録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

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このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



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怪獣の重量に関する考察その1 ラドンの計算上正しい重量を考える

2024-05-02 14:04:15 | 特撮・モンスター映画
かつての本
かつて「ゴジラは生まれた瞬間、即死する」という一文を謳って発売された本があった。その名は「空想科学読本」。もちろん買って、笑わせていただいた。ゴジラの体重2万トンは重すぎて耐えられず、つぶれて死ぬ、という考察が語られていたのだ。ただし体重として正しいサンプルとしてティラノサウルスを引き合いに出すというのはその時の知識としても間違っていると思った。「体形がほぼ同じ」と書いてあるのにゴジラとティラノサウルスじゃ体形が違いすぎて単純に比較できるものじゃないと思っていたからである。なので現在の版では差し替えられて即死はなく、水と比較してどうのこうの、という考察に改められている。キャッチコピーに使っている記事を差し替えてどうする!? 本の根本が違っちゃうじゃないか。

このやり方は間違っている、と指摘だけするのは簡単。わたしの場合思ったのは、「だったら自分でも何が正しいのか考えてみよう」だ。それで自分でゴジラの重量はどのくらいだったら正しいのか、考えてみよう。なお、細部をやたらと切り捨てたり四捨五入したりしているのは、わたしの性格がいい加減なので計算しやすくなるのを優先しているためである。

計算で出すゴジラの重量
ゴジラに一番体形が近い存在は何か。そりゃ決まっている、映画の撮影に使うゴジラのスーツである。これに演技者が入ったものが一番作品中のゴジラに近い存在なはずだ。ではゴジラスーツの重量はどのくらいだったのか・・・と調べてみるがピンとこない。演技者の中島春雄氏が亡くなられた際に「100キロ以上のぬいぐるみに入った」と書かれているものが目立つが、これはちょっと違う気がする。第一作の一号スーツは150キロというとんでもない重さのものになってしまったために動けず、切断されて下半身や上半身のみが映るシーンで使われたはず。二号スーツは別なはずだ。80年代以降のVSシリーズでは撮影の際に重量感を出すため、意図的に重く80~100キロほどに作られていたようなので、この手のことを考えた当初はこれを基準に考えていた。が、欲しいのは1950~70年代の第一期やチャンピオン祭りで活躍した身長50mゴジラのデータなので、今回はさらに調べることにした。以前講談社から発行された「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」という雑誌の付録に当時のパンフレットの復刻がある。ここを見てみると・・・なんと「ゴジラの逆襲」のパンフに第一作のゴジラのぬいぐるみの目方が書いてるではないか。これはほぼ公式の記録と考えて間違いない。その目方は・・・約十二貫。およそ45キログラム。あれ~? 思ってたよりかなり軽いぞ。いくら公式の書籍に書かれていたものとは言え、本当かな?
ただ、納得する理由もある。「ゴジラの逆襲」ではひっくり返されたアンギラス反撃のキックでゴジラが吹き飛ばされるシーンがある。ワイヤーアクションなどの補助なしで怪獣がキックをやるのは珍しいので印象深く覚えているのだが、その直後ゴジラは明らかに自力で立ち上がっている。これはスーツの重さが80キロもあったら無理だ。それ以前に片足キックくらいであんなに飛ばないし、倒されること自体演技者にとって危険である。実際90年代のメイキングによるとゴジラが倒れるシーンでは画面には映らないものの、必ず下にクッションが敷いてあるし、立ち上がるシーンでは複数のカットを連続で繋げてあたかも自分で起き上がっているかに見せかけているが、実際には倒れた後の起き上がりにもスタッフの補助が必要なほど90年代ゴジラのスーツは重い。そう考えると、明らかに自力で立ち上がっている箇所が多くの作品で見られる身長50mゴジラのスーツは90年代よりかなり軽い、と思っていいだろう。なので45キロを通すことにした。これに演技者が入るわけだが、同じく「ゴジラの逆襲」によると演技者の手塚勝巳氏は二十一貫の巨漢とある。資料によると主にゴジラのスーツに入ったのは中島氏の方だったらしいので、手塚氏というとゴジラは補助、「逆襲」でアンギラスの演技者のイメージが強いが、中島氏の体重は不明なので手塚氏の二十一貫、約79キロを演技者の量さにしよう。合わせて124キロ。これがゴジラ撮影時の重さである。

