kosakuの雑念

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現代の狂書日記

2009-04-10 13:13:06 | 日記
成功本50冊「勝ち抜け」案内(水野俊哉、2008年)

個々の「成功本」に賛同するかどうかはともかく、ひとりの著者が一定のフォーマットに従って、本の概要、解説、感想、評価を行っているため、リズムよく読み進めることができると同時に、本をどうダイジェストするのかが分かる得する本。

スティーブン・R・コーヴィー「7つの習慣」は本書でも評しているように訳文が読みにくく、私自身は内容も全然覚えていないが、簡潔にまとめられているので、なるほどそういうことかと素直に感心する。

ちなみに個人的に「7つの習慣」で役に立った部分は、「代数を学んでからでなければ積分を理解することはできない」(265ページ)というところ。自分のメモには「代数、積分265ページ」としか書いていないので、うろ覚えだが(それを糧に覚えた線形代数と微分積分はいまのところ数学コンプレックスの解消以上の役割は果たしていないが)。

この「「勝ち抜け」案内」、私自身の当初の目論見としては、知的生産術のたぐいではおよそ触れられていないであろう人を使う技術、とくに人を使っての(ファーストハンドの)情報収集についてヒントが得られないかなと思って熟読してみたのだが、その部分では役に立ちそうにもなかった。とはいえ面白い本であることに変わりはない。

欲を言えばその成功本のタイトルを真似たような本について言及して欲しかったと思う。例えばカーネギーの「人を動かす」に対しては、「人を動かす人」だとか「人を動かす人になれ」なんていうタイトルの本もまとめて欲しい。ていうかタイトル集を時系列にまとめたやつだけでも想像の翼が広がるというものだ。

本書の巻末には1997年から2007年までのビジネス書ベストセラーリストがあって、「こういうヤツいたよなぁ、ブックオフ105円コーナーの常連だよねぇ」などと考えるのは実によい暇つぶしになる。