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雪割草 (ゆきわりそう)

2014年03月23日 03時56分02秒 | 花の神話と伝説
別 名  「三角草(みすみそう)」「洲浜草(すはまそう)」
     「洲浜細辛」「洲浜菊」(Liver leaf)



花言葉  「あなたを信じます」「信頼」「期待」「内緒」「優雅」
     「高貴」「自信」「和解」
季 語  初春

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科・属名: サクラソウ科・サクラソウ(プリムラ)属
原産地 :東地中海・小アジア原産
状態 :多年草

ユキワリソウは日本原産のサクラソウ科プリムラ属の落葉宿根草です。
日本各地の山地に自生する花で、サクラソウに似た紅紫色の5弁花(写真右上)を開きます。
1~2cmの可憐な花を健気に咲かせます。
葉は3~8cmのへら形で裏面に淡黄粉を密につけます。
草丈は10~15cm、開花期は2~4月頃です。

属名の「プリムラ(Primula)」は、ラテン語の『primus「プリムス(最初)」』のという意が語源とされます。
和名は春まだ浅い時期に雪を割るような姿で現れるため、
「ユキワリソウ(雪割草)」と素敵な名前がついています。

またユキワリソウの名で呼ばれているのは、葉の先が三角に分かれているキンポウゲ科の『ミスミソウ「三角草(ヘパティカ・ノビリスの変種)」』、あるいはミスミソウの仲間で、洲浜台(弧状になった砂浜のこと)に似るので「スハマソウ(洲浜草)」があります。

花に見えるのは6~9枚の萼で、2~5月頃にピンクや薄紫、紅紫、白などの可憐な花を咲かせ、根茎は這うように伸び、冬も枯れません。

庭の下草や路地植えとして楽しめます。

英名はハート形の葉から「Liver Leaf(肝臓の葉)」とも呼ばれます。
ただ、植物分類上においてはサクラソウ属のユキワリソウが正式のユキワリソウで、ミスミソウをユキワリソウと呼ぶことは誤用だとされます。

キンポウゲ科の多年草。
本州から四国の早春の低山地で、雪解け を待って茎の先端に、白や淡紅、紅紫、青紫の花を一つつける。
葉の形が婚礼の儀式などに用いられる洲浜台、また浜辺の洲浜のようであることから洲浜草とも呼ばれる。
ユキワリソウ(雪割草 学名:Primula farinosa subsp. modesta)は、
サクラソウ科サクラソウ属の多年草。高山植物で日本全土の亜高山帯から高山帯に自生する。

特徴
山地の湿った岩場に生育します。
高さは10cmほどになります。
葉はだ円形で根生し、幅1-1.5cm、長さ3-10cm、表面は緑色でしわが多く、ふちには波状のゆるい鋸歯があり、やや裏側に曲がる。また、葉の裏面は淡黄の粉があります。
花茎は高さ7-15cmになり、その先に3-20個の淡い紅紫色の花をつけます。
花の径は10-14mm。苞は線形になり、基部は袋状に膨らみません。

花期は5-6月。
変種
ユキワリソウ(基変種) Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. modesta (Bisset et S.Moore) Makino ex T.Yamaz.
ユキワリコザクラ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. fauriei (Franch.) Miyabe
葉が小卵形であり、鋸歯がはっきりしない。細長い葉柄がつく。
本州(奥羽地方)、北海道、千島、樺太、済州島に分布します。

レブンコザクラ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. matsumurae (Petitm.) T.Yamaz. 
絶滅危惧II類(環境省レッドリスト)。
北海道の礼文島に自生する。千島、朝鮮半島、アジア寒帯に分布します。
苞の基部が、やや膨らみます。

サマニユキワリ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. samanimontana (Tatew.) T.Yamaz.
北海道のアポイ岳周辺の日高地方南部に分布しております。
葉が細く、縁が強く内側に巻き込みます。

雪割草はキンポウゲ科のミスミソウ、スハマソウの別名でもあります。
また、イチリンソウ、ニリンソウ、アズマイチゲ、ショウジョウバカマ、ハシリドコロなども雪割草、雪割花とよぶ地方もあります。

名前の由来
・雪の残っているころに雪を割るようにして咲き出すのが名の由来。
 別名「三角草(みすみそう)」
   葉が三裂するところから。これの別名を雪割草と呼ばれております。
 「洲浜草(すはまそう)」
   葉の形が、祝いの席に飾る島台の ”州浜”に
   似ているところから。これも別名を雪割草と呼ばれております。
・ハート型の葉っぱの形から、英語で「Liver leaf(肝臓の葉)」
 とも呼ばれております。

《基本情報まとめ》
・金鳳花(きんぽうげ)科。
・学名
  Hepatica nobilis
    var. japonica
    form. variegata(洲浜草)
  Hepatica nobilis
    var. japonica(三角草)
   Hepatica : ミスミソウ属
   nobilis :気品のある、立派な
   japonica : 日本の
   variegata :斑紋のある、雑食の
 Hepatica(ヘパティカ)は、ラテン語の「hepaticus(肝臓)」が語源。
 葉の形に由来。
 (Primula(サクラソウ属)に属する、とする説もあり)
 
早春に開花。

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ウィキペディア その他より掲載
必要に応じ加筆・訂正致します。






連翹(れんぎょう)

2014年03月21日 15時41分50秒 | 花の神話と伝説
別 名  「いたちぐさ」「いたちはぜ」





花言葉 「希望」「かなえられた希望」「集中力」「希望の実現」
     「豊かな希望」
季 語  仲春

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レンギョウ(連翹)とは、
広義にはモクセイ科レンギョウ属(学名: Forsythia)の総称
(それらから品種改良で作られた園芸品種をも含める)。
狭義には、レンギョウ属の種の一つ、学名 Forsythia suspensa の和名を指します。
一般には広義の意味で称されることが多い。

属名の Forsythia は、
19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた園芸家ウィリアム・フォーサイス
(William A. Forsyth、1737年 - 1804年)に因みます。

レンギョウ F. suspensa
レンギョウ(連翹、学名: Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl[1])は、
モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹。別名、レンギョウウツギ(連翹空木)。
古名は、いたちはぜ、いたちぐさ。
中国名は黄寿丹。英名はゴールデンベル (golden bells, golden bell flower)。

種小名の suspensa は、枝が“垂れる”意味です。

和名のレンギョウは、
漢名の連翹を音読みしたものですが、実は誤用されたものです。
そもそも原産地の中国で連翹とは、
トモエソウ(学名: Hypericum ascyron、中国名: 連翹(大連翹))
もしくはオトギリソウ(学名: Hypericum erectum、中国名: 小連翹)のこと。
これらどの実も薬用されていたこともあり、日本では、現在のレンギョウの実が
連翹と誤って売られるようになり、ついにはレンギョウが連翹として認識されるに
至りました。しかし、現在も中国において連翹と書くとトモエソウもしくは
オトギリソウのことを指します。

名前の由来
半つる性植物。
枝が柳のように撓み、地につくとそこから根を出します。
葉に先立って鮮やかな黄色の花を枝先まで付けます。
その様子が鳥の長い尾に似ているのでこの名がつきました。

満開の大きな株が庭にありますと,黄金の水を吹き上げている噴水のように見えます。
黄色い 4 弁の花がたくさんついております。

特徴
雌雄異株。
繁殖力が旺盛で、よく繁る。樹高は1 - 3mまで育ち、
半つる性の枝は湾曲して伸び下に垂れ、地面に接触すると、そこからも根を出し
新しい株ができます。
枝は竹のような節を持ちます。また、枝の髄が早期に消失するため、
節の部分を除いて中空になります。
(このことから“空の木”、レンギョウウツギ(連翹空木)という
別名が付きました。
この呼称は最初、本来の連翹(トモエソウ)との誤用に気付いた時、
区別するために使われました)。

まだ葉が芽吹く前の早春(3 - 4月頃)、2 - 3cmの黄色い4弁の花が、
細い枝に密に多数開くきます。

その花が咲き終わる頃、入れ違うかのように今度は、
緑色の葉(長さ3 - 10cm、幅2 - 5cmの長卵型。葉先は鋭尖で、
葉縁にまばらな鋸歯がある)が対生に芽吹き、
それが秋になると濃緑色、概憤色(くすんだ黄緑色)、
紫色と順に変色し、最後に落葉します。

付いた果実は漢方薬(下記参照)として用いられます。

分布・生育地中国原産。日本への渡来は古く、『出雲風土記』や『延喜式』にも
レンギョウの名前が見られます。
(薬用として平安時代初期に渡来したといわれているが、
実際に渡来した時期は定かではなく、江戸時代前期に栽培の記録があることから、
江戸時代だという説もある)。

レンギョウ属
レンギョウ属(レンギョウぞく、学名: Forsythia)には、
7種(アジアに6種とヨーロッパに1種)の原種、および幾つかの園芸用に
交配された雑種があります。
どの種も黄色い4弁の花が特徴的です。
中国・朝鮮半島・ヨーロッパ各地でも多く植栽され、
春を告げる花として知られております。

中国・朝鮮原産種
レンギョウ(学名: Forsythia suspensa、中国名: 黄寿丹) - 中国原産種。
ギラルディアナ(学名: Forsythia giraldiana、中国名: 和秦翹) - 中国原産種。
シナレンギョウ(学名: Forsythia viridissima、中国名: 金鐘花) - 中国原産種。
チョウセンレンギョウ(学名: Forsythia ovata
(Forsythia koreana, Forsythia viridissima var. koreana)、
朝鮮名: ケナリ(개나리)) - シナレンギョウの変種。
朝鮮半島原産種。
朝鮮半島ではカラムラサキツツジ(朝鮮名: チンダルレ(진달래))と共に、
春の訪れを告げる花として親しまれております。

日本の公園や庭木などで「レンギョウ」として一般的に植栽されているのは、
レンギョウ、シナレンギョウ、チョウセンレンギョウです。
耐寒性耐暑性に優れているため、日本全国に分布しております。
大気汚染や病虫害にも強く、どんな土壌でもよく育つことから、庭木、公園、
垣根に用いられることが多い。

