食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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母の心配

2009-07-11 | ケアマネジャー
私の母は今年七十八になるが、月に二回くらい電話を架けて来る。
いくつになっても息子は頼りなく、心配な存在のようだ。

四年前、私がケアマネジャーの資格を取ったとき、母はたいそう喜んでくれた。
ケアマネジャーという仕事の内容について、母が充分に知っていたとは思われない。ただ、障害者施設を辞めてからの私が再就職に苦労しているのはかなり案じていた。
その上、
「ケアマネというのは、年寄りを世話する仕事なんだろ?」
とか聞いてきたから、自分にも何か御利益がある…と考えたに違いない。


二年前、胆石を摘出するために母は入院をした。私はその機に、母の要介護申請をした。父も足がかなり弱っていたので、同時に申請をした。二人とも初めての申請だった。
結果は、母が「要支援1」で、父は「非該当(自立)」だった。
父は自立と判定されたことを内心かなり喜んでいたようだったし、母も、
「ヘルパーとかは使わないよ。人のお世話になりたくない」
と宣言した。
「気にすることないんだよ。使えるサービスは使ったほうが良いんだ」
と私が言っても、母は頑なだった。

半年後の更新申請の際、母は「自立」と判定された。
「市役所の人から、どこも悪いところはない…と言われたよ」
と、母は嬉しそうに報告して来た。職業柄、私は少し複雑な気持ちだった。


それが、この間の電話では、少し様子が変わった。
「ワシらももうトシだから、そろそろお前が勤めているようなところに住むことを考えたほうがいいだろか?」
と訊いてきたのだ。つい二年前まで母は、
「老人ホームなんてゼッタイに住みたくない!」
と言っていたのだから、えらい変わりようである。

話を聞くと、やはり少しずつ心身の衰えを意識することが増えてきたようだった。
そして、息子が老人ホームというところで働き始めたことも、意識の変化に多少の影響を与えたに違いない。また、
「今のヨノナカは怖いからなア」
などと言う。どういうことかと言うと、
「昼間歩いてても、ヘンな目付きの男がいると、いきなりブン殴られるんじゃないかと心配になるんだ。この辺も物騒だからナ」
それは判る。両親の住む町は東京と千葉の境界にある臨海市街…というともっともらしいが、マンションと旧市街が混在した地区で、引ったくりなどの犯罪率はかなり高いのだ。


このところの治安の乱れに対する不安が、あれほど嫌がっていた母をして老人ホーム入居を考えさせているとしたら…。
それもまた、なんとも複雑な気持ちになった。




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