地震そのものも怖かったけど、
首都圏では、その後に起きた混乱の方が怖かった。
不安を煽るチェーンメール、電力不足による交通機関の乱れ、計画停電、そして食料品不足・・買占め。
地震の無い国から来た、若ダンナ。
来日当初は、震度2位の揺れでも外に飛び出していた程・・
そんな彼が経験した今回の地震。
勤務先の近くで目の当たりにした、石油コンビナートの大火災。
そして、食品不足の現状。
さらに、追い打ちをかけたのが、放射能漏れのニュース。
放射能については、国内よりも海外メディアの方が大げさに報道している。
国内退去命令、チャーター機・・ そんな報道が続く中、
若ダンナ、しばらく海外へ避難しようと言いだした。
「私は残るよ」
放射能の問題は、目に見えない物で恐怖はあっても避難の必要性は感じないし
食品不足の混乱も長くは続かないだろう・・・
それより、仕事を放り出して逃げる事は出来ないし、したくもない。
「3人で行かなきゃ意味が無い!」
事態が悪化してから逃げようとしても遅いと主張する彼。
おそらくこの時期日本に住む多くの国際結婚カップルは、似たような件で口論になった事でしょう。
もし国外に住んでいて、このような状況に直面したら・・
私だってやっぱり、すぐに日本へ帰りたいと思うだろう。
だから、あの時彼が言いだした事を間違っているとか、悪いとか言うつもりはない。
結局、私がここに残るという決意が固いのを見て、彼の方が折れてくれた。
その決断には感謝しないといけないと思っている。