきてFluidMotionVideo対応GPUが買えなくなる可能性を考えるとやはりこちらをキープしておくのがベターかと。さて、あえて買ってみたこのRX550の良さですが
・補助電源不要
・2スロットに収まる
・DVI-D/HDMI/DP端子があるので古いシステムでもOK。
・H.265/HEVCエンコード対応
があげられます。R7 250XEも補助電源不要・DVI-D付きは変わりなく、かつ2スロットどころか1スロットでロープロなんですが、やはりちょっと古い・・・。海外では1スロットのRX550も売られていたらしいのですが、残念ながら日本ではいまだに売られていません。まぁ2スロットもクーラーが大きい分回転を抑えても冷えやすい利点はありますし、なにより2.5スロットとかよりは他の拡張ボードが使いやすいかと。
ちなみにエンコード速度も計測。A'sVideoConverterを使ってVCNを使い、1920x1080で1時間45分のMPEG2-TS動画をR7 250XEのH.264/AVCとRX550のH.264/AVCおよびH.265/HEVCのエンコード時間で比較。デコードはHWでインターレースをBobで解除している以外はデフォルトのみ。システムはRyzen 7 1700+B350+DDR4 2666 8GBx2です。
250XE/264 35分29秒
RX550/264 29分9秒
RX550/265 33分8秒
H.265/HEVCでも250XEのH.264/AVCを速度で上回る、なかなかの好成績です。
なお、このリンクはAmazonですが、わたしはツクモの通販で買いました。こちらのほうが少し安かったのでお勧め。送料も無料でした。ツクモで買う良い点として、グラボ一つしか買わなかったのに梱包のダンボール箱がかなり大きいもので送られてきたことがあります。「邪魔になるしそれのどこがいい点?」と思う方もいるでしょうが、あとで荷物を宅配便で送りたくなった時、ツクモで使っているくらいのダンボール箱はいろいろ詰めるのにちょうどいい大きさなので、使い勝手がいいのです! ただ買うだけでなく、送られてきた箱が配送用の箱として後日流用できるちょうどいいサイズ、そこがツクモのいいところです。まぁ実は今回の注文でもいつもの箱は使われるとは思っておらず、送られてきたときには「こんな大きな箱で来るのならせめてHDDとかも一緒に注文すればよかった」とちょっと後悔しましたが。