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ホームに、どこまでできるか

2010-03-10 | 高齢者介護業界
このところ、「疼痛緩和ケアをしながら看取って欲しい」という要望の入居が続いています。

ということは、入居のときにすでに予後がある程度見通せるお客様…ということになります。

本人に精神的な打撃を与えず、家族同様のホームで最期を迎えさせたい…というご家族の想いは、当然なことだと思います。

しかし…。

ある種の疾患は、進行が深まると、その苦しみ様は激烈なものです。

実際、それに耐えられるだけのスタッフがいるだろうか…。

人員的にも、人材的にも、どのホームも決して充分ではないというのが現実です。

ホームでの「看取り」にいちばん懐疑的なのは、たいていの場合看護師なのです。

病院と比べると、老人ホームの医療支援体制は圧倒的に貧弱ですから、

「こんなところで苦しませるなんて、とんでもない!」と、感じるようです。

私も、激烈な痛みや苦痛が伴うような疾病に罹っている方がホームで最期を迎えることに関しては、かなり否定的です。

それは、「元気な者の自己満足」に過ぎないのではないか?…と、思うからです。

でも、少しずつ食事が摂れなくなっていき、グッタリとしている時間が増えてきている…という方なら、ホームでも可能かな、と思います。

でも、ほとんどの場合、やはり最期は入院して亡くなっているのです。

いわゆる「老衰」であっても、決して「眠るように亡くなる」わけではありません。

最期の数日間は呼吸が乱れてきて、苦悶の表情を浮かべるのです。

その「数日間」をスタッフと家族が耐えるのは、かなり大変なことです。

私たちの世代は、自宅で老人を看取る…という体験をほとんど持っていません。

いわば、「死」を自分の間近で迎えることに、ひどい恐怖を抱いてしまうのです。

これを乗り越えるためには、どうすればよいのでしょうか?

まず、「人が死ぬと言うこと」について、とことん考え、議論し合うこと。

そして、死に立ち会ったスタッフへの心理的なケア体制を確立すること。

素人考えですが、まずここからしっかりと始めていかなければ、老人ホームは決して「終の棲家(ついのすみか)」にはなり得ないように思うのです。


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