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「LOOP/ループ-時に囚われた男」映画評

2018-04-21 | 欧州映画
LOOP/ループ-時に囚われた男-(字幕版)
 
ストーリーは以下。
 
麻薬密売で生計を立てる男・アダムは、仕事から足を洗うため、取引の大金を奪って恋人のアンナと共に、ボスのデシューの元から逃亡を図ろうとするのだが、突然姿を消した彼女を追って街に飛び出すと、そこには傷だらけのアンナがアダムを見つけ、「なぜ生きているの?さっき死んだはずなのに」とうろたえている。
 
その瞬間、暴走した車がアンナを跳ね飛ばし、彼女は命を落としてしまう。あっという間の出来事に理解ができないアダムは、その場を逃げ出し部屋に戻ると、自分がボスに射殺される現場を捉えた1本のビデオテープを発見する。
 
するとそこへ、アダムを殺すために、死んだはずのアンナを連れたボスが部屋に訪れてきて・・・時空が完全に歪み、同じ時間を繰り返していることに気付くアダム。
 
このタイムループの出口は一体どこに?そして彼はアンナを救うことはできるのか?

 
以下、映画評 
 
現在、僕は、この映画を5回、観ている。(5回観ても飽きないのだ!というか、分からないのである)
2回目の鑑賞から、メモを取りながら、Excelに比較表を書いて、推察を行っている。
段々と謎が解明できているのだが、解明できずにいる箇所があと少しある。
そのため、細切れに早送りしながら、ループの各シーンを行ったり来たりしている。
この推察に嵌ってしまい、休日の日課になってしまった。
頭の体操には持って来い!の作品だ。
 
LOOP/ループ-時に囚われた男-(字幕版)
イシュティ・マダラース
メーカー情報なし
 
 ネットではいろいろな推察が出ているが、いずれも正鵠を射ている、とは言い難い。
僕はそれを解明したいのだが、まだ、時間がかかる。
解明まであと少し、、これからも鑑賞するのは間違いない。
 未だに、混乱している部分がある。
 
「LOOP/ループ-時に囚われた男」の画像検索結果 
 
タイム・ループの中で主人公(アダム)がデャジャブ感を覚え、自分の行動を変えてしまうからだ。
その行為が、その後の世界(生活空間)を微妙に歪めていくことになる。
結果、同じ時空間に、本人が複数存在し、他者の存在も複数化させてしまう。だから、人々の行動が微妙にズレて行く。
だから、混乱してしまう。
 
 
僅かな行動の変更が、時空を歪めていく、、その人の人生を変えていく、
という仮説のもとで、この映画は制作されている。
結果、その歪んだ世界はとりとめもない状況へ続いていくのだが、、、
であれば、数名の人間たちに精神の破綻を起こすかもしれない。驚くことに、そのような可能性も示唆するように映像化されている。
 
この映画が素晴らしいのは、主人公が行動を変えたときから、
ループの光景が微妙に変化していくところを丁寧に映像化しているところである。
すれ違う人や事物のタイミングが違うとか、周囲の人の行動が異なるとか、、
風景の有様が微妙に変化しているのである。しかも、それらに矛盾がないのだ。辻褄があうのだ。
考え抜かれた映像が散りばめられている。
「LOOP/ループ-時に囚われた男」の画像検索結果 
 
問題としたいことは、この繰り返し(ループ)の結末がどうなるのだろうか?ということだ。
この作品のエンドのことではない。その先の、そのまた先のことである。
僕は、ループの繰り返しによって、最後はその人間たちは消えることになりはしないか?という仮説を立てているのだが、、。
どうだろうか?
 
この映画は”単なる「ループ」”を描いている訳でない。
「ループ」の世界で、誰かが行動を変えた場合、その後の世界の「歪み」行方(ゆくえ)を描いているのだ。
行動を変えるのはアダムだから、アダムを軸に推察しがちだが、そうではない。
別の誰かだ。キーマンは誰だ?その人の行動がポイントとなる。
 
これを押さえれば、本質に近づくのではないか、、と推察し、格闘している。
 
 
このキーマンを軸にして鑑賞しないと、
世界の「歪み」を僕はうまくつなぎ合わせることが出来ない。
多元の世界の登場人物たちが、どこかの時点でクロスしていくのである。
歪みとは、このクロスのことである。
 
あと、少しのところまで来ているのだが、、。
 
暇つぶし、脳トレには、最適な映画である。と強く推奨したい。
行動の変化が時間軸を歪め、登場人物たちをクロスさせ、別次元の同一(登場)人物たちが遭遇する。
映像で表現されないシーンを推測しながら、この物語を再構築すれば、
バラバラな流れが統一されるだろう。
 
その完成形に確信がもてたら、この映画の本質的テーマである「ループする世界の”歪み”の行方」
即ち、ループの繰り返しによって、最後はその人間たちは消滅してしまう、という僕の仮説に自信が持てるのだが、、
解明への道は、あと少し、、、。
 
 
評価:☆☆☆☆☆ 
ハンガリー映画!

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