窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

氷の世界で越冬するハマシギ

2020-01-20 18:52:05 | シギ・チドリ

シギは南の暖かい地方に渡り、越冬するものだと思っていました。私の常識

は机上のものでした。野付半島では毎年、20羽前後のハマシギが厳寒の気候

の中ですごし、棲息しています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★  氷の世界で越冬するハマシギ  ★

食べ物が捕れなければ生活できないので、湾内が氷で覆われても確保できる

んです。

ハマシギが主に食べているのはゴカイです。大きなゴカイではありませんが、

砂地の中に生息するミミズほどの小さなものです。

海水が気温に比べ高いので、水辺は凍りません。ゴカイたちも凍ることなく

生きています。野付湾の水辺にはたくさんのゴカイが生息し、冬季でも利用

できることを覚えたハマシギたちが残っているのです。

割れた氷の間に来て、浅い水の中からゴカイをつまみ、引っ張り出し、食べ

ています。

また、水辺に打ち上げられるアマモのところに来てよく採餌をしています。

見ていると小さな種を拾い食べています。

ユキホオジロもよく食べるので、アマモの種は栄養価が高いのではと思います。

風が強いと、打ち上げられたアマモの山の陰に寄り添い、暖を取るように

くつろいでいます。乾燥したアマモは暖かく、くつろぐにはいい場所です。

ハマシギの行動圏は対岸の春別川の河口域と半島の先の干潟や砂浜です。

氷が多くなると春別川周辺ですごし、少なくなると半島へ飛んできます。

どちらも汽水域の生物が豊富なところです。