欧州雑派

欧州に関する気になった情報の備忘録

「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」  読書メモ<3>  真剣さと教養人との関係

2012-11-11 | ドイツ文学
中巻を読了。「美わしき魂の告白」の位置づけは、下巻から解明されていくのだろうか?この突如挿入されている告白文の文学的な価値が良く分からない。この方(⇒ここ)の論文を読めば、少しは解明できるかもしれない。 それよりも、美女に語りかける叔父の言葉に、含蓄の深さを覚えてしまう。    ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈下〉 (岩波文庫) Jo . . . 本文を読む
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■「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」  読書メモ<2>  美わしき魂の告白

2012-11-10 | ドイツ文学
この一か月、怒涛の忙しさだった。ブログを全く更新できない。今日も仕事だった。でも、どうにか大きな山を超えた感じ。努力が報われた。明日から1週間程度はリラックスできそう。 何事もコツコツやれば成功は微笑んでくれる。苦労は買ってでもするものだ!は本当だな、何事も逃げないことだ、改めてそう思った。 忙しいときでも、ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈中〉を隙間時間にチビチビ読んで . . . 本文を読む
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■「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」  読書メモ<1>  ラインマーカー

2012-10-13 | ドイツ文学
「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(上)」読了。 ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫) Johann Wolfgang Goethe,山崎 章甫 岩波書店 これこそ正統派の文学。含蓄のある言葉で溢れている。特に前半からp150ページ位までが凄い。ラインマーカーを引きまくり。 中盤から終盤にかけては、演劇中心の . . . 本文を読む
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■Steppenwolf - Born To Be Wild、荒野のおおかみ、そして「ハリー・ハラーの手記」

2012-03-07 | ドイツ文学
花粉症の季節の到来か?風邪だか花粉だか分からないけど、カラダが怠かった。それと睡眠不足のせいか、、何となくイラついていた。一言でいえば、不快感の強い一日だった。  「荒野のおおかみ」を少しずつ読み進めている。読みやすく感じるのはどうしたことか?p38/346通過。明日から、いよいよ「ハリー・ハラーの手記」だ。副題が”狂人のためだけに” . . . 本文を読む
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■荒野のおおかみ、そして、Marcelo Torres 

2012-02-28 | ドイツ文学
明日は関東や首都圏では雪が降るらしい。嫌だな。 今日から「荒野のおおかみ」を読み始めた。 ヘッセは、高校生の時、夢中になって読んでいた。一方、昨年、熱中して読んでいたのが、トーマス・マン。そのマンが絶賛したのが「荒野のおおかみ」だそうだ。だから読んでみたくなった。当時(高校生の時)は難しく感じて直ぐに挫折。でも、今なら読みこなせるだろう。p14/p346通過。ゆっくりと読みたい。少し . . . 本文を読む
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■詐欺師フェーリクス・クルルの告白 3

2011-08-19 | ドイツ文学
「詐欺師フェーリクス・クルルの告白」上巻を読了した。昨日までは高く評価していた。が、第六章から第九章までの展開はイタダケナイ。ところどころ辟易している。まるで三流ポルノ小説を読んでいるような感覚にも襲われた。        詐欺師フェーリクス・クルルの告白〈上〉 (光文社古典新訳文庫) Thomas Mann,岸 美光 光文社 トー . . . 本文を読む
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■詐欺師フェーリクス・クルルの告白 2 

2011-08-18 | ドイツ文学
「詐欺師フェーリクス・クルルの告白」p186通過。p127から始まる第四章、その後のp186までの第五章、、、加速度的に面白くなる!なんだぁー、この不可思議な展開は!第四章は知的にも秀逸で、第五章の描写はスラップスティックな展開へ突っ走る!、、、、、「キタァー(゜∀゜)ーー!!!!」って感じ!これが、トーマス・マン??面白すぎる!!ヤバイ!        詐欺 . . . 本文を読む
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■3つの告白   ・・・・・ モームとトーマス・マン、、そして三島

