昨日、「滅ぼす」を読了した。
7月28日から昨日まで、ウエルベックに憑りつかれてきた。
今回の新作は従来の作品と違い、理性(≒倫理・道徳)に重きを置いているように読める。
ちょっとウエルベックらしくない感じもするが、もしかして、純文学かもしれない。
純文学であれば、かなり深い小説であるが、しかし、
パラレル・ストーリー(テロリストの動向/家族の物語)を展開させているから、中途半端な印象も否めない。
それはテロリストに関する状態を読者がどのように把握・解釈したら良いのかが、不完全になるからだ。
そこに(僕の、或いは、もしかして多くの読者の)欲求不満の原因があることもわかっている。
更に、ウエルベック特有のギミック(仕掛け)が作品に潜んでいて、ウエルベックが意識的に(作品を)複雑にしているだけだ。
ということを、僕は気づいている。
だからこそ、僕はそれ(ギミック)を解明しようとしている。
今日は一日中、いろいろな角度から、読んでいた。付箋だらけだ。
暫くの間、熟読再読を繰り返すことになるだろう。
そのギミックが解明出来たら、書評を書いてみたい。