今日が休みで助かった。
昨日の夜、残業をしていたら、八時半くらいから、吐き気と動悸に襲われた。
首筋を触ってみると、セメントのように硬くなっている。
それでも仕事が残っていたので九時過ぎまで続けたが、そこで限界が来た。
帰り、自転車を漕いでいると、首がビクンビクンと緊張し、腕の動きも変で、ハンドル操作がしばしばおかしくなった。
そんなことは初めてだった。
今日は、念願のマッサージに行った。
事情を説明して首筋を念入りにほぐしてもらうと、本当に生き返るようであった。
「それにしても、今日は首も背中もガッチカチに硬いですねえ」
「そうですか…」
しかし、身に覚えはあった。
今週の日曜は休みだったが、夕方から急変した入居者がいて、夜間出勤したのである。
その方は、救急搬送されたが、残念なことになった。
そういう夜は、帰って来てもなかなか寝付けない。
ようやくウトウトしても、いろんな想念や残像が夢にも現れ、寝た感じがしない…。
知人の牧師さんの言葉を思い出した。
牧師さんの弟さんは消防士だったが、四十代で退職を余儀なくされた。
「消防士には、凄惨な現場の体験がトラウマになって、心を病む人がけっこういるらしいんです…」
もちろん、私たちは消防士ほど過重な仕事をしているわけではない。
しかしやはり、人が亡くなる職場は、ツライ気持ちになることは多い。
そのストレスが、ジャブのように溜まっていく…。
私は、出来るだけ自分の好きな映像を見て過ごそうと思った。
まず『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画を見た。
このイタリア映画の傑作は、二十年前の封切りのとき銀座の映画館で観た記憶がある。
シチリア島の小さな村が舞台である。
映画館の映写技師をしている初老の男性と、映画が大好きな少年との交流がドラマの中心だが、とにかく映画への愛に充ちている。
今でも世界中の映画ファンから宝物のように愛されている作品である。
これは、今日の私にはとても良い選択だった。
それから、イチローのファインプレー集や、立川志らくの『文七元結』など、とにかく「心地よくなる」ものだけを見ることにした。
そのうち、椎名林檎の『丸の内サディステイック』にたどり着いた。
これは彼女の中でもいちばん好きな曲だが、好きな人は多いらしく、色んな人がカバーをしていることを知った。
坂本冬実まで歌っている!
高校時代の椎名林檎の映像もあったが、そのころから圧倒的な存在感がある。
歌も高校生とは思えないほど、伝える力があった。
日曜の夜、救急車に同乗したのは若い男性ヘルパーだった。
彼とっては、かなり精神的に重い体験だったらしい。
それは、当然である。ちゃんと向き合えば、簡単に流せることではないのだ。
そして、彼には恢復する権利がある。休養は保障されなければならない。
むろん、全ての働くものに、疲弊した心を恢復させる権利があると思う。
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昨日の夜、残業をしていたら、八時半くらいから、吐き気と動悸に襲われた。
首筋を触ってみると、セメントのように硬くなっている。
それでも仕事が残っていたので九時過ぎまで続けたが、そこで限界が来た。
帰り、自転車を漕いでいると、首がビクンビクンと緊張し、腕の動きも変で、ハンドル操作がしばしばおかしくなった。
そんなことは初めてだった。
今日は、念願のマッサージに行った。
事情を説明して首筋を念入りにほぐしてもらうと、本当に生き返るようであった。
「それにしても、今日は首も背中もガッチカチに硬いですねえ」
「そうですか…」
しかし、身に覚えはあった。
今週の日曜は休みだったが、夕方から急変した入居者がいて、夜間出勤したのである。
その方は、救急搬送されたが、残念なことになった。
そういう夜は、帰って来てもなかなか寝付けない。
ようやくウトウトしても、いろんな想念や残像が夢にも現れ、寝た感じがしない…。
知人の牧師さんの言葉を思い出した。
牧師さんの弟さんは消防士だったが、四十代で退職を余儀なくされた。
「消防士には、凄惨な現場の体験がトラウマになって、心を病む人がけっこういるらしいんです…」
もちろん、私たちは消防士ほど過重な仕事をしているわけではない。
しかしやはり、人が亡くなる職場は、ツライ気持ちになることは多い。
そのストレスが、ジャブのように溜まっていく…。
私は、出来るだけ自分の好きな映像を見て過ごそうと思った。
まず『ニュー・シネマ・パラダイス』という映画を見た。
このイタリア映画の傑作は、二十年前の封切りのとき銀座の映画館で観た記憶がある。
シチリア島の小さな村が舞台である。
映画館の映写技師をしている初老の男性と、映画が大好きな少年との交流がドラマの中心だが、とにかく映画への愛に充ちている。
今でも世界中の映画ファンから宝物のように愛されている作品である。
これは、今日の私にはとても良い選択だった。
それから、イチローのファインプレー集や、立川志らくの『文七元結』など、とにかく「心地よくなる」ものだけを見ることにした。
そのうち、椎名林檎の『丸の内サディステイック』にたどり着いた。
これは彼女の中でもいちばん好きな曲だが、好きな人は多いらしく、色んな人がカバーをしていることを知った。
坂本冬実まで歌っている!
高校時代の椎名林檎の映像もあったが、そのころから圧倒的な存在感がある。
歌も高校生とは思えないほど、伝える力があった。
日曜の夜、救急車に同乗したのは若い男性ヘルパーだった。
彼とっては、かなり精神的に重い体験だったらしい。
それは、当然である。ちゃんと向き合えば、簡単に流せることではないのだ。
そして、彼には恢復する権利がある。休養は保障されなければならない。
むろん、全ての働くものに、疲弊した心を恢復させる権利があると思う。
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