ことりのあしあと

ほんのわずかなじかん、立ち止まって耳をすませて自分を見つめたい。そんなあしあとをペタペタとのこしています。

読書日記4/24 川上弘美『パスタ・マシーンの幽霊』マガジンハウス2010.4.22

2011年04月24日 19時29分01秒 | 日記
短編集。
どれがどう、ということもないのだけれど。

クセのない文章は、お水のようにするすると体の中に入ってくる。

パタンと本を閉じて、自分の掌を見つめた。

どうしてだろう、透明人間になってしまったような気がして。

足、ある、手、ある、顔、ある、
歩いて、いる、
手は、ぐ、ぱ、できる、、、

透き通ってしまった体は柱もすり抜けてしまえそうな気がした。

川上弘美と言う人の視線は、自らの存在を消して
誰かの生活の中に入り込み、ながめるような、
そんな、感じがあるのだろう。

風すらも私の体を吹き抜けていくようで、
風船のようにゆらゆらと揺れているような気分で目的地に急いだ。

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