恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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七夕〜その1

2016-07-07 14:33:23 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

今年は七夕のお話書けるかな…と思い、書き始めたものの。

何しろ取り掛かりが遅かった。

思いついたのが7月入ってから。

「七夕までに書ければいいや」と暢気に構えていたら、パソコンの機嫌が悪くなるわ、雑事が入るわ。

言い訳がましいけど、なんとか七夕当日に間に合ったので、許してね。


さて、七夕のお話で以前書いたのは『七夕』in〈吉祥寺恋色デイズ〉


恋人同士の譲二さんとヒロインのお話でした。

今回は恋人になる前の二人の話。

だから、ラブラブのシーンというのは特にないのですが、子供時代も挿入して作ってみました。


☆☆☆☆☆

七夕〜その1


〈百花〉

♪~カラカラ~ン

春樹「ジョージさん! ご注文の笹を持ってきましたよ。どこに置いたらいいですか?」


ハルくんの元気な声が響いた。

私が近づくとハルくんは大きな笹を持ち替えて、ニッコリ微笑んだ。


春樹「やぁ、佐々木!」

百花「わぁ、すごい笹だね!」

春樹「うちに入った中でも一番立派なのを持ってきたからね」


厨房からマスターも出てきた。


譲二「ありがとう、ハル。ここに飾ろうと思うから持ってきてくれる」


柱の下に置いたバケツに笹をさし、ハルくんと二人で柱に笹を括りつけていく。

笹が倒れないように私も手伝った。


譲二「これでよし」

百花「七夕には、いつもクロフネに笹飾りをするんですか?」

春樹「今年初めてだよね? 笹の注文貰ったのは」

譲二「ああ、ちょっと思いついてね。お客さんに短冊を書いてもらってお店に飾ろうと思って」

百花「それで昨日から短冊が置いてあるんですね」


カウンターに置いた箱に真新しい短冊とマジックが置いてある。


譲二「まだ書いてもらえたのは数人なんだけどね」


マスターは首をすくめて笑った。

お母さんたちと暮らしていた頃は小さな七夕飾りに願いごとの短冊を吊り下げていたものだけど、クロフネで暮らすようになって、七夕ができるとは思っていなかった。


譲二「ハルもよかったら、短冊に願いごとを書いてくれるかな?」

春樹「願いごとかぁ、何にしようかな。そういえば佐々木は何書いたの?」

百花「え? 私? まだ書いてないよ。考え中」

譲二「いくつ書いてくれてもいいからね。でないとこの大きな笹が埋まらないから」

春樹「そういうジョージさんは書いてあるんですか?」

譲二「いやぁ、実を言うと俺もまだ書いてないんだけどね」


くしゃっと顔を崩してマスターが笑う。

その優しい…少年のような笑顔は、なぜかいつも私の心を乱してしまう。

いつか…どこかで、その笑顔を見たことがあるような気がして。

 

その2へつづく