はぁ~~~~~
この映画の感想を一言で表そうとしたら、もうこのため息しか出てきません。
やられました、久しぶりに映画館で泣きました。
これは9年前に公開された「Before Sunrise」の続編。
(邦題:恋人までの距離<ディスタンス>)
9年前に偶然出会い、14時間だけ一緒に過ごしたアメリカ人ジェシーとフランス人セリーヌ。
前作のエンディングで<また半年後にウィーンで会おう>と約束して別れた2人。
その後2人は約束の地へ行ったのか、もしくはどちらか1人だけ、または2人共行かなかったのか。
その後どうなったのか、見ている側の想像に任せる終わり方で、すごく気になっちゃうんだけど、見終わった後はとても暖かい気持ちになれる、そんな素敵な映画で、もし好きな映画を10本選べと言われたら(笑)、間違いなくこの作品を入れる。
そして今作、「Before Sunset」
9年後にまた偶然(ではないんだけど)パリで出会った2人。
でも今回一緒にいられる時間は、ジェシーがアメリカ行きの飛行機に乗るまでの85分間。
映画はこの85分間の2人をリアルタイムで追っている。
だから見ている側は残された時間が気になって気になって・・・
「早くこの辺でなんとかしなよー」とか「もう!早く本音言っちゃいなさいよ」とか(笑)
でもそれが出来ない2人の気持ちが、痛いほど伝わってくるんだよね・・・
その心の葛藤と言うか、ある意味2人の意地のようなものがストレートに伝わってきて、さらに自分の過去の恋愛なんかも重ね合わせちゃったりして、さらに感情移入・・・
特に終盤、2人が車の中で交わす会話。
セリーヌの本音が徐々に現れる過程が、わかり過ぎるほど理解できて切なかったなぁ・・・
きっと一度でも恋をしたことがある人なら、心が痛くなる瞬間じゃないのかな、なんて思ってしまいました。
そしてめったに映画館で泣かない私が一番涙を流したシーンでもありました。
うー、今思い出してもウルウル・・・
話の進め方、会話の内容、風景、音、2人の仕草、2人の視線、2人の距離、全てにおいて絶妙なんですよ・・・
2人の間に流れる空気が、話が進むごとにどんどん変わってくるのもわかっちゃうんだよね。
もはや役者2人が演技をしているなんて言う枠を超えて、本物の感情で動いている、惹かれあった2人としか見えなかった。
ジュリー・デルピーとイーサン・ホーク、この映画はほぼこの2人しか出てこない。
2人の会話で進んでいくこの物語、随所に洒落っ気がちりばめられ(それは背景だったり、音楽だったり、すれ違った人達だったり)、会話のシーンは長いショットで撮られ、まるでドキュメンタリー映画のよう。
それが更に2人をリアルな存在に思わせる。
ジュリー・デルピー、素敵だったなぁ~
前作から9年という時間がしっかりと顔に表れてはいたけれど、その目じりのシワさえもこの役(セリーヌ)が過ごしてきた9年間を物語っているようでした。
そして、劇中で彼女の歌が何曲か入るんだけど、とても心地良い声でこの映画にピッタリでした。
調べてみたら彼女は実際にアルバムを1枚出しているんだね。
映画のサントラと合わせて買いです!
そしてそして、イーサン・ホーク、この役当たりだよ、当たりすぎ!
彼もまた9年間の時間の流れがしっかりと顔に表れていた。
で、こちらもまたこの役(ジェシー)の9年間を表しているかのようでした(良くも悪くも)
そして、今回のイーサン、ラストのセリフと表情が最高でした!
セリーヌが言ったことに対しての答え・・・
「I know・・・」
今でも忘れられないあの表情。
これから2人がどうなるのか、全てこの表情が物語っていたように感じました。
本当に演技を超えた自然さに思えました・・・イーサン、すごいよ☆
ハリウッド(インディペンデント系)は時にこんな素敵な作品を作ってくれるんだよね・・・
いやはや、参った参った!
で、こんな素敵な作品を作った首謀者はこの3人。
前作で意気投合し、今回は3人でとことん脚本を練り上げたそうです。
左からイーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、リチャード・リンクレイター(監督)
あなた達ににやられました。
泣かされました。
めちゃめちゃ恋がしたくなりました。
責任とってくれぇぇぇぇ