これら3種はよく似ておりますが、幹を縦に切ると、
レンギョウは芽の出る部分以外が中空、
シナレンギョウは芽の出る部分を含み細かい梯子状の髄があり、
チョウセンレンギョウは芽の出る部分以外に細かい梯子状の髄があります。
また、レンギョウ、チョウセンレンギョウの枝は弓なりに長く伸び下垂するが、
シナレンギョウは枝が直立し上向きに張って伸びる傾向があるため、
園芸業界では、それぞれ「シダレレンギョウ(ツルレンギョウ)」
「キダチレンギョウ」と区別して呼ぶことがあります。

日本原産種
先述したように、日本で一般に植栽されているレンギョウ類の多くが、
シナレンギョウ、チョウセンレンギョウと外来種です。
しかし、日本にも一部の地域に自生している野生種があります。
ヤマトレンギョウ(学名: Forsythia japonica)
- 中国地方の石灰岩地に分布しております。
ショウドシマレンギョウ(学名: Forsythia togashii)
- 瀬戸内海の小豆島の石灰岩地に分布しております。

これら日本原産種は、他のレンギョウ類に比べて開花時期が4月 - 5月頃と遅い。
ヤマトレンギョウは葉に先立って花を咲かせ、
ショウドシマレンギョウは葉の展開と同時期に独特の緑色を帯びた
黄色い花を咲かせます。

この2種は、全国的にも限られた地域にしか分布しない固有種で、森林開発、
人工造林、園芸採取などによって現在の生育地で絶滅すると野生状態では
地球上から完全に消滅してしまうことになるため、
(国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに準拠した)
環境省のレッドリストによって、絶滅危惧種に指定されおります。

ヨーロッパ原産種
セイヨウレンギョウ(学名: Forsythia europaea)
- バルカン半島原産種。
アルバニア、セルビア、モンテネグロの一部に自生しております。

園芸種
インテルメディア(学名: Forsythia × intermedia)
- 1880年にドイツで作出されました。
レンギョウとシナレンギョウとを交配させました。
スペクタビリス(Forsythia x intermedia ’spectabilis’)
などの栽培品種があります。
花は大輪で多花性。ヨーロッパで広く栽植されております。
日本で流通している切花の多くはこの品種です。

最近ではインテルメディアにさらに別の品種を交配させたり、また他にも多くの
品種改良が行われ、様々な鑑賞用の品種が作出されております。

薬用
漢方医学では「連翹」と呼ばれ、解熱剤、消炎剤、利尿剤、排膿剤、
腫瘍・皮膚病などの鎮痛薬に用いられております。
成分にトリテルペン、モノテルペングリコシド、リグナンを含み、
強い抗菌作用があります。
成熟果実を一度蒸気を通したのち、天日で乾燥し用いられます。
日本薬局方においては、レンギョウまたはシナレンギョウの果実を用います。

連翹が配合された方剤の例
響声破笛丸(きょうせいはてきがん)
銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

連翹忌
4月2日は彫刻家・詩人の高村光太郎(1883年 - 1956年)の命日で、
これを連翹忌とも呼ばれております。
これは、高村が生前好んだ花がレンギョウであり、彼の告別式で棺の上に
その一枝が置かれていたことに由来します。


《基本情報まとめ》
・木犀(もくせい)科。
・学名
  Forsythia suspensa(連翹)
  Forsythia viridissima(支那連翹)
  Forsythia koreana(朝鮮連翹)
   Forsythia : レンギョウ属
   suspensa : 吊るした
   viridissima : 濃緑色の
   koreana : 朝鮮の
 Forsythia(フォルシシア)は、18世紀のイギリスの園芸家
 「Forsyth(フォーサイス)さん」の名前にちなみます。
・開花時期は、 3/20 ~ 4/20頃。
・古名は「鼬草」(いたちぐさ)。
・中国が原産地。
・たくさんの花で まっ黄色に染まるのがとても美しい。
・ふつうの「連翹」と、「支那連翹(しなれんぎょう)」、
 「朝鮮連翹(ちょうせんれんぎょう)」の3種類がよく知られております。
 (見分け方は難しそうです)。
 「連翹」   → 丸っこい花びら。
 「支那連翹」 → 細長い花びら。
 「朝鮮連翹」 → 細長い花びら。
         枝が湾曲しております。
・本来「連翹」とは 巴草(ともえそう)をさしておりましたが、
 今の連翹の木に誤用され、以来この木が「連翹」の名で
 呼ばれるようになりました。
・1月24日の誕生花。


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三叉 (みつまた)

2014年03月20日 17時46分55秒 | 花の神話と伝説
別 名 「結香の花(むすびき)」



花言葉 「強靱」「意外な思い」「壮健」「永遠の愛」「肉親の絆」

季 語 仲春



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ミツマタ(三椏、学名:Edgeworthia chrysantha)
ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。
中国中南部、ヒマラヤ地方原産。皮は和紙の原料として用いられております。

概要
ミツマタは、その枝が必ず三叉、すなわち三つに分岐する特徴があるため、
この名があり、三枝、三又とも書きます。
中国語では「結香」(ジエシアン)と称しております。

春、葉が出る前に甘い香りを放って花が咲きます。
春の訪れを、待ちかねたように咲く花の一つがミツマタです。
春を告げるように一足先に、淡い黄色の花を一斉に開くので、サキサクと
万葉歌人に詠まれました。
(またはサキクサ:三枝[さいぐさ、さえぐさ]という姓の語源とされております。)

園芸種では、オレンジ色から朱色の花を付けるものもあり、
赤花三椏(あかばなみつまた)と称します。

利用
和紙の原料として重要です。
ミツマタが和紙の原料として登場するのは、16世紀(戦国時代)になってからである
とするのが一般的です。しかし、『万葉集』にも度々登場する良く知られたミツマタ
が、和紙の原料として使われなかったはずがないという説があります。

平安時代の貴族たちに詠草料紙として愛用された斐紙(美紙ともいう)の
原料であるガンピも、ミツマタと同じジンチョウゲ科に属すします。
古い時代には、植物の明確な識別が曖昧で混同することも多かったために、
ガンピもミツマタを原料としたものも、斐紙と総称されて、近世まで
文献に紙の原料としてのミツマタという名がありませんでした。
後に植物の知識も増え、製紙技術の高度化により、ガンピとミツマタを
識別するようになったとも考えられております。

「みつまた」が紙の原料として表れる最初の文献は、徳川家康がまだ将軍になる
前の慶長3年(1598年)に、伊豆修善寺の製紙工の文左右衛門にミツマタの
使用を許可した黒印状(諸大名の発行する公文書)である(当時は公用の紙を
漉くための原料植物の伐採は、特定の許可を得たもの以外は禁じていた)。 

「豆州にては 鳥子草、かんひ みつまたは 何方に候とも 修善寺文左右衛門
より外には切るべからず」とあります。「かんひ」は、ガンピのことで、
鳥子草が何であるかは不明ですが、ミツマタの使用が許可されております。

天保7年(1836年)稿の大蔵永常『紙漉必要』には、ミツマタについて
「常陸、駿河、甲斐の辺りにて専ら作りて漉き出せり」とございます。
武蔵の中野島付近で漉いた和唐紙は、このミツマタが主原料でした。
佐藤信淵の『草木六部畊種法』には、
「三又木の皮は 性の弱きものなるを以て 其の紙の下品
(品質が最低の意)なるを なんともすること無し」
として、コウゾと混合して用いることを勧めております。

明治になって、政府はガンピを使い紙幣を作ることを試みましたが、
ガンピの栽培が困難であるため、栽培が容易なミツマタを原料として研究し、
明治12年(1879年)、大蔵省印刷局(現・国立印刷局)抄紙部で
苛性ソーダ煮熟法を活用することで、日本の紙幣に使用されるように
なっております。それ以来今日まで、ミツマタを原料とした日本の紙幣は、
その優秀性を世界に誇っております。

手漉き和紙業界でも、野生だけで供給量の限定されたガンピの代用原料
として栽培し、現代の手漉き和紙では、コウゾに次ぐ主要な原料となって
おり、現代の手漉き鳥の子和紙ふすま紙は、ミツマタを主原料として
おります。
耐用年数
平成20年度税制改正において、法人税等の「減価償却資産の耐用年数等に関する
省令」が改正され、別表第四「生物の耐用年数表」によれば平成20年4月1日以後
開始する事業年度にかかるミツマタの法定耐用年数は5年となりました。

関連項目和紙
三椏紙
ミツマタ (小惑星):小惑星番号16731番の小惑星。
発見した佐治天文台のある佐治村(現在の鳥取市)名物の手すき和紙・因州和紙が
ミツマタを原料とすることにちなみ命名されました。

《基本情報まとめ》
・沈丁花(じんちょうげ)科。
・学名
  Edgeworthia chrysantha
   Edgeworthia : ミツマタ属
   chrysantha : 黄色の花の
 Edgeworthia(エッジワーシア)は、イギリスの植物学者
 「Edgeworth 夫妻」の 名前にちなみます。
・開花時期は、 3/ 5 ~ 4/10頃。
・原産地は 中国中南部、ヒマラヤ地方。
 江戸時代初期に渡来。
・花芽は、ちょっと不気味な、不思議な形。
・花は、蜂の巣がぶら下がったような形。
・枝が3本ずつ分岐しており名前の由来になんっております。
・樹皮には強い繊維があり、和紙の原料になります。
 しわになりにくく高級で、また虫害にもなりにくいので、
 1万円札などの紙幣や証紙など重要な書類に使われております。
 1876年(明治9年)に、政府印刷局で三叉を原料として紙幣を作ってから、
 三叉の利用度は非常に高くなりました。
 紙幣以外でも証書・地図用紙・コピー紙など各種の紙とその原料として
 幅広く使われております。

・「三椏」とも書き、「椏」は”あ”とも読み、木の股」の意味があります。 
・「赤花三叉(あかばなみつまた)」は、戦後、愛媛県の栽培地で発見され、
 今では黄色花とともに よく栽培されております。

・「春さればまず三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあらば
  後(のち)にも逢はむな恋(こ)ひそ 吾妹(わぎも)」
                     柿本人麻呂

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大犬陰嚢(おおいぬふぐり)・犬ふぐり

2014年03月19日 10時56分43秒 | 花の神話と伝説
大イヌフグリの別 名 「瑠璃唐草」「天人唐草」「星の瞳」


花言葉 「信頼」「女性の誠実」「神聖」「清らか」「忠実」

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※イヌノフグリ(犬の陰嚢、学名 Veronica didyma var. lilacina)とは
オオバコ科クワガタソウ属の越年草。