追記:「大怪獣バラン」のパンフレットでは中島氏の談で「ゴジラは50キロ」とありますので、50mゴジラスーツは45~50キロでいいと思います。ちなみにバランはなんと20キロ以下とのこと。

撮影ゴジラの身長はおよそ2m。映画ゴジラは50mなので体重は25倍・・・にはならない。立体なのでタテ×ヨコ×タカサの倍率を掛ける必要がある。撮影ゴジラと映画ゴジラは完全に体形は一致している相似形なので25×25×25で15625倍になる。124キロに15625を掛けると総計は1937500キログラム。1937.5トン・・・端数切り上げでもおよそ2000トンにしかならない。映画の設定・身長50m体重2万トンの1/10以下だ。やっぱりゴジラは生まれた瞬間つぶれるしかないんじゃなかろか。ちなみに2万トンになるには2m時に1.28トンが必要になる。どう考えてもつぶれる。
と書くと「撮影用のぬいぐるみと劇中の怪獣じゃ比重が全く違って当然だろ」という反論もあると思う。わたしも思う。だが、この考え方で体重が想定されたと思われる怪獣がいるのだ。それは「フランケンシュタイン対地底怪獣」に登場するバラゴン。これはパンフにも記載してある身長25m、体重250トンという東宝怪獣にしては異質の設定をしている。こいつを2mに直すと・・・なんと128kg! バラゴンに入っているのは中島氏なので少し切り上げが行われた可能性はあるが、撮影ゴジラとほぼ同じ重量なのだ。バラゴンはゴジラと違ってモンスターものに近い怪獣なので、よりリアルな設定が求められた結果ではないだろうか。ゆえに撮影時の総重量を基準に考えるのはアリだと思う。つまらない仮定としてはゴジラと同じ比重にするつもりで計算したら2500トンだったのを0一つ入れ忘れた、って可能性もあるんだけど、それをやるなら東宝怪獣は割とハッタリくさい数を重量にするので5千トンくらいにして500トンになってるんじゃないかと思う。


計算で出すラドンの重量
さて、ここまでは前座。いよいよ本番。東宝怪獣もの第三弾「空の大怪獣ラドン」に登場したラドンの体重は計算上どのくらいが正しいのか、という考察である。ラドンは飛行生物なのでゴジラと同じ方法は取れない。公式設定によるとラドンは身長50m、翼長120m、体重1万5千トン。ゴジラに近い体格でやや軽いという扱いとなっているが、ちょっと待って欲しい。「空の大怪獣ラドン」は珍しく怪獣の体重に触れている作品なのだ。あとは「ゴジラVSモスラ」のメインスクリーンにゴジラが「Weight:60000t」と、「ゴジラVSメカゴジラ」でメカゴジラを総重量を15万トンとディスプレイに表示されているものくらいしかわたしは知らない(WOWOW配信で見直したので追記および訂正しました)。「空の大怪獣ラドン」によると

翼長は270フィート、体重は100トンを超える

とある。なんで長さはヤード法で重量がメートル法やねん。長さをフィートで呼ぶのが知識人っぽくてかっこいいからだろうか(ちなみに「ゴジラVSモスラ」によるとゴジラの全長656.168ft=200.0000064m、身長328.084ft=100.0000032m。無理やりフィートにしなくてもいい典型)。それはさておき「超える」の一言が体重のみなのか翼長込みなのかはっきりしないが、両方ということにしよう。これをもとにラドンの体重を100トンとする人もいるようだがそれは早計。このサイズは割れていた卵の殻から計算したものなのだ。よって生まれたばかりの幼体のみがこのサイズとみていい。劇中で卵からうまれた個体と街中で暴れた個体ではやや容姿が異なる。よって個人的な意見では生まれた幼体は暴れた二匹のいずれでもなく、そのまま地下に閉じ込められて「三大怪獣地球最大の決戦」でようやく地上に出られた個体だと考えている。したがってラドンの成長した個体では重量も多くなるはずだ。少々容姿のバランスが違うのは無視したうえで、翼長を頼りに体重を計算してみよう。270フィートとは82.3m。これを120mまで伸ばすとざっと1.46倍。これを3乗して100トンを掛けると・・・311トン。これが映画設定での成長したラドンの計算上正しいはずの体重である。

ラドン対プテラノドン
さて、劇中の説明ではラドンはプテラノドンと比較されている。ゴジラとティラノサウルスを比較するのは間違っているが、ラドンとプテラノドンを比較するのは正しい行為なのだ。おそらく劇中の計算もプテラノドンをベースにしているだろうから、プテラノドンがラドン並の身長になったらどのくらいの重量になるのか調べてみよう。
しかし、これが参った。プテラノドンはネットで検索しても身長がなかなか出てこない。出てくるサイズは翼長ばかり。プテラノドンとラドンを比べると明らかにプテラノドンの翼の方が横に長いので、翼長で合わせるとプテラノドンの体が小さくなりすぎてしまう。とにかくキーボードを叩きまくった結果、翌長7~9m、体長1.5~1.8m、重量15~20キログラムというバランスのものを載せている人がいたのでこの大きい方をプテラノドンの基本データにしよう。概ねそんな感じだろうし。ちなみに恐竜などのデータに良く使われる「体長」だと尾の長さを含むので私の知りたい「身長」よりも長くなるが、プテラノドンは尾が無いので体長と身長はイコールでほぼ差し支えない、としておこう。もし劇中比較がランフォリンクスだったら全部投げ出していた。
しかしこんなに大きいのに体重20キロって、本当かいな。こんなバランスの生物本当に存在していたのか・・・と毎度気になるプテラノドン。これをラドンと同じ身長50mまで伸ばすと、27.8の三乗で・・・なんと重量430トン! ラドンの311トンより重いのだ。先にも書いたようにプテラノドンの翼はラドンよりもだいぶ長いし、トサカなどの装飾も大きい。プテラノドンの方が重いのも当然と言えば当然なのだ。また仮に20キロはもっと大きいプテラノドンのことだったと想定して1.8m15キロで計算すると、驚きの322トン!! ラドンとほぼ同じになるのである。ここから考えるにラドンの「270フィート、100トン」は科学的に見ても正しかった、ということになる。これはさすがにビックリ。適当に決めただけの数字じゃなかったのね。さすが電子計算機がはじき出した数字だ。

全部台無しやり直し
と、一見キレイにまとまったかに見えたのだが・・・。これを全部ぶち壊してしまうシーンが、ラドン二度目の登場となる「三大怪獣地球最大の決戦」に存在する。ゴジラをラドンが高く持ち上げて飛ぶシーンである。あああああああああ。
翼竜のものを持ち上げる能力は知らない(映画では人間くらい軽々と持ち上げている)が、現代の大型飛行生物である猛禽類だと「自分の体重よりも重い獲物を持ち上げることは出来るが、2倍を超えると難しい」らしい。だとすると重量2万トンのゴジラを持ち上げるのにラドンの重量は1万5千トンくらいは必要、と考える公式設定は全く持って正しいことになる。これが「怪獣大戦争」くらいの低空飛行な持ち上げだったら二怪獣のダッシュの勢いを利用した、くらいにごまかせるが「三大怪獣地球最大の決戦」の持ち上げ方だとそんなごまかしは通用しない。じゃぁゴジラの体重2万トンを持ち上げられるようにラドンを成長させるとすると・・・311×(3.46の三乗)が1万5千トンだから身長も3.46倍に伸ばす必要がある。メートルにすれば182m。キングギドラより圧倒的にでかくなってしまう。うーん、どう屁理屈を並べてもそうは見えない。

ここで最初に戻る。わたしが計算で出したゴジラの重量1937.5トン。これを「三大怪獣地球最大の決戦」でのゴジラの重量にしてしまえ。そうすればラドンは3/4の重量でゴジラを持ちあげられるのだから1453トンで済む。311トンを1453トンにするにはおよそ1.67の三乗倍だから身長の増加は1.67倍の83.5mだ。これならなんとか・・・とみるか、これでもデカイとみるか・・・。
考えてみたらゴジラは身長60mを超えるガイガンとほとんど同じ身長に見えることがあるぞ。おそらくゴジラはその闘気で相手にプレッシャーを与え、身長を本来より大きく見せる能力があるのだろう。ラドンと並ぶときは怪獣王の威厳にかけて小さく見えないように猛烈な闘気で自分を同じくらいまで大きく見せていたに違いない。キングギドラとかヘドラとか何考えてるのかわからないやつらには通用しなかったけど、ラドンならいけるってことで。これで万事解決、めでたしめでたしだ。

いやーこういう無駄で役に立たないことを考えながら計算するのは楽しいなぁ。筆が乗って仕方ないのでもう少し書こう。第二弾ではちょっと趣旨を変えて謎解きをする。
コメント (6)
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