2011-08-17 | ドイツ文学
「サミング・アップ」p44通過。この本は間違いなく良書だ。今、読んでいる箇所は、モームによる文章読本。これが読ませる!モームは、「ものを書く人間に見出される曖昧さには二種類ある!」と、断言し、解説していく。(p42)        サミング・アップ (岩波文庫) W.Somerset Maugham,行方 昭夫 岩波書店 モームの文章は . . . 本文を読む
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■詐欺師フェーリクス・クルルの告白 1

2011-08-13 | ドイツ文学
先日、丸善で購入した小説のひとつが、「詐欺師フェーリクス・クルルの告白」だった。さきほど、30ページほど読んだら、、嵌りそうだ。文庫本の帯に「この圧倒的な面白さ!・・「魔の山」と好一対の傑作ピカレスク・ロマン」と書いてある。だから、購入した。光文社⇒ここ . . . 本文を読む
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■メインヘール・ペーペルコルンという男 ~「魔の山」(13)

2011-08-08 | ドイツ文学
終盤に突如登場するのがメインヘール・ペーペルコルンだ。ハソス・カストルプは彼を人物と認めていく。20歳前後の学生が、成功したビジネスマンに接したときの印象を上手に描いている。若者は己の価値軸を大きく変えてしまう。学問だけの人間を薄っぺらい人間と見做すようになる。実務に通じた男の雰囲気に魅力を覚えるのだ。私もそうだった。          魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3) . . . 本文を読む
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■海辺の散歩、メインヘール・ペーペルコルン登場!  ~魔の山(12)

2011-08-05 | ドイツ文学
「魔の山」下巻,第七章(最終章)に突入。”海辺の散歩”、”メインヘール・ペーペルコルン”の2節を読了。突然登場してきたメインヘール・ペーペルコルンという男、何者だろう?          魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3) 高橋 義孝 新潮社 ”海辺の散歩”は良質 . . . 本文を読む
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■ベーレンス顧問官の言葉、conflict  ~魔の山(11)

2011-08-04 | ドイツ文学
下巻p400通過。「勇敢な軍人として」という節を読了。約100ページを二日がかりで読んだ。詩的で哀しい物語の展開と難解極まりない哲学論戦が混在したバランスの悪い内容だった。私のなかでその二つがconflictしてしまった。          魔の山 下 (新潮文庫 マ 1-3) 高橋 義孝 新潮社 特に、フリーメイスンの話や文学・歴史を巡る論戦は甚 . . . 本文を読む
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■「魔の山」の”雪”、そして、「ねじまき鳥クロニクル」と「転落」への連鎖 ~魔の山 (10)

2011-08-02 | ドイツ文学
「魔の山」下巻p306通過。”雪”という節を読了。ハソス・カストルプは、ある状況下で、幻影のような夢を見る。凄いな、と感じたのは、夢の描写ではなく、夢の解釈を通じたハソス・カストルプの覚醒(=意識の流れ)を描くトーマス・マンの表現力だ。 具体的には、”人間は対立物の主”という表現とその解釈だ。そして、畳み掛けるように、それは、&rdqu . . . 本文を読む
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レオ・ナフタ、、、、そして、タイラー・コーエン  ~ 「魔の山」(9)

2011-07-31 | ドイツ文学
レオ・ナフタは、頭脳俊敏なラテン語教師だ。絹の家に住む。極度の醜男だ。でも、実は、イエズス会士である。 ”フィクションの中でも陰謀の枢軸としてのイエズス会がしばしば強調される(wikiより引用)”ことが多いそうだが、トーマス・マンも(彼を)「淫蕩な男」とセテムブリーニに定義させてしまう。だが、レオ・ナフタは、知的すぎるのである。 . . . 本文を読む
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■意識の変化、想像力!    ~ 「魔の山」を読みながら  ~「魔の山」(8)

2011-07-29 | ドイツ文学
今日から「魔の山」下巻を、再度1ページ目から読み直すことにした。理由は、単なる脇役で通過人だと思っていたナフタが、あまりにも鋭い言葉を言い放ち、私を煙に巻いているからだ。ナフタを意識していなかった。セテムブリーニばかりに注視して読んでいたからだった。 ナフタを創造したトーマス・マンの意図は何だろうか?トーマス・マンの恐るべき頭脳から創造される人物たち。彼らの放つ言葉には力がある。いい加減には . . . 本文を読む
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