3-5月にかけて、淡いピンク色をした3-5mmの花をつけます。
花弁には紅紫色のスジが入っております。

東アジアに広く分布し、日本では本州以南に見られる在来種(古い時代に渡来した帰化植物である可能性あり)であり、かつては路傍や畑の畦道などで普通に見られた雑草でした。
しかし近年は近縁種の帰化植物であるオオイヌノフグリにその生育地を奪われたほか、育成地自体も人間の開発行為によって減少しているために数を大幅に減らしております。
環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)に指定されております。

和名の由来、
果実の形状が雄犬のフグリ、つまり睾丸・陰嚢に似ていることから
牧野富太郎が命名しました。

・早春、地面に群がり咲く瑠璃色のこまかい花

・実を犬の陰嚢(ふぐり)に見立ててつけられた名前。

・野原や空き地にごく普通にみられるます。
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※オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢、学名 Veronica persica)とは
オオバコ科クワガタソウ属の越年草。
路傍や畑の畦道などに見られる雑草。

分布
ヨーロッパ原産。
アジア(日本を含む)、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、
アフリカに外来種(帰化植物)として定着しております。
日本では全国に広がっており、最初に定着が確認されたのは1887年の東京です。

特徴
早春にコバルトブルーの花をつけます。
まれに白い花をつけることがあります。
花弁は4枚。ただしそれぞれ大きさが少し異なるので花は左右対称です。
花の寿命は1日。
葉は1?2cmの卵円形で鋸歯があります。
草丈10?20cm。

名前のフグリとは陰嚢の事で、実の形が雄犬のそれに似ている事から
この名前が付きました。
ただし、これは近縁のイヌノフグリに対してつけられたもので、
この種の果実はそれほど似ておりません。
したがって正しくはイヌノフグリに似た大型の植物の意です。

近縁種
近縁種にイヌノフグリ (V. didyma var. lilacina)、
タチイヌノフグリ (V. arvensis)、
フラサバソウ (V. hederaefolia) などがあります。
いずれもオオイヌノフグリより小型で、花ははるかに小さいので目立ちません。

なお、日本の同属にはクワガタソウ (V. miqueliana) の仲間があり、
これは山地から高山に分布し、イヌノフグリを大きくしたような
美しい花の野草です。

・胡麻葉草(ごまのはぐさ)科。
・学名
  Veronica persica(大犬のフグリ)
  Veronica arvensis(立犬のフグリ)
   Veronica : クワガタソウ属
   persica : ペルシャの
   arvensis : 野生の
 Veronica(ベロニカ)は、キリスト教の聖者「Veronica」
 に対して捧げられた名。
・開花時期は、 2/ 1 ~ 4/末頃。
・ヨーロッパ地方原産。
 日本へは明治時代に渡来しました。
・道端に多く生え雑草のようですが、かたまって咲いているととてもきれいです。
・色はルリ色。
・日が当たると花びらを広げます。
 日がかげると閉じます。

・「立犬のフグリ(たちいぬのフグリ)」は、茎が高く立つ。

 花は「大犬のフグリ」より小さい。

・「犬ふぐり 星のまたたく 如くなり」 高浜虚子



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イヌフグリとオオ犬フグリを掲載しております。
画像は大イヌフグリです。

必要に応じて加筆・訂正致します。


仏の座 (ほとけのざ)

2014年03月18日 15時33分12秒 | 花の神話と伝説
別 名 (三界草(さんがいぐさ))



花言葉 「調和」「小さな幸せ」「輝く心」
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身分は雑草ですが、よくよく見ると唇の形をしたピンク色のはかわいらしい。
また小さな草花ですが、群生すると見ごたえがあります。

秋に芽を出し、冬も茎を伸ばして上部の葉の上につぼみをつけ、早春から
唇形の花が数輪ずつ咲き始め、暖かくなると一面に紅紫色の花が広がります。

名前の由来
花の名は、葉柄がなく花を囲むように茎に対生する葉を、仏像の如来や
菩薩が座る蓮華座(ハスの花のかたどった台座)に見立てて名づけられました。
花を囲むよう対生する葉の形が、仏の台座のように見えることから
ホトケノザと呼ばれるようになったという面白い形の草花です。

別名「サンガイグサ(三階草)」は、段々に葉と花がつくことからつけられました。

花言葉「輝く心」は、蓮華座に座る仏さまを連想してつけられたのでしょう。

花言葉「調和」は、すっと伸びた茎に段々についた葉と葉のバランスが
とれていることからつけられたのでしょう。

一本の茎にたくさんつくつぼみの中には、花を咲かせずにつぼみのまま閉鎖花に
なって、自家受粉するものもあるそうです

ホトケノザは葉がうどん粉のように白くなる(ウドンコ病)晩春にはせっせと
抜きますが、花の少ないときにけなげに咲いた花をめこぼししているので、
なかなか庭から出て行ってくれません。

形態・生態
成長した際の高さは10 - 30cm
四角断面の茎は柔らかく、下部で枝分かれして、先は直立します。

葉は対生で、縁に鈍い鋸歯があり、下部では葉枝を持つ円形、
上部では葉枝はなく茎を抱きます。

花期は3 - 6月、上部の葉脇に長さ2cmほどの紫で唇形状の花をつける。

つぼみのままで結実する閉鎖花が混じることが多い。
白い花をつけるものもあり、シロバナホトケノザ(f. albiflorum)と
呼ばれております。

分布・生育地
アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布します。
日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に自生します。

道端や田畑の畦などによく見られる雑草である。

人間との関わり
子供が花びらを抜き取り、それを吸って蜜を味わって遊ぶことがあります。

《基本情報まとめ》
・紫蘇(しそ)科。
・学名
  Lamium amplexicaule
   Lamium : オドリコソウ属
   amplexicaule : 抱茎のLamium(ラミウム)は、
ギリシャ語の「laipos(のど)」が語源で、葉の筒が長くてのど状に見えることに
由来しているとの説があります。 
・開花時期は、 2/ 5 ~ 5/末頃。
・半円形の葉が茎を取り囲んでつくようすを蓮華座(れんげざ)に見立てました。

・春の七草のひとつの”ほとけのざ”はこの花ではなく、
 正しくはキク科の「田平子」(たびらこ)のことを指す。

※春の七草の一つに「ほとけのざ」がありますが、これは本種のことではなく、
標準和名をコオニタビラコというキク科の草です。ところが、このために
この種を七草の「ほとけのざ」であると誤解されている場合があります。
本種は食用ではないため、注意を要します。


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必要に応じ加筆・訂正致します。

春蘭 (しゅんらん)

2014年03月07日 21時53分08秒 | 花の神話と伝説
別 名 「じじばば」「黒子(ホクロ)」

花言葉  「気品」「清純」「控え目な美」「孤高」
季 語  仲春

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シュンラン(春蘭、学名: Cymbidium goeringii)は、単子葉植物ラン科シュンラン属の蘭で、土壌中に根を広げる地生蘭の代表的なものです。
名称の由来
・「春蘭」で、春に咲くことからきております。
・古くから親しまれてきた植物であり、ホクロ、ジジババなどの別名があります。
・一説には、ジジババというのは蕊柱を男性器に、唇弁を女性器になぞらえ、一つの花に両方 が備わっていることからついたものとも言われております。
・別名「じじばば」。
   花姿をこまかく見ていると上の方に、おばあさんが頭にかぶる”ほっかむり”、
   下の方に、おじいさんの”白いひげ”があることからきております。
・別名「黒子」は、花の斑点をほくろに見立てたものです。
形態・生態
・葉は地表から出る根出葉で、細長く、薄いが固く、根元から立ち上がり、曲線を描いて下に 向かう。細かい鋸歯があってざらついいております。
・茎は球形に縮まった小型の偽球茎になり、匍匐茎はなくて新しい偽球茎は古い偽球茎の根元 から出て株立ちになる。根は太くて長い。
・花は3-4月に咲きます。
 前年の偽球茎の根元から出て、葉の陰に茎をのばし、その先端に花が1個つくが、まれに2-3 個つくこともあります。
・花茎は薄膜状の鱗片にゆるく包まれております。
・花は横を向いて咲き、萼片と側花弁は倒披針形、黄緑か緑でつやがあり、
やや肉質。
・萼片は広がって3角形の頂点を作り、側花弁はずい柱を囲うように互いに寄り合っておりま す。
・唇弁は基部はずい柱の下に受ける溝のようで、縦にひだがあり、その先は前に面を向けて広 がり、先端は後ろに巻き込む。普通種の色は白色で、濃赤紫色の斑紋が入っております。
・果実は紡錘形をしており、熟すると茎が伸びて葉の上に出て、上に向いて直立しております。
・種子は極めて小さく、埃のように見えます。
・常緑多年草。
・香気があります。
・青味を帯びた淡黄色の花で紅紫の斑を容れる。
 花は料理のつまにし、また塩漬けにしたものを湯に浮か べて飲みます。
 葉は細長くて強い。春蘭は秋の菊と並んで、古来よりその清らかな姿を
 愛されてきました。
栽培(培養)に関して
ラン科植物の種子は発芽に際して周囲の環境から適合する菌類の菌糸を呼び込み、これから成長に必要な栄養素を得るが、シュンランの実生はそのままかなりの大きさになるまで長期間、ショウガの根茎によく似た姿で腐生植物的な地下生活を送ることが知られております。
このような性質は寒冷地に適応する過程で獲得されたものだとも言われており、温帯産のシュンラン属の多くが同様に生長します。
熱帯性のシンビデュームでは地下生活の時期はなく、地表で発芽してすぐに発葉します。
なお、温帯性シュンラン属の完熟種子には強い撥水性があり、洋ランと同様の手法で無菌培養培地に播いてもほとんど発芽しません(未熟種子を培養するか、完熟種子は次亜塩素酸ナトリウム水溶液などで洗浄し撥水性を除去すれば発芽する)。
発芽しても実生苗は培地にもぐりこんだ地下生活状態のままで何年も留まります(植物生長ホルモンなどを培地に添加して刺激すると発葉する)。
近年までこれらの培養特性がわかっていなかったこと、育苗に長い年月を要する(種子から開花まで5年以上、10年以上かかる場合もある)こと、その他の商業的事情があり、現在でも交配育種による園芸化はあまり進んでおりません。
園芸品として流通しているものは、野生採集個体(を育てて株分けしたもの)が主流です。
ただし近年は人工交配苗の流通量が増えてきており、人工交配苗も園芸ジャンルの日本春蘭として認める方向に動きつつある。韓国や中国で量産された人工増殖苗も相当量が輸入されているが、流通実態が公表されていないため詳細は不明。
分布
日本各地によく見られる野生蘭の一種である。山草や東洋ランとして観賞用に栽培されることも多い。国外では中国にも分布します。
人間との関わり
「日本春蘭」
その野趣、素朴さを好まれて、野生品を日本庭園などで栽培することがあります。また、東洋ランのひとつ、日本春蘭としては、普通種(並物)と異なった特徴を持つ選別された個体(花物や葉物)に名前をつけて栽培する。花物(花びらがオレンジや黄色など並物と異なる個体)にも柄物(葉に黄や白の斑が入った個体)にも多くの品種があります。
中国のよく似たものを中国春蘭と言い、古典園芸植物としてはむしろこちらが先輩格です。
これは別種とされたこともあるが、現在では本種に含める。他にイトランも本種とされます。
山菜としても用いられます。
花を採り、茹でて酢の物などとする。あるいは塩漬けにしてお茶として用いられております。
広く文人墨客にも愛された植物で、墨絵や塗り物の茶器、椀などのモチーフとして描かれることがあります。
《基本情報まとめ》
・蘭(らん)科。
・学名
  Cymbidium goeringii
   Cymbidium : シュンラン (シンビジウム)属
   goeringii : 採集家「ゲーリング」さんの
 Cymbidium(シンビジウム)は、ギリシャ語の
 「cymbe(舟、ボート) + eidos(形)」が語源。
 その花の形から。
・開花時期は、 3/10 ~ 4/10頃。
・山野などに生えております。
 花は葉と同じような色なのであまり目立たちません。
 土筆(つくし)のようにひょろひょろと茎を伸ばしてきます。
・花を塩漬けにしたものを「蘭湯(らんゆ)」として祝いの席に使うことがあります。
ことわざ。
 「春蘭秋菊 倶に廃す可からず」
 (しゅんらんしゅうぎくともにはいすべからず)
  = 両者ともにすぐれており 捨てがたい、の意。
 

