起きて半畳 寝て一畳

株式投資の記録を中心に、日々感じた事や考えたこと、読んだ本のことなどなど

中国「民工」悲惨な実態と革命尚未だ成功せず

2007年06月03日 23時06分10秒 | トピックス
 2日の土曜日に goo ニュースで読んだ産経新聞の記事です。
  中国「民工」悲惨な実態 大阪の元商社員ら翻訳、出版(産経新聞) - goo ニュース

 記事中にあった用語解説によると、民工とは、
 『 中国の農村部から都市部に出稼ぎに来ている労働者。推計1億2000万人で、農村部の工場などで従事する農民を含めると2億人を超える。
 「中国民工調査」によると、内陸部の安徽、江西、河南、湖南、四川5省の出身者が多い。「農村戸籍」と「都市戸籍」に分類される中国では、「農村戸籍」の民工は都市で条件のよい仕事に就けず、多くは「汚い、きつい、危険」の3Kと呼ばれる業務に就労。平均月収は780元(約1万2300円)で、全労働者平均の半額以下とされる 』
とありました。

 私はこの本をまだ読んでおりませんが、本屋で手にとったことはあります。上記の産経新聞の記事には、「酷使され、差別され、命さえ軽んじられている民工の悲惨な姿を浮き彫りにしており」とあります。

 中国はプロレタリア独裁の労働者の国のハズなのに 
 毛沢東は農民の支持を得て共産主義革命を成功させたのに
 なんて子供じみたことはいまさら申しませんが、それにしてもひどい。ひどすぎる。私はこの記事を読んで、学生時代にフリードリヒ・エンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』を読んだときのことを思いだしました。

 『 イギリスにおける労働者階級の状態 』については、私のもうひとつのブログ【陳舜臣「中国の歴史」読書日記】のこの記事をご参照ください。
  【⑬ 阿片戦争とビクトリア女王の時代

 マルクスと孫文の言葉です。
「歴史は2度繰り返す」とはドイツのヘーゲルの言葉ですが、それにカール・マルクスは「一度は悲劇として、そしてもう一度は茶番として」という言葉付け加えています。(「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」)

「後進国のブルジョアは、先進国の革命を学ばずに王政復古の真似ばかりしている」 これもマルクスのことばです。(「ヘーゲル哲学批判」)

「革命尚未だ成功せず。だから同士は努力をつづけよ」 これは1925年3月12日に死去した孫文の遺嘱のことばです。(陳舜臣「中国の歴史 14」270頁)

 毛沢東は子供のころ水滸伝を読んで、悪徳役人や強欲地主に対する怒りを、胸に刻み込んだといいます。ひょっとしたら、中国の大地のどこかで、第二、第三の毛沢東少年がいまごろ夢中になって水滸伝を読んでいるのだろうか? 

 これがその話題の本です。PHP研究所 『 大地の慟哭(どうこく) 中国民工調査 』1890円 478p
秦堯禹著 《 チンヤオユイ 》 ; 田中忠仁 ; 永井麻生子 ; 王蓉美訳
 

 本の帯にある「われわれを国民として扱え!」の文字がなんとも痛ましい。
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 中国の経済成長と都市の発展を支えるのは、誰も進んで就こうとしない3Kの仕事に身を投じて働く出稼ぎ農民(民工)である。その数なんと2億人を超える。彼らの労働環境、生活環境は苛酷である。たとえば建築民工の場合、何カ月も働いて給料をもらえないケースがある。また工場で危険な化学薬品を知らずに使い、命を落とす女子民工も後を絶たない。鉱山での死亡事故も多発している。にもかかわらず、彼らには何の保障もないのだ。

 故郷から連れてきた子どもの教育も深刻な問題である。都会の学校に通うだけのお金がないため、未就学児童がどんどん増えている。さらに、故郷に置いてきた子どもたちも性的虐待や不慮の事故に襲われている。

 本書は、中国で社会問題化している民工の生活実態を克明に取材、貧困・差別・冷遇に苦しむ彼らの生の声を集めた衝撃の書。日本では考えられない「格差」に憤りを感じずにはおれないだろう。

第1章 都会の片隅で―民工の生活実態;
第2章 幸せを忘れた人々―民工の精神生活;
第3章 軽すぎる命―民工の健康問題
第4章 血と汗の対価を払え―民工の給料未払い問題;
第5章 「民工不足」という名の反乱―民工の就職状況;
第6章 都会のはみ出し者―民工子弟の教育問題
第7章 農村はどうなる?―民工の留守家庭状況
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2007.06.03 今週の見通し・株式 戻りを試す展開か

2007年06月03日 17時17分04秒 | 株式投資
 今週の株式相場は戻りを試す展開か。世界の主要株価指数に比べて日本株の出遅れ感は強く、業績好調な主力株を中心に見直し買いが入り始めた。相次いで発表される経済指標で国内景気の底堅さが確認されれば、日経平均株価は年初来高値(1万8215円)を目指すとの見方もある。海外株が不安定な動きを見せた場合は、いったん足踏みする場面もありそうだ。

 先週の日経平均は週間で477円(2.7%)上昇。ハイテクや商社の好業績銘柄に買いが続き、週末には約3カ月ぶりに1万8000円台を一時回復した。

 それでも過去最高値圏にある欧米株や中国株に比べると日本株の戻りは依然鈍い。「今週も海外勢の資金流入が続く可能性は高い」(UBS証券の平川昇二チーフストラテジスト)とみられ、国内景気に売買の手掛かりを求める外国人投資家も多いという。

 このため4日発表の1~3月期法人企業統計をはじめ、4月の景気動向指数や機械受注統計などから目が離せない。
 なかでも設備投資の先行指標となる機械受注への関心は高く、民間23社は平均で前月比4.3%の増加(船舶・電力を除く民需)を見込んでいる。前月まで弱含みで推移してきただけに「再び堅調な内容となれば内需関連株中心に買いに弾みが付く」との見方もある。

 週末の外国為替市場で約4カ月ぶりに1ドル=122円台まで円安が進行したのも支援材料になりそうだ。米景気に対する悲観論が後退し、自動車などの主力株に「物色対象が広がるかどうかがカギ」(ゴールドマン・サックス証券の久保昌弘株式トレーディング営業部長)とみられる。

 ただ米国株や中国株には高値警戒感もくすぶり、「いったん海外株が調整局面に入ると日本株も踊り場を迎えかねない」(三菱UFJ証券の白木豊シニアストラテジスト)という。

 8日には株価指数オプションの特別清算指数(SQ)が算出される。相場水準が切り上がるなか、思惑的な売買が膨らめば相場をかく乱する懸念がある。

(6/3 日本経済新聞)

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