「地図と領土」メモ2~ 人生使用法、そして、女性にモテる秘訣を語る美女オルガ からの続きです。
地図と領土 (ちくま文庫) | |
Michel Houellebecq,野崎 歓 | |
筑摩書房 |
昨日まで、p262/p448まで読んでいた。前回のメモ2を書いたときがp187まで読了していたから、かなりのスピードで楽しんでいた。
しかし、朝食を摂りながら、突然、重大なことに気がついた。それは新作「服従」を読了した時にも気がついたことだった。重大なこととは、”(ウエルベックの作品には)固有名詞が多いから、読むスピードに気を付けないといけないぞ!”と云うことであった。
美女オルガとの恋の行方、、、その流れに夢中になっていた僕は、多くの”固有名詞”に対して、かなり注意散漫になっていた。只管、読み流していくのである。ここに登場する多くの固有名詞は、フランス人にとっては馴染みが深いものでも、僕ら日本人にとっては初めてのものが多いのである。固有名詞の多さは、ウエルベックの作風かもしれない。
例えば、「リュクサンブール公園」。どのくらいの公園だろう?と思い、ネットで調べてみた。なんと面積は約22.45haで、東京ドームの約5個分の広さのようだ。
(上図・・緑の矢印がギヌメール通りであり、「リュクサンブール公園」が薄緑の位置)
ジェドは「リュクサンブール公園/ジョー・ダッサン」の歌詞をふと思い出し、そして涙ぐむのだ。何故、「リュクサンブール公園」の歌詞なのだ?と、 改めて最初から読み直してみると、
(↑ 「リュクサンブール公園の様子も同時に楽しめる)
恋人オルガの家は、ギヌメール通り(Rue Guynemer)にある豪華な2LDKで「リュクサンブール公園」に面していた。(p69) と書いてあるではないか。しかも、ジョー・ダッサンを多くのロシア人同様に、恋人オルガも好きだったのだ。(オルガもロシア人)
(↑ジョー・ダッサンは元祖オー・シャンゼリゼ!)
僕は、物語の面白さに、ついつい、先を急ぎ過ぎてしまったようだ。別に急いで読む必要はないのである。恐らく、ウエルベックはこの小説でも多くの固有名詞を並べてくるだろう。
今日は振り出しに戻り、最初から読み直していた。p122/p448まで通過。