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満作 (まんさく)

2014年03月01日 06時54分11秒 | 花の神話と伝説
別 名 「 金縷梅」(「万作」とも書く)「ネソ」「魔女の榛(はしばみ)」


花言葉 「霊感」「ひらめき」「直感」「神秘」「幸福の再来」「感じやすさ」
    「誠実」「貞節」「霊感(黄)」「呪文(黄)」「魔力」「 愛」

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 原産地:日本、中国
学名:Hamamelis japonica
 英名:Japanese witch hazel
和名:マンサク(満作、万作、金縷梅)
目名:ユキノシタ目
科名:マンサク科
亜科:マンサク亜科
属名:マンサク属
樹高:5m~10m
開花期:1月~3月
植え付け期:2月~3月 10月~11月
園芸分類
落葉中高木、花木
咲く時期
・見頃 2~4月

栽培特性
半日陰で水捌けのよい土地を好みます。
 病害虫、大気汚染に強いが塩害には弱い
用途
庭木 公園樹 生垣、盆栽

日本と中国が原産ですが、中国種は「シナ(支那)マンサク」。

名前の由来は、早春に咲くことから
「まず咲く」が「マンサク」になったという説、
「豊年満作」の「マンサク」をとったという説があります
東北地方で訛ったものともいわれております。
東北地方を中心に、この花の咲き方でその年の作物の作況を占う言い伝えがあります。

別名「捻苧」ネソについて
ネソの正体は早春の山を彩るマンサクの若木です。
伐り出したあとしなやかさを失わないように水に漬けてあるネソには、
マンサクの花が咲いております。
木の内部が凍ったままで曲げると折れてしまうので、まず焚き火で樹皮が焦げて落ちるくらいまで炙ります。
さらに全体を絞り上げるようにねじって、木の繊維をほぐしておきます。
木のねじれが戻ろうとする力を利用して丸太を結束して行きます。
ネソは乾燥が進むにつれてより強く締まって外れることはありません。

縄文時代まで遡らずとも林業を生業として栄えていた飛騨地方では、
稲作の副産物であるワラ縄よりもマンサクの若木の方があたりまえの材料でした。
雪深い白川郷の合掌造り家屋にマンサクは欠かせません。

外から見ただけでは判らなくとも、茅葺き屋根を支える技術や材料は実に様々です。
ネソと呼ばれるマンサクの枝は、釘を使わない合掌造りの骨組みを結束する縄として使われます。ねじったり叩いたりして繊維を細かくしたネソは、年数がたつほどに締まって頑丈な結束になります。ネソづくりができることが一人前の男と認められる条件だったようで、若輩者への「ようネソもねらんで…」という言い回しもあったようです。
しかし今では「ネソをねる」技術を身に付けている人の方が少なくなってしまったそうです。
世界遺産でもある飛騨白川郷の合掌造りの骨組みの結束に利用されていて、その技術が保存・継承されております。
かつては薪の結束や、筏(いかだ)の結束にも使用されていたようです。

特徴
・葉は互生し、楕円形で波状の鋸歯があります。
・2-3月に葉に先駆けて花が咲きます。
・花にはがく、花弁と雄蕊および仮雄蕊が4個ずつあり、雌蕊は2本の花柱を持つ。
・がくは赤褐色または緑色で円い。
・花弁は黄色で長さ1.5cmほどの細長いひも状になります。
・果実はさく果で、2個の大きい種子を含みます。
分布・生育地
日本各地の山林に多く自生するほか、花木として栽培もされております。
日本の本州の太平洋側から九州に分布林に多く自生するほか、花木として栽培もされております。
亜種・変種・品種
オオバマンサク H. j. subsp. megalophylla本州中部地方以北に分布する亜種。
マルバマンサク H. j. subsp. obtusata北海道南部から日本海側に分布する亜種。
ウラジロマルバマンサク H. j. var. discolor北陸地方に分布する変種。
ウラジロマンサク H. j. var. glauca近畿・中部地方に分布する変種。
アテツマンサク H. j. var. bitchuensis中国・四国地方(愛媛県)に分布する変種。
萼片が黄色(マンサクの萼片は暗紫色)。
葉の両面に星状毛があります。
環境省のレッドデータブックでは、準絶滅危惧。

「アテツ」は岡山県の旧阿哲郡から、
種小名の bitchuensis は備中国から。
アカバナマンサク H. j. f. incarnata花弁の赤い品種。マンサク属

マンサク属(マンサクぞく、学名: Hamamelis)は、
マンサク科の属の一つ。東アジアと北米に分布し、4種ほどに分けられております。
マンサク Hamamelis japonica日本固有種。
シナマンサク Hamamelis mollis中国原産。

花の芳香が強く、冬の枯れ葉が春まで落ちずに残る特徴があり
日本でもよく植栽されております。
日本のマンサクとの雑種 H. x intermedia には多くの園芸品種が作出され、よく栽培されております。
ハヤザキマンサク Hamamelis vernalisアメリカマンサク (ハマメリス)Hamamelis virginiana北米原産。
マンサクによく似るが、花は秋に咲く。葉・樹皮のエキスは収斂薬や化粧水として古くから使われております。

《基本情報まとめ》
・満作(まんさく)科。
・学名
  Hamamelis japonica(満作)
  Hamamelis mollis(支那満作)

   Hamamelis : マンサク属
   japonica : 日本の
   mollis : 軟毛のある
 Hamamelis(ハマメリス)は、ギリシャ語の
 「hamos(似た)+ melis(リンゴ)」が語源。
 (リンゴには似ておりませんが) 
・開花時期は、 1/20 ~ 3/25頃。
・春に他の花に先駆けて咲くので ”まず咲く花”ということで
 だんだんと”まんさく”になっていった。
 また、花がたくさんつくので「豊年満作」から命名されたとも。
 欧米でも人気があり、
 「魔女の榛(はしばみ)」という名前もついております。
・細長いひも状のちぢれた花。
 黄色が鮮やか。
 赤い種類のものもある。
 この、ひも状の花弁の様子が、踊り子の手足 のように見えることから、
 古くから花木として庭などに植えられる。
・「支那満作(しなまんさく)」は、花が咲くときに、前年の枯れ葉が
 まだひっついてることが多い。

・「まんさくや 小雪となりし 朝の雨」  水原秋桜子

・2月25日の誕生花(満作)。
誕生花:1月8日 1月31日 2月12日 3月21日


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蒲公英(たんぽぽ)

2014年02月25日 19時54分28秒 | 花の神話と伝説
別 名 「鼓草(つづみぐさ)」「ダンデライオン」

花言葉 「飾り気のなさ」「真心の愛」「別離」「思わせぶり」「神のお告げ」
「真実の愛」「愛の神託」「神託」「軽率」「軽薄」「飾り気のなさ」
「田舎の託宣」「明朗な歌声」「無分別」「なまめかしさ」
季 語 「仲春」
    
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名前・花言葉の由来
花言葉
「愛の信託」タンポポの綿毛は、恋占いに使うことから、「愛の神託」の花ことばがあります。
別離」綿毛がふわふわと遠くへ飛んでいってしまうことから「別離」の花言葉もあります。
名称
古くはフヂナ、タナと呼ばれておりました。
タンポポはもと鼓を意味する小児語でした。
江戸時代にはタンポポはツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説ですが、その他にも諸説ございます。

・「たんぽぽ」の由来は、鼓の音を模したとされております。
・種子の冠毛が丸く集まっているようすが「たんぽ」
(綿を丸めて布などで包んだもの)に似ていることから
 「たんぽ穂」と名づけられ、「たんぽぽ」になりました。
・別名「鼓草(つづみぐさ)」
   茎の両端を細かく裂くと、そり返って鼓のような形になるから。
   また、「たんぽぽ」の名は、 この鼓をたたいたときの音の
   「たん、ぽんぽん」の 略が由来、ともいわれております。
・ダンディライオン(dandelion)はフランス語で「ライオンの歯」を意味するダン=ド= リオン(dent-de-lion)に由来し、これはギザギザした葉がライオンの牙を連想させるこ とによります。
・英語名は「ダンデライオン」。
 「ダンデライオン」「ライオンの歯」の意味。
 ギザギザした葉を、ライオンの歯に見立てました。
 ”ライオンの歯”。(フランス語の dent de lion から)
 独特の葉のギザギザを、荒々しい獅子の歯並びにたとえられました。
・漢字の「蒲公英」は漢名から。
子季語
たんぽ、鼓草、藤菜、白花たんぽぽ、桃色たんぽぽ、蒲公英の絮、西洋たんぽぽ
関連季語  
解説 蒲公英は黄色い太陽形の花。西日本には白色の花も見かけられる。花が終わると、絮が風に飛ばされる。

