爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

海中の砂州から聖真水

2021-08-12 06:36:58 | 日記
松島、宮島と並んで、日本三景の一つになっている天橋立(あまのはしだて)は全長3.6kmの砂州で、白い砂と緑の松、更には青い海とのコントラストが絶妙な美しさを生み出している。

この天橋立は神様が使う橋だったという伝説がある。

地上にいた伊邪那岐(いざなぎ)が天で暮らす伊邪那美(いざなみ)の元へ通う為に梯子(はしご)を作ったのだが、眠っている間に倒れてしまった。

それが天橋立になったのだという。

こうした伝説から、有名な股のぞきも生まれた。

股の間から天橋立を眺めると天地が逆になり、まさに天に橋が掛かっている様に見えるのだ。

また、最近ではパワースポットとして人気を集めている。

伊勢に迎える前の天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀ったという元伊勢籠(この)神社、天橋立神社、眞名井(まない)神社の三社を回ると、力が満ちてくると言われている。

そして、天橋立神社のそばには不思議な水をたたえた井戸がある。

磯清水と呼ばれる井戸だ。

磯清水は、塩分をまったく含んでいない真水である。

それのどこが不思議なのかと思うかも知れないが、ここは周囲を海に囲まれた細長い砂州なのだ。

普通なら井戸の水も海水になるだろう。

なぜその様な場所に真水が湧き出すのか、その理由はいまだに判っていない。

ただ、古くから磯清水の存在は知られていた様で、平安時代の歌人の和泉式部が詠んだ歌にも登場している。

不思議な現象としか言い様のない磯清水だが、不老長寿に効果があるとして大切にされており、今では日本百名水にも選ばれている。