窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

コクガンの波抜け

2020-01-24 19:58:58 | コクガン・ヒシクイ・ガン類

日本にやってくるガンの仲間で海上で生活するのはコクガンだけです。流れて

くる海草を拾って食べ、生活しています。1万羽ほど渡ってくるほとんどの個体

は本州の方へ渡って行きます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★  コクガンの波抜け  ★

しかし、居残り棲息するコクガンが毎年300羽ほどいます。彼らは波の穏やか

野付半島から根室半島の根室湾で生活しています。

野付半島から流れ出していく流氷が波を押さえ、野付湾からアマモを運んでくる

ため、居残っているのではないかと思っています。

日により風向きが違うために、太平洋側の浜中湾や琵琶瀬湾、厚岸湾に飛んで

いくこともあるようです。

でも主・生息地は根室湾のようです。強風が吹き荒れた翌日、波が凪いでくると

海岸にコクガンがやってきます。場所は野付湾ではないときもあります。

根室海峡側の海岸に昆布やアオサ、アオノリ、アマモが打ち上げられ、波に

浮遊しています。それを見定めやってきます。

余波でまだ高い波が打ち寄せる海岸。海岸に平行に泳ぎ回り、波打ち際を浮遊

するアマモやアオノリを拾い上げ、食べています。

沈みかけた海草が波のおかげで浮いてきて、コクガンが採取しやすくなるなって

います。コクガンはそんな状況を読み、上空を飛び、風を読み、地形を読み、

干満を読み、検討してやってくるのでしょう。

海岸に居座り、観察していると警戒しながら波ぎわにやってきます。時々、大き

な波がやって来ると、岸の方から波に向かい泳ぎます。せり上がってくると波に

直角に向い乗り越えようとします。

高くなった波が覆いかぶさってくると、頭を波に突っ込み潜って行きます。見事

な波抜けを見せてくれます。この技を身に付けたからこそ、海での生活ができる

のです。

繰り返し見せてくれるので、いなくなるまで離れることができません。