来歴 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。

文学での言及  
実証的見解 タンポポは、キク科タンポポ属の多年草の総称であり、世界で四百もの種が確認されております。
日本でも、さまざまな種が全国各地の道端や野原に自生します。

三月から五月にかけて ぎざぎざの葉の間から茎が伸び、その先端に直径四センチほどの黄色い花を一個つけます。
花は、舌状花と呼ばれる小さな花が円盤状に集まって頭花を形成します。
頭花は日が照ると開き、日が沈むと閉じます。子房が熟すと花は綿状になり、風に乗った種子は四方に散らばります。

多くはユーラシア大陸に自然分布する。
特徴
多くの種では黄色い花を咲かせ、綿毛(冠毛)のついた種子を作ります。
生命力の強い植物で、アスファルトの裂目から生えることもあります。
50センチ以上もの長い根を持ち、最大で1メートル程度まで伸びる個体も珍しくありません。
成長点が地面近くに位置するロゼット型の生育型で、茎が非常に短く葉が水平に広がっている。このため、表面の花や茎を刈っても容易に再び生え始めます。
撹乱の頻発する、他の植物が生きていけないような厳しい環境下で生えていることが多い。

古典園芸植物の1つで、
江戸時代幕末には園芸化され、数十の品種がありました。
朝花が開き、夕方花が閉じます。
花の特徴舌状花と呼ばれる小さな花が円盤状に集まり、頭花を形成している。
そのため、頭花が一つの花であるかのように見えます
(これは、キク科植物共通の特徴)。
舌状花1つに計5つの花びらをつけます、1つに合着した合弁花冠であるため1つの花びらをつけているように見えます。
舌状花の中央部は雌蕊が伸び、雄蕊が計5本合着しております。
舌状花の下端には子房があり、その上部から白い冠毛が生えております。
この冠毛は後に発達し、風によって種子を飛散させる役割を担います。
日本における在来種と外来種大きく分けると古来から日本に生育していた在来種と、近世に海外から持ち込まれた外来種があります。
在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られ、種の数も少ない。
また、在来種は概ね茎の高さが外来種に比べ低いため、生育場所がより限定されます。
夏場でも見られるタンポポは概ね外来種のセイヨウタンポポです。

見分け方としては花期に総苞片が反り返っているのが外来種で、
反り返っていないのが在来種。
在来種は総苞の大きさや形で区別できる。
しかし交雑(後述)の結果、単純に外見から判断できない個体が存在することが確認されております。

より個体数が多く目に付きやすいことから、「セイヨウタンポポが日本古来のタンポポを駆逐してしまった」というような記述が見られますが、これは正確には誤りです。

セイヨウタンポポは在来種よりも生育可能場所が多く、かつ繁殖力が高いが、その反面で多くの在来種よりも低温に弱く、初春から初夏にかけての寒暖差が激しい条件下では生育できない場合も多い。

セイヨウタンポポの個体数が多いために相対的に在来種の割合が減っただけで、在来種も一定の個数で存在している。また、茎を大きく伸ばさないため、かえって都市部で在来種が見られる場合もままあります。

交雑
在来種の各種とセイヨウタンポポは基本的に別種ではあるが細胞中の酵素の性質の違い(アイソザイム)を用いた解析では交雑が起こっていることが報告されております。
以下の特徴を持つものが見られます。

総苞片が一部のみ反り返っている。ただし、シロバナタンポポは元よりこの特徴を持っております。
茎の背が低い(在来種の特徴)にもかかわらず、総苞片が反り返っております(外来種の特徴)。
開花時までは在来種相当に茎の背が低く、種子を綿毛として飛ばす段階になってセイヨウタンポポ相当まで茎を伸ばします。
舌状花に白と黄色が交じり合う(シロバナタンポポとセイヨウタンポポの交雑)。

利用
草笛 - タンポポの茎を笛として吹く。
薬草・漢方薬 - タンポポの葉に含まれる成分に、C型肺炎ウイルスを抑制する効果があります。また、根には健胃・利尿・催乳などの効果があります。

たんぽぽコーヒー
タンポポ茶 - タンポポの葉を乾燥させ、ハトムギ茶などと配合したもの。

セイヨウタンポポの葉は古くからヨーロッパや中東で食用に供されており、多少の苦味があるがサラダなどにします。
また、根を乾燥させて炒ったものがコーヒーの代用品(たんぽぽコーヒー)として知られております。
アメリカ合衆国の一部では、花弁を自家製醸造酒(タンポポワイン)の原料として用いられます。
全草を乾燥したものは蒲公英(ほこうえい)という生薬として用いられ、解熱・発汗・健胃・利尿などの作用があります。さらに、茎に含まれる乳液からゴムを採集する所もあり、ブリヂストンがタイヤの主原料となる天然ゴムを取り出し実用化を目指しております。

主な種
タンポポ属の分類は非常に複雑で、学説によって60種からそれ以上に分類されます。
グレートブリテン島とアイルランドでは、アポミクシスと倍数性の変異により約235種が確認されました。
エゾタンポポ T. venustum H.Koidz
シナノタンポポ T. hondoense Nakai
カントウタンポポ T. platycarpum Dahlst. オキタンポポ T. platycarpum Dahlst. subsp. maruyamanum (Kitam. ) Morita.

トウカイタンポポ T. longeappendiculatum Nakai
カンサイタンポポ T. japonicum Koidz.
シロバナタンポポ T. albidum Dahlst.
セイヨウタンポポ T. officinale Weber
アカミタンポポ T. laevigatum DC.
ミヤマタンポポ T. alpicola Kitam. シロウマタンポポ T. alpicola Kitam. var. shiroumense (H. Koidz.) Kitam.

ヤツガタケタンポポ T. yatsugatakense H. Koidz.
オクウスギタンポポ T. denudatum H. Koidz.
キビシロタンポポ T. hideoi Nakai.
シコタンタンポポ (ネムロタンポポ)T. shikotanense Kitam.
クモマタンポポ T. trigonolobum Dahlst.
タカネタンポポ (ユウバリタンポポ) T. yuparense H. Koidz.
オダサムタンポポ T. platypecidum Diels
オオヒラタンポポ T. ohirense S.Watan.

最近は在来種と外来種の「雑種」が増えているようです。

根・葉は食用、薬用に使われ、
「タンポポコーヒー」には「デトックス効果」があるとされ、注目を集めております。

(主に「西洋タンポポ」を掲載します)

《基本情報纏め》
(Dandelion)
・菊(きく)科。
・学名
  Taraxacum officinale
       (西洋タンポポ)
  Taraxacum platycarpum
       (関東タンポポ)
   Taraxacum : タンポポ属
   officinale : 薬用の
   platycarpum : 大きな実の
 Taraxacum(タラクサカム)は、アラビア語の
 「tharakhchakon(苦い草)」が 語源。 
・開花時期は、 3/10 ~ 5/末頃。
・どこででも見かけるポピュラーな花。
・関東タンポポと西洋タンポポの違い
  → 花のすぐ真下のところがベリッとめくれてるのが”西洋”、
   めくれないのが”関東”。
 都市近辺で見られるのは、ほとんどが帰化植物の「西洋タンポポ」。
  (花の下のところがめくれている)
・タネは風に乗って飛んでいく。
 子供の頃たんぽぽの種を吹いておりますと母に注意されたものです。
 →耳の中に入れないように気をつけましょう。
 タネの様子は、姫昔蓬、 荒地野菊、
 高野箒にも似ております。
・黄色い花がほとんどですが、白花の品種もあります。
・たんぽぽの蜜(みつ)は、春の花々が咲くまでの
 蝶の貴重な食料となります。
・若い葉を水にさらしてサラダにできます。
 また、花は 天ぷらにして食べられます。
 葉を煎じて飲むと利尿剤として効用があります。
 (古くから薬用として使われております)

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雪割草

2014年02月23日 22時53分49秒 | 花の神話と伝説
別 名  「三角草(みすみそう)」「洲浜草(すはまそう)」
             「洲浜細辛」「洲浜菊」(Liver leaf)



花言葉  「あなたを信じます」「信頼」「期待」「内緒」「優雅」
    「高貴」「自信」「和解」「はにかみや」「忍耐」「期待」

季語 初春
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※科・属名 サクラソウ科・サクラソウ(プリムラ)属
原産地 東地中海・小アジア原産
状態 多年草

ユキワリソウは日本原産のサクラソウ科プリムラ属の落葉宿根草です。
日本各地の山地に自生する花で、サクラソウに似た紅紫色の5弁花を開きます。
1~2cmの可憐な花を健気に咲かせます。
葉は3~8cmのへら形で裏面に淡黄粉を密につけます。
草丈は10~15cm、
※開花期は2~4月頃です。

ユキワリソウ(雪割草 学名:Primula farinosa subsp. modesta)は、
サクラソウ科サクラソウ属の多年草。
高山植物で日本全土の亜高山帯から高山帯に自生する。

特徴
山地の湿った岩場に生育する。
高さは10cmほどになる。
葉はだ円形で根生し、幅1-1.5cm、長さ3-10cm、表面は緑色でしわが多く、ふちには波状のゆるい鋸歯があり、やや裏側に曲がる。
また、葉の裏面は淡黄の粉がある。
花茎は高さ7-15cmになり、その先に3-20個の淡い紅紫色の花をつける。
花の径は10-14mm。
苞は線形になり、基部は袋状に膨らまない。
※花期は5-6月。

