窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

子育て、一息

2020-06-06 22:22:20 | キタキツネの生態

厳しい気温が続いた5月。それでもキタキツネたちは子育てに邁進していました。

野付半島のキタキツネは数が増え、縄張りが持てない個体が増えています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ 子育て、一息 ★

半島の先端、ハマニンニクが生い茂る砂浜に若きキタキツネのペアが子育てして

います。以前には考えられない環境にやってきて、繁殖を始めるのですから驚き

です。

草地に入って行くと目の前からキタキツネが飛び出してきました。初めは餌探しに

やってきた個体がびっくりして飛び出したんだと思っていましたが、逃げません。

いつもなら、警戒して遠くに走り去るのに、私の目の前で堂々と日向ぼっこを

するのです。目をつぶり、とってもリラックスした様子です。

少し近づくと、起き上がり、無視するかのように大あくびをして、知らんぷり

するかのように歩きだしました。すぐに腰をかがめ、おしっこをします。姿勢

からメスです。

終わると私の方に向かってゆっくりした足取りでやってきました。あまりにも

堂々としている行動に、こちらがドギマギしてしまいます。

向かってきて、目の前を通り過ぎていく大胆さ。変です、異常です。あまりにも

大胆なので、考えました。どうもこれは自分に注意を引かせる行動ではないか。

シロチドリが見せる擬傷行動に似ているのでは、とふと思いました。隠れる場所

もなく、巣の近くに陣取った不法侵入者に注意を向けさせ、子供を守ろうとする

親の本能ではないかと。

あまりにも大胆な行動に、すごく感激して、ゆっくりと離れました。