窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

森が作った畑

2020-06-12 13:32:16 | 根室の風景

40年前、中標津の大地は牧草地だけでした。畑はほとんどありませんでした。

中標津にあった道立釧根農業試験場では、寒冷地に強いジャガイモの品種改良

をして、寒さに強いジャガイモを作り出してきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ 森が作った畑 ★

150年前、根釧台地は原生の森が生い茂り、大地は落ち葉や倒木で腐葉土が育む

黒土で覆われていたはずです。北海道開発庁のもと、パイロットフォレスト事業

推進され、森は牧草地に転化され、牧畜事業が押し進められてきました。

牧草地しかできなかったのは、夏季になると張り出すオホーツク高気圧のせい

です。寒冷な気候と海霧を生みだし、日光が十分に当たらなかったのです。

そのために野菜や小麦、トウモロコシなどがきちんと育ちません。

ところが10年前くらいから気温が上昇し、海霧が少なくなり、作物が順調に育つ

ようになってきました。砂糖大根(シュガービート)、デントコーン、夏大根、

小麦などの栽培がされるようになりました。

牧草地を転用して、作付が増えてきています。森が育んだ黒土が、作物をしっ

かり生育させています。

まだ、専業の農家は少ないですが、いずれ夏大根のように生育のよき作物の

産地になる要素が溢れています。広大な大地に植え付けられたビートや小麦、

デントコーンの新芽の様子を見ながら思いを馳せています。