変種
ユキワリソウ(基変種) Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. modesta (Bisset et S.Moore) Makino ex T.Yamaz.
ユキワリコザクラ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. fauriei (Franch.) Miyabe
葉が小卵形であり、鋸歯がはっきりしない。
細長い葉柄がつく。
本州(奥羽地方)、北海道、千島、樺太、済州島に分布する。
レブンコザクラ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. matsumurae (Petitm.) T.Yamaz. 
絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)。
北海道の礼文島に自生する。
千島、朝鮮半島、アジア寒帯に分布する。苞の基部が、やや膨らむ。
サマニユキワリ Primula farinosa L. subsp. modesta (Bisset et S.Moore) Pax var. samanimontana (Tatew.) T.Yamaz.
北海道のアポイ岳周辺の日高地方南部に分布する。
葉が細く、縁が強く内側に巻き込む。

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キンポウゲ科の多年草。
・本州から四国の早春の低山地で、雪解けを待って茎の先端に、白や淡紅、紅紫、青紫の花を一つつける。
・葉の形が婚礼の儀式などに用いられる洲浜台、また浜辺の洲浜のようであることから洲浜草とも呼ばれる。

雪割草はキンポウゲ科のミスミソウ、スハマソウの別名でもある。
また、イチリンソウ、ニリンソウ、アズマイチゲ、ショウジョウバカマ、ハシリドコロなども雪割草、雪割花とよぶ地方もあります。

・金鳳花(きんぽうげ)科。
・学名 Hepatica nobilis
    var. japonica
    form. variegata (洲浜草)
    Hepatica nobilis var. japonica(三角草)
    Hepatica : ミスミソウ属
    nobilis : 気品のある、立派な
    japonica : 日本の
    variegata : 斑紋のある、雑食の

 Hepatica(ヘパティカ)は、ラテン語の「hepaticus(肝臓)」が語源。
 葉の形に由来しております。
 ※(Primula(サクラソウ属)に属する、とする説もあり)
 
・早春に開花。

名前の由来
・雪の残っているころに雪を割るようにして咲き出すのが名の由来。

・「三角草(みすみそう)」葉が三裂するところから。
   これの別名を雪割草と呼ぶ。

・「洲浜草(すはまそう)」
   葉の形が、祝いの席に飾る島台の”州浜”に似ているところから。
   これも別名を雪割草と呼ぶ。

・ハート型の葉っぱの形から、
 英語で「Liver leaf(肝臓の葉)」とも呼ばれる。


※ユキワリソウの名で呼ばれているのは、葉の先が三角に分かれているキンポウゲ科の『ミスミソウ「三角草(ヘパティカ・ノビリスの変種)」』、あるいはミスミソウの仲間で、洲浜台(弧状になった砂浜のこと)に似るので「スハマソウ(洲浜草)」があります。

・花に見えるのは6~9枚の萼で、2~5月頃にピンクや薄紫、紅紫、白などの可憐な花を咲かせ、根茎は這うように伸び、冬も枯れません。

・庭の下草や路地植えとして楽しめます。
英名はハート形の葉から「Liver Leaf(肝臓の葉)」とも呼ばれます。

※ただ、植物分類上においてはサクラソウ属のユキワリソウが正式のユキワリソウで、ミスミソウをユキワリソウと呼ぶことは誤用だとされます。

長く厳しい冬を耐え抜いて可憐な顔をのぞかせる「雪割草」。

 花言葉は、「はにかみや」。
小さく可憐な花ながら、色は鮮やかで、花弁の形や咲き方も様々となり、まさに日本の雪国の早春を告げる妖精のような花。

キンポウゲ科ミスミソウ属(Hepatica)の園芸名として知られ、日本にも数種が自生。
丈夫であるため鉢植えなどでも楽しめ、ガーデニング愛好家にも人気があります。
また、庭木としてだけでなく、色とりどりの群生の美しさも格別。
早春、木立の中で愛らしい花々が咲き乱れ、お互いを引き立てながら調和しあう美しさは、出会った人々にすばらしい思い出を与えてくれることでしょう。

 新潟県の越後丘陵公園に咲く雪割草の見頃は3月下旬から4月中旬。
 埼玉県にある国営武蔵丘陵森林公園(東武東上線「森林公園駅」下車)内の植物園では
「雪国の妖精 雪割草展」が開催中。
 様々な雪割草の鉢植え展示と、この花に魅せられた芸術家によるデッサンや押し絵の展示、園芸講座などが行 われてます。3月6日(日)まで。


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ウィキペディアその他より。
掲載中の内容はキンポウゲ科・サクラソウ科とございすが、検討しなくてはならないところです。
開花の時期のずれは地方によるものと思われます。
必要に応じて加筆・訂正致します。



ローズマリー

2014年02月19日 19時28分10秒 | 花の神話と伝説

別 名  「迷迭香(まんねんろう)」「万年蝋(マンネンロウ)」
     「迷迭香(メイテッコウ)」



花言葉 「思い出」「記憶」「再生」「静かな力強さ」「私を思って」
     「誠実」「親切」
フランスの花言葉では「あなたが来てくれたので私の悩みが消え去った」


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・数あるハーブの中でも、とりわけ強い薬効とその秀でた香りで、ラベンダー等とならび代表的な香草、ローズマリー。
・シソ科の多年草で、青や紫を中心とした花色は、白やピンクに近い種類もありますが、このお花のイメージは、美しい青色。
そのせいか、属名のRosmarinusも、ラテン語で「海のしずく」を意味しています。
・ローズマリーの薬効は、特に女性の強い味方として古くから数々のエピソードを通じ、称えられてきました。
名前の由来
・「Rosmarinus」はラテン語で「海の露」という意味で、
ローズマリーが海に向かった断崖によく咲く事からきています。
・「officinalis」は、「薬用の」という意味です。
現在の「rosemary」(聖母マリアのバラ)という名前の由来はよくわかっていません。

・ローズマリーは料理にも多く用いられます。
ウスターソースの添加料の一種で、スパイスとしてスープにも入れられ、花から採った蜂蜜は、最上品とされます。
葉から採った精油は迷迭香と呼ばれ、香料や石鹸の原料にされます。

・ローマでは、花の香りが死体を永く保存すると信じられており、ローズマリーを葬式の花として使用 しました。
また、この花の香りは記憶力や思い出の力を強めると信じられました。
・現在のイギリスでも、ローズマリーの枝を墓穴におろした棺の上にのせる慣習があるようです。
・アメリカの作家のバーナード・ショーは、「ローズマリーを自分の棺に入れるように」と遺言状に書いたことで有名です。

・ローズマリーは思い出と記憶のシンボルとされ、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」にも「ローズマリーは思い出のための花」とあります。

・聖母マリアの神木ジュニパーに似ているために、バラの元祖えあるという言い伝えがあります。
・スペインでは、ローズマリーはもともと白い花を咲かせていたが、聖母マリアが青いマンとをかけてからは青い花になった、
・イエズスキリストの身長より長く伸びない、33歳で亡くなったイエズスキリストと同じ33年経つとそれ以上生長しない、
・女神ヴィーナスと同じく海から生まれたとして愛が叶う、
・魔よけやお守りの木として身につけたりドアノブに掛ける、などの言伝えがあります。
・ 記憶、友情、愛情のシンボルとして古くから利用されていたハーブで、古代ギリシャでは記憶力の増強に用いられました。
・ハンガリー水は、ローズマリーで作られ、ハンガリーのエリザベス女王が恋した若い男性のために美しくなりたくて用いました。
・ 教会では香として焚き、お葬式では棺の上に置いたり、結婚式では花嫁に編みこんだ冠として利用されています。
日本には中国を経由して、江戸時代の末期に渡来しました。

・独特の強い芳香には、記憶力を高める・若返りなどの薬効がある。

・また、抗酸化作用・活性酸素除去作用が高いとされるポリフェノールを多く含み、花粉症の症状を和らげる作用も期待されております。

・文学作品や戯曲、詩や歌にも多く登場している植物。
サイモン&ガーファンクルの名曲「スカボロー・フェア」の歌詞「ローズマリー」は、この花のこと。
・学名は、「海のしずく」を意味する単語。

ローズマリーは、地中海沿岸地方原産(地中海沿岸の白亜質で石灰に富む丘陵地帯)で、シソ科に属する常緑性低木。
生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。
また精油は薬にも用いられる。
花も可食。

属名Rosmarinusは「海のしずく」を意味しております。
愛や貞節の象徴とされております。
様々な品種があり、立性と匍匐(ほふく)性種に分かれる。
花の色は、青から紫色のものがほとんどだが、白や桃色のものもあります。
活性・薬効
消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用があり、肉の鮮度を長持ちさせることからヨーロッパでは古くから肉料理にしばしば使われております。
カレーやポトフ、アイントプフ等のスパイスとして利用されます。
また、抽出物(精油ではない)には、高い消臭効果があることが知られており、商用消臭剤にもしばしば応用される。
ドイツコミッションEモノグラフ収載ハーブ。炎症抑制効果、血行改善効果があり、外用によりリューマチなどの関節炎、内用では消化不良に対して使用されております。
育毛効果:複数のハーブと組み合わせた使用で育毛効果があることが知られているが、これは、5αリダクターゼ阻害作用、血行促進作用、炎症抑制作用などに起因すると考えられる。
記憶力を改善する作用:主成分であるカルノシン酸には、神経細胞の維持に重要な役割を果たす神経成長因子の生成を高める効果があることも報告されております。
軽度のアルツハイマー型痴呆症患者に対しては症状が改善する可能性のある報告がされております。
ロズマリン酸には、花粉症の症状を和らげる作用があることが知られております。
カルノシン酸、カルノソールには、生体防御機構を活性化させる作用があり、解毒作用を高めます。
安全性
香辛料としての使用量程度であれば問題はないが、人に対し医療目的で大量使用した場合の薬効作用に関しては、信頼のおけるデータはありません。
次の事象が知られております。
月経刺激作用や子宮刺激作用があります。
外用により光過敏症、発赤、皮膚炎を起こす恐れがあります。
アレルギー性接触皮膚炎を起こす恐れがある。
妊娠中および授乳中の外用使用に関して、安全性は確認されておりません。
主要成分のロズマリン酸は抗菌作用を示しますが、活性酸素生成能も示すことから、酸素、金属イオンと共存した場合に細胞毒性を示す可能性が示唆されております。
動物実験
カルノシン酸を投与することによって、脳梗塞による壊死を予防することができることが確認されており、アルツハイマー病やパーキンソン病への効果も期待されます。
成分
テルペノイド、フラボノイド、カフェタンニン類からなる多様なポリフェノールを含みます。
主要成分
ロズマリン酸 (rosmarinic acid)
カフェ酸 (caffeic acid)
クロロゲン酸 (chlorogenic acid)
ゲンクワニン (genkwanin)
ルテオリン (luteolin)
カルノシン酸 (carnosic acid)
カルノソール (carnosol)
ロスマノール (rosmanol)
ウルソール酸 (ursolic acid)
オレアノール酸 (oleanolic acid)
ベルベノン (verbenone)
α-ピネン (alpha-pinene)など。
《基本情報まとめ》(Rosemary)
シソ科 常緑低木
原産地 地中海沿岸
高さ 20センチ~2メートル前後(立性種と匍匐(ほふく)性種がある)
花期 3~5月、9~11月
花色 青紫、白、ピンク・紫蘇(しそ)科のハーブ。
・学名
  Rosmarinus officinalis
   Rosmarinus :ロスマリヌス属
   officinalis : 薬効のある
 Rosmarinus(ロスマリヌス)は、
 ラテン語の「ros(露)+ marinus(海の)」が語源。
 海岸近くに生えていることから。
・地中海沿岸原産。
・青紫色の小さい花。
 冬から春にかけて開花。
・葉は細長い。
・芳香あり。
・薬用、香料用に栽培される。
・5月9日の誕生花

別名「迷迭香(まんねんろう)」の由来
 葉っぱが冬も緑色で あることから「万年朗(まんねんろう)」
 の漢字で表現されたこともありますが、中国での呼び名の「迷迭香」が
 そのまま漢字表記として適用され、読み方のほうは「まんねんろう」のまま残って
 「迷迭香(まんねんろう)」になったようです。

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ウィキペディア その他より
必要に応じて加筆・訂正致します。



スノードロップ

2014年02月17日 21時02分55秒 | 花の神話と伝説

別 名  「待雪草(まつゆきそう)」「雪の花(ゆきのはな)」 
     「ガランサス」(Snowdrop・Galanthus)

※冬に咲く、白い雪のような花をそれぞれの国で、美しく表現されています。

スノードロップとは「雪のしずく」
イギリスは「2月の美しい少女」
フランスは「雪を貢ぐもの」「冬の求婚者」
イタリアは「初物」
ドイツは「小さな雪の鐘」
オランダは「白いスミレ」
スペインは「小さな白い鐘」 



花言葉 「希望」「慰め」「まさかのときの友」「初恋のため息」
    「友情」「逆境の中の希望」「悲しみの中に浮かぶ希望」
    「恋の最初のまなざし」

季語  「初春」

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・草丈は七センチから十五センチくらい。
 二月から三月にかけて、細長い二枚の葉の間から花茎をのばし、頂
点に釣鐘状の白い花を下向きに一つ咲かせる。
・スノードロップは1本の花茎に1輪、白い花びらに緑色の斑点が特徴です。
・可憐な花からは想像もできないほど寒さに強く、雪解け間近の土の中から
新芽を出し花を咲かせます。

・スノードロップ (snowdrop) は、
ヒガンバナ科ガランサス属(Galanthus、スノードロップ属、マツユキソウ属)の総称。
ガランサスとも呼ばれております。

マツユキソウ(待雪草)ということもありますが、マツユキソウはガランツス属の1種 Galanthus nivalis (common snowdrop) の和名です。

北米では希に、キンポウゲ科アネモネ属のAnemone quinquefolia をsnowdropと呼ぶことがあります。
また、エゴノキ科ハレーシア属 Halesia をsnowdrop treeと総称することがあります。

スノーフレークは名前が似ているが別属

特徴
・球根で育ちます。
種子から育てることもできますが、花が咲く大きさの球根に育つまで数年かかります。

・冬の終わりから春先にかけ花を咲かせ、春を告げる花として知られております。

・花は白で、3枚ずつの長い外花被と短い内花被を持つ六弁花。
いくつかの種では内花被に緑色の斑点があります。

・修道院の跡地などに自生していることが多い。
スノードロップは聖燭節との関係が深く、修道院の庭でよく育てられておりました。

・聖燭節の日にスノードロップをボウルに集積して家に持ち帰ると家が清められるという言い伝えがあります。
・イギリスのヘリフォード・ビーコン近隣で伝わっている自生地はイギリスとされておりますが、修道僧がイタリアから持ち帰ったものが定着したとも考えられております。
一方で、イギリスなどでは色が死に装束を連想させる事から死の象徴として嫌われる事もあります。

・エデンを追われたアダムとイヴをある天使が励ました際、降っていた雪を天使がスノードロップに変えたという伝説があります。
・ドイツには、雪が自らに色が無いため色を分けてくれるように花に頼んだが拒まれ、唯一それに応じたのがスノードロップだった、という言い伝えがあります。

・ロシアの詩人マルシャークの『森は生きている』は、少女が大晦日に継母からこの花を探して摘んで来るように、という無理難題を言い付けられたのが話の始まりです。

・夜になると花を閉じ、昼間吸収した温かい空気を保管します。

栽培
耐寒性は強いが、土壌を選びます。
分類
約20種が属します。
よく知られた種は Galanthus nivalis (common snowdrop)。
文化
1月1日16日などの誕生花
参考文献
アリス・マーガレット・コーツ「花の西洋史事典」(八坂書房)

【基本情報まとめ】
・彼岸花(ひがんばな)科。
 ・学名
  Galanthus nivalis
   Galanthus : ガランサス属
   nivalis : 雪の時期の
   Galanthus(ガランサス)は、ギリシャ語の
   「gala(乳)+ anthos(花)」が語源。 
・ヨーロッパ地方原産。
・早春の頃、変わった形の花が咲きます。
 3枚の白い花弁と真ん中に緑色の芯。
・球根草。

神話&伝説
・アダムとイブは 誘惑に敗け禁断の実を食べて エデンの園から追放されます
たべるものにも、住むところにも困らなかった あたたかい 最高の楽園・・・
その外の世界は、雪が降り、ただただ寒く 食べ物もありません。
その寒さと 先の見えない状況に2人は嘆き悲しみ 絶望します。
そんな2人の前に天使が現れます
天使は2人を 優しく慰め そっと雪に 手をふれます
すると、それは地に落ちて溶けたしずくが、春の兆しの
スノードロップという花になったそうです。

「冬は過ぎ去り、やがて あたたかい春が来る」
そんな天使の慰めのことばから、
「慰め」と「希望」という花言葉がうまれました

ドイツの言い伝えでは、
「雪にははじめ色がなく、花たちのもとを訪れて、色を分けてくれるように頼みました。 しかしどの花もそれを拒み、ただスノードロップだけが自分の花の色を分け与えました。
雪はそれに感謝し、スノードロップに春一番の花を咲かせる栄光を約束しました」。
それ以来、冬になると他の花は みんな枯れてしまいますが、スノードロップだけは、
雪の降る地面にも、美しく白い花を咲かせているそうです
美しい白が 純潔のイメージにぴったり ということで、純潔の象徴とされ
「聖母の花」にもなりました。
この純潔のイメージから、
「初恋のため息」という花言葉がうまれました

ロシアの詩人・劇作家のマルシャークによる童話劇『森は生きている』には、春の象徴のような花として登場します。主人公の少女は継母に言い付けられ、咲いているはずもない大晦日にスノードロップの花を摘んでくるように言い付けられます。森の中で出会った12の月の精に助けられ少女は幸運をつかみます。

★スノードロップは、聖母の花としてキリスト教の聖燭祭(2月2日・聖母御潔めの祝日)には祭壇に撒かれ、純潔の象徴とされました。
その一方でイギリスなどでは、「花の色が死装束を連想させる」ため死の象徴として嫌われることもあるようです。
このために人に贈ってはいけないなどとも言われておりますので、気にする方に対しては注意が必要です。
 人に贈ると「あなたの死を望みます」という意味に変わります。
イギリスの昔話で、恋人の死を悼んだ女性が、送った花だった(すると恋人は雪の一片になった?)という話もあったと思います。

風習
西洋では、2月2日の聖燭節にスノードロップを聖母マリアに捧げます

イギリスのある地方では、2月2日にスノードロップを籠一杯摘んで
家を清める風習あるそうです

スコットランドでは、お正月が来る前にこの花を見つけると
翌年、幸せになると言われています

ヨーロッパ アジア原産でヒガンバナ科の球根植物です
待雪草とも呼ばれ白く覆われた冬の野に雪の雫のように咲き
ある伝説では、雪の生まれ変わりと言われています。

名前の由来
天使が雪に触れて花になった説から


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ウィキペディア その他より掲載
必要に応じて加筆・訂正致します。



ヒヤシンス

2014年02月16日 04時58分14秒 | 花の神話と伝説
別 名  【風信子】【飛信子】



花言葉    「しとやかなかわいらしさ」「初恋のひたむきさ」「スポーツ」
       「遊び」「愛らしさ」「悲哀」「心静かな愛」
(ピンク)  「しとやかなかわいらしさ」
(白)   「心静かな愛」「控えめな愛らしさ」
(赤)   「嫉妬」
 (紫)   「初恋のひたむきさ」
(濃紫)  「悲哀」「競技」
(黄)   「勝負」「あなたとなら幸せ」

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ヒヤシンス(風信子、飛信子、学名:Hyacinthus orientalis)は
ユリ科(APG植物分類体系ではヒヤシンス科若しくはクサスギカズラ科)の球根性多年草。
ヒアシンスとも表記します。
耐寒性秋植え球根として扱われ、鉢植えや水栽培などで観賞され、
春先に香りのよい花を咲かせます。
特徴
地中海東部沿岸からイラン、トルクメニスタン付近の原産。
オスマン帝国で栽培され園芸化されました。
スルタンムラト3世は1583年に山地から5万本のヒアシンスをイスタンブールに集めさせたといわれております。
16世紀前半にはヨーロッパにもたらされ、イタリアで栽培されておりました。
16世紀末にはイギリスに伝来し、フローリスト(園芸愛好家)に注目され、18世紀から19世紀にかけて盛んに育種が行なわれ、数百の品種が作られました。

日本には1863年に渡来。
しかしイギリス系のヒヤシンスは20世紀初頭に衰退し、現在は品種もほとんど残っておりません。
これとは別に、現在普通に栽培されるのは地中海北東部原産のダッチヒヤシンスで、18世紀から主にオランダで改良され2,000以上の栽培品種が作出されました。
これは1本の茎に青、紅、白、淡黄色などの花を多数つけます。
また、ローマンヒヤシンス(H. orientalis var. albulus)と呼ばれる変種があり、耐寒性はあまり強くなく、やや小さい青や白の花をつけます。

