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介護判定をめぐる不思議な話

2009-07-10 | 高齢者介護業界
皆さんは介護保険制度に関して、どのくらいご存知でしょうか?

お役所に申請すると、しばらくして訪問員の方が自宅やホームにきて、いろいろとお話しを伺います。これを『認定調査』といいます。
そして、掛かりつけのお医者さんが体や精神状態を書いた『医師の意見書』。この二つをもとに介護認定審査会というのが開かれて、「要介護度」が決ります。
いちばん軽度な「要支援1」から重度の「要介護5」まで、7ランクに分かれています。

縁のない方にはクダクダしい話で、すみません。


さて、現在この要介護判定に、不思議な「経過措置」が取られているのです。

5月に入って、お役所から「要介護度が変わっても従来どおりを選ぶことができます」という案内が送られてきました。

実はこの4月から、認定調査での調査項目が変わりました。お役所がおっしゃるには、「調査時のご本人の状態をありのままに調査する方法」に変えたというのですが、その是非はともかく、この四月以降は、もっぱら、
「今までより軽く判定されるようになったゾ!」
という声が強く、特にお一人すまいの高齢者には大変な影響がでる!と大騒ぎになりました。
この辺は、TVや新聞でも大きく取り上げられましたから、ご存知の方も多いでしょう。
その声に煽られるように、次のような経過措置が取られるようになったのです。
現在、申請された方は、以下の三つから選ぶことができることになっています。(これが経過措置です)

①従来より軽度になった場合、従来の要介護度に戻す。(重度になった場合はそのままでよい)
②従来より重度になった場合、従来の要介護度に戻す。(軽度になった場合はそのままでよい)
③従来より重度になっても軽度になっても、従来の介護度に戻す。

「ン?なんのこっちゃ?ワケわからんぞ?」
とお感じの方に、お役所に代わり、私がヒト口でこの「経過措置」の本音をお伝えすれば、
「判定が軽くなると困るでしょうから、いちおう調査はしますけど、今のままで良いですよ。どーも、ごめんなちゃい!」
ということなんだと思います。
つまり、四月からの新しい調査方法は、実質的に敗北したのです。


調査には膨大な時間と労力を掛けているのに、簡単にチャラにされるなんて、
「はっきり言って空しいですよ」
と、ホームに来られる調査員の方も、良くおっしゃっていますが…。

そもそも、今回の変更で介護度が軽く出るようになったのは、「社会保障費総抑制の一環ではないか?」という声もありました。
それが、マスコミによる批判が出ると、掌を返したように「経過措置」が取られたのですから、今度は
「選挙が近いからではないか?お年よりは敵に回せないから」
というアラヌ噂が立っています。


万が一にもそんなことがあるとしたら、政治的な思惑で高齢者の生活の大事なカギがコロコロ変るのは変な話ですよねえ…。


今日は硬い話で、どうもご退屈さまでした。





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