東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ひとめ見たくて

2012年05月08日 | トンボ
ゴールデンウィーク後半は天気の移り変わが激しい日々に悩まされ、2日、3日、4日の東京は生憎の天気であった。
せっかくのゴールデンウィークなので4日は思いきって東京を離れ、天気の回復した東海地方へと遠征。
その姿をひとめ見たくベッコウトンボの生息する桶ヶ谷沼、鶴ヶ池に訪れた。

初めて訪れる桶ヶ谷沼。まず、その環境を拝見しようと沼を一周した。緑林に囲まれ沼を一望出来る場所が見当たら無く、所々の開けた空間から見たところマコモやアシなどの水生植物が豊富な様子。開放水面は沼中央部と水際の水路状に伸びる空間があり、水質は茶色く濁ったマッディーウォーター。客観視すると沼の規模から見てトンボの楽園といった感じではなく、ヘラブナ釣りやライギョ釣りのメッカであったと思える沼だ。関東で言うと規模こそ異なるが千葉県の印旛沼、茨城県の牛久沼に似た雰囲気。そして、沼と隣接する湿地内は立入禁止とされていたのは残念だ。所々にビオトープを設け、自然度を残しつつしっかりと管理されているといった様子。そろそろ気温も上昇しベッコウトンボ達も沼に現れるかと思いきやベッコウトンボどころかトンボの姿が無い!時期的に早期なのかと思い陽当たりの良い草地へと足を踏み入れた。すると...

ベッコウトンボ(♀)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED


ベッコウトンボ(♂)

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

初めて見るベッコウトンボ。撮影するのを忘れるほど喰い入るように見入ってしまった。
翅に入る褐色の模様とキャラメルカラーがとてつもなく魅力的なトンボである。草地やビオトープにて成熟、未成熟個体がチラホラと見られる程度。成熟したオスは敏感で近寄る事ができず撮影する事ができずにいる最中、風が強くなるに連れベッコウトンボの姿は無くなりイマイチぱっとしないまま鶴ヶ池に移動してみた。

鶴ヶ池

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

撮影意欲を掻き立てられるほどの絶景。麦藁帽子を被ったヘラブナ釣り師と画像中央右上には偶然に写り込んだベッコウトンボの姿が景観を引き立ててくれた。
桶ヶ谷沼に比べて水生植物の種類も豊富に見られ、開放空間も広く自然度の高さは歴然。こっちが本命だろうと早速ベッコウトンボを探してみると桶ヶ谷沼とは異なり数多くのベッコウトンボが草地や池にて賑わいを見せていた。

未成熟個体(♂)

D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye

僕がベッコウトンボを観察して感じた事は他種で例えるのなら都内にも生息するショウジョウトンボと体型、習性が似ているように思もえた。彼らはアキアカネや黄昏ヤンマのように一定の時間帯に集団で摂食飛翔を見せるといった習性はないのでろうか?群飛するシルエットを下から見上たい。


D700+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+SB-600

東京の何処かでひっそり生息していて欲しいトンボである。

撮影日:5月4日

撮影地:静岡県磐田市桶ヶ谷沼、鶴ヶ池