ヒヤシンス属にはこのほかに、H. litwinowii 、H. transcaspicus の2種があります。
ただしH. litwonowii とH. transcaspicus を別属Hyacinthella に移し、Hyacinthus を本種1種のみとする説もあります。
ヒヤシンスに似た同科のムスカリ(Muscari spp.)は小さいブドウの房状の花序を付け、別名ブドウヒヤシンスとも呼ばれ、よく栽培されております。

花言葉の由来
ギリシャ神話とヒヤシンス そして花言葉
・ヒアシンスの名は、ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスに由来します。
同性愛者であった彼は、愛する医学の神アポロン(彼は両性愛者であった)と一緒に円盤投げに興じていた(古代ギリシャでは同性愛は普通に行われ、むしろ美徳とされていた)。

しかしその楽しそうな様子を見ていた西風の神ゼピュロス(彼もヒュアキントスを愛していた)は、やきもちを焼いて、意地悪な風を起こした。その風によってアポロンが投げた円盤の軌道が変わり、ヒュアキントスの額を直撃してしまった。アポロンは医学の神の力をもって懸命に治療するが、その甲斐なくヒュアキントスは大量の血を流して死んでしまった。

ヒアシンスはこの時に流れた大量の血から生まれたとされる。
このエピソードから花言葉は「悲しみを超えた愛」となっております。

同じ内容でも少し別の側面からの花言葉のいわれ
ギリシャ神話にヒヤシンスにまつわる悲しい恋の話があります。
美少年ヒアキントスは太陽神アポロンと西風神ゼフロス2人の魅力的な神に愛されていましたが、ヒアキントスはアポロンの方に惹かれていました。

ある日アポロンとヒアキントスが円盤投げをしていたところ、それを見て嫉妬したゼフロスが強い西風を吹きました。アポロンの投げた円盤はヒアキントスの額にぶつかり、額が割れて血が流れました。アポロンは「私が替わりに死にたい。アイ、アイ(悲しい、悲しい)」とヒアキントスを抱いて叫びました。

すると血に染まった草花から、一本の紫色のヒアシンスの花が咲いたということです。ギリシャ語で「アイ」とは悲哀を表す言葉「アエイ」に似ているので、ヒヤシンスの花は悲哀と思い出を表し、花言葉「スポーツ」「ゲーム」「私は悲しい」が生まれました。

【基本情報まとめ】
・百合(ゆり)科。
・学名
  Hyacinthus orientalis
   Hyacinthus : ヒヤシンス属
   orientalis : 東方の
 ・ギリシャ地方原産。
 16世紀にヨーロッパに渡り、日本には1863年頃に、
 フランスからチューリップとともに渡来しました。
・甘い香り。
・「風信子」「飛信子」という和名あります。
 香りが風によって運ばれるさまを表している。
 「飛信子」なんかは「ヒヤシンス」の音からの当て字かと思う。
・色は青、ピンク、赤など。
 黄色もあります。
・3月1日、4月6日の誕生花

入手出来る時期

12~5月、12~3月(苗)
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ウィキペディア その他より
必要に応じて、加筆・訂正致します。

クロッカス

2014年02月13日 22時01分11秒 | 花の神話と伝説
別 名  野生種「花サフラン」



花言葉 「信頼」「青春の喜び」

(黄) 「私を信じて」「切望」「私を信じよ」「悪口をいうな」「焦燥」「青春の喜び」「歓喜」
(紫) 「愛したことを後悔する」「愛して後悔する」
(空) 「心配ながら信じる」
(赤) 「愛しすぎる心配」

「青春の喜び」「あなたを待っています」「楽しみ」
「切望」「羨望」「歓喜」「私を信じて下さい」「若返り」
「あなたを信じながらも心配です」「信頼」
「裏切らないで」「焦燥」「じれったい」
「悪口をいうな」「堅実」「不幸な恋」

季 語 初春


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【基本情報】
アヤメ科 球根植物
原産地 地中海沿岸・小アジア・ヨーロッパ
草丈 10センチ前後
花期 2~4月
花色 白、黄色、紫、絞り(白と紫)
クロッカス (Crocus) は、アヤメ科クロッカス属の総称、
または、クロッカス属の内で花を楽しむ園芸植物の流通名。

特徴
・耐寒性秋植え球根植物。
・原産地は地中海沿岸から小アジア。
・晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、
 クロッカスは早春に咲き、観賞用のみに栽培されるため、春サフラン、
 花サフランなどと呼ばれております。
・球根は直径4cmくらいの球茎で、根生葉は革質のさやに覆われておりますが、細長く、花の 終わった後によく伸びます。
 花はほとんど地上すれすれのところに咲き、黄色・白・薄紫・紅紫色・白に藤色の絞りなど があります。
・植物学上は、クリサントゥスCrocus chrysanthusを原種とする黄色種と、
 ヴェルヌスC. vernusを原種とする白・紫系の品種とは別種ですが、
 園芸では同一種として扱われ、花壇・鉢植え・水栽培に利用されております。
・甘い芳香をもっております。
・江戸時代に渡来しました。
栽培
球根の植え時は10月から11月で、花壇に植えるときは15cm間隔に植え付け、
8 - 10cmくらい覆土します。
鉢植えは、6寸鉢に6 - 7球が適当で、球根が2cmくらい土をかぶるように植えます。
寒さに強く、日当たりと水はけの良いところなら、植えっぱなしでもよく生育するほど丈夫です。
花後葉が伸びて醜くなりますが、そのままにしておき、葉が半分くらい黄ばんできたら掘り上げて分球し、乾いた風通しの良いところで貯蔵します。
開花した花に水がかかると溶ける様に縮んで萎れてしまう為、水やりの際はくれぐれも注意が必要です。

・文目(あやめ)科。
・学名Crocus vernus
   Crocus : サフラン属
   vernus : 春咲きの
 Crocus(クロッカス)は、ギリシャ語の「croke(糸)」から。
 めしべが糸状に長く伸びることに由来します。
 また、神話上の青年の名前に由来する、との説もあります。

・開花時期は、 2/ 5 ~ 3/10頃。
・球茎の代表的な種類。
・白、黄、青、紫など、いろんな色の品種があります。
・葉は松葉のように細く、真ん中に白い筋が入っております。
・1月4日、2月6日の誕生花。

名前と花言葉の由来
・名前は、雄しべの先が糸のように見えることから、「糸」を意味するギリシャ語からきております。
(ギリシャ神話)
・美青年クロッカスは、羊飼いの娘と恋仲だったが、神々の反対にあい、悲嘆のあげく自殺してしまう。
あわれに思った花の神フローラは、彼の亡骸をこの花に変えのした。
「愛したことを後悔する」という花言葉は、この伝説にちなむと考えられております。
・ヘルメスには美しい婚約者がいました。ある冬の日、2人は谷の近くで遊んでいましたが、風が強くなって急いで帰らなければと思い、そりで帰ろうとしました。
ところが、婚約者がそりに乗り、ヘルメスが次に乗ろうとしたとき、そりは谷底に落ちてしまいました。彼の婚約者を乗せたまま。 大慌てで谷底に降りたヘルメスが見たのは、ばらばらになったそりと、血を流して死んでいる女性の姿でした。彼は彼女を生き返らせようとしましたが、現実とは非常に冷酷なもので、彼女は永遠に息を吹き返す事はありませんでした。
 翌年、ヘルメスがその谷底にやってくると、婚約者が死んでいた場所に可愛らしい花が咲いていました。ヘルメスは婚約者の名前を取って、その花に「クロッカス」と言う名前をつけてあげました。

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ウィキペディア・その他より
必要に応じて、加筆・訂正致します。

椿

2014年02月09日 21時48分45秒 | 花の神話と伝説


花言葉 「完全な愛」「完璧な魅力」「女性らしさ」「誇り」「謙遜」
    「控えめなやさしさ」「美徳」「おしゃれ」「理想の恋」「理想の愛」
    「私は常にあなたを愛します」

赤・・・「気取らない優美」「気取らない魅力」「気取らない美しさ」
    「見栄を張らない」「自然の美徳」「慎み深い」
    「控え目な美徳」「控えめな愛」「高潔な理性」
白・・・「最高の愛らしさ」「申し分のない魅力」「申し分のない愛らしさ」
    「理想の愛」「至上の美」「理想的な愛情」「冷ややかな美しさ」
    「控え目な愛」「素晴らしい魅力」「誇り」

「花椿」は春の季語であるが、「寒椿」「冬椿」は冬の季語。

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・原産地 日本
・中国でオリエンタルなイメージ。

・日本では、万葉集の頃から知られており、室町時代には茶花として観賞されてきました。

小さいながらも鮮やかな赤や白い花と黄色い花粉の色調が日本らしく、着物などの柄にも使われております。

植え付けは6~7月、庭木や鉢植え、生垣などでも育てられます。

開花時期は2~4月、その後春の植え替えの時期に剪定して形を整えます。

・椿の花はがくの部分から花が丸ごと落ちます。
それが首が落ちるイメージということから、入院中のお見舞いには持っていかない、武士はそのイメージから嫌い、競走馬も不吉なイメージなので名前に「ツバキ」を避けるなど、花言葉の優美さとはちがう印象も与えます。

・8月ごろには実がはじけ、種が落ちます。
その種から採取される植物性油脂「椿油」は、食用以外にも薬用、化粧品などに使用されております。

資生堂シャンプー「TSUBAKI」は、古来からの毛髪保修成分である椿油に着目してできた製品。

女性の黒髪をつややかにするのと、花言葉のイメージが重なって人気です。

ツバキは1月25日、2月3日、4日、11月11日、12月10日が誕生花。

誕生日に椿を贈るのも乙ですが、花が咲いていない11月、12月の誕生日の方なら「TSUBAKI」の贈り物も良いですね。

日本原産。
・本州から南の海岸地帯には「ヤブツバキ」、
 山形・新潟の山中には「ユキツバキ」が自生します。

【基本情報】
ツバキ科 常緑低木または高木
原産地 日本
高さ 15メートル(ヤブツバキ)、1~2メートル(ユキツバキ)
花期 12~4月(ヤブツバキ)、4~5月(ユキツバキ)
花色