爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

お先にどうぞ

2022-02-13 13:54:36 | 日記
自分の目標に早く到達しようとが、なかなか思う様に事が進んでいかない。

すると後ろから、先輩や友人や後輩たちが、追いかけてくる。

「うーむ、抜かれてなるものか」と、足を伸ばしスピードを上げても、平気で後ろから着いてくる。

足が疲れた、腰が痛い…と思っても、休む事が出来ない。

抜かれてはいけない、追い越されてはいけないという考えで、心の中がのっぴきならない大きな恐怖で、埋もれてしまう。

不安が日毎に募る。

不安は心の敵だっ…と思って、不安という敵と争っているうちに、どんどん不安のルツボに落ちていく。

こんな不安を消すのは、実は簡単なのだ。

「お先にどうぞ」と、人に道を譲ってやればいい。
自分は後からでいい。

自分はゆっくり落ち着いて、のんびりいこう。

「己れを達せんと欲して人を達す」と孔子はいっている。

速い事がいいといって、速度を競争するから不安が募る。

若い頃に、せっかちで短気な私は、バスに乗るにしても、電車に乗るにしても、まずわれ先に飛び込んでいた。

「われ先」に素早く…。

何処にいてもそう考えて、落ち着きがなく生活をしていた。

年を取るにつれて、まあ座禅でも組んでいたからでもあろうが、「われ先」の心の在りようが、つくづく嫌になった。

嫌になったが、心は治らない。

「どうぞ、お先に」…。

エレベーターに乗る時など、気に掛けてこの言葉を発した。

今も実践している。

おかげで今日では競争心がすっかり無くなった。