爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

離島の詳細不明の祭り

2021-08-06 22:30:53 | 日記
沖縄本島から南西約300kmに位置する宮古島の周辺には、七つ島がある。

中でも一番小さいのが大神島だ。

島の周囲は2.3km、住民は29人(2015年現在)ほどしかいない。

だが、宮古島地方で最も神聖視されているのがこの島だ。

神がいる島として、周囲の島々から崇められてきたのである。

それを示すかの様に、この小さな島には聖地が多い。

「御嶽(うたき)」や「御願所」と呼ばれる拝所には、よそ者はもちろん、地元の人でさえ立ち入れない場所もある。

集落を除けば、殆どを島全体が聖域と言っても過言ではない。

昭和初期には海賊キッドの宝が埋まっていると噂になり、多くの人が押し掛けた事もあった。

だが、むやみに聖域に踏み込んだ者は原因不明の病気になったり、早死にしたとも伝えられている。

そんな大神島では、神秘のベールに包まれた祭りが行われている。

祭りの存在は知られているものの、内容は一切明かされていない秘祭ウヤガンだ。

祭りと言えば大勢の人で賑わうものだが、ウヤガンは違う。

部外者は祭りを見る事が出来ないばかりか、島に入る事すら許されない。

しかも、祭りの様子は決して島外の人間には話してはいけないとされているのだ。

この様な状態なので詳細は判らないのだが、どうやら女性だけが参加して、神様との交流を図る儀式が行われるらしい。

この時、神様は大きなエネルギーを放つのだという。

閉ざされた世界で行われるウヤガンは、これからもその謎が解き明かされる事は、難しいのかも知れない。



不動明王と愛染明王が合体

2021-08-06 05:26:39 | 日記
関西の有名大学が建ち並ぶ兵庫県西宮市に、地元の人々から「門戸の厄神さん」と呼ばれて親しまれている門戸厄神(もんとやくがみ)東光寺がある。

ここには、日本でただ一体現存する、珍しい仏像が安置されている。

その仏像とは、悪魔をも降伏させる力を持った不動明王と、人間の煩悩を悟りに変えるという愛染(あいぜん)明王が合体した姿の厄神明王だ。

厄神明王が誕生したのは平安時代の初期の頃の事だ。

ある時に厄年を迎えた嵯峨(さが)天皇の夢に凄まじいパワーを持った明王が現れた。

その明王は災いをもたらす悪鬼を次々と倒し、撃退したのである。

目覚めた嵯峨天皇は、弘法大師に夢の話をした。

「不動明王と愛染明王が一体化した、素晴らしい明王が現れた」と言ったのである。

それを聞いた弘法大師はさっそく白檀の木で三体の明王を作り、それを厄神明王としたのだ。

厄神明王のご利益は、嵯峨天皇の夢にも勝るパワーがあると言われている。

それは戦国時代の末期の事で、織田信長らと寺社勢力が激しく対立し、多くの寺や神社が焼き討ちに遭った。

門戸厄神のお堂も焼き尽くされたが、その炎の中でも厄神明王の像は燃えずに倒れる事なく、無事だったという。

しかし他の二体はいつしか失くなり、現存するのは門戸厄神東光寺のご本尊である一体になってしまった。

1200年に渡って世の厄を祓い、人々の心に安らぎを与え続けた、珍しい姿の明王だが、今は秘仏として非公開になっていて、残念ながらその姿を見る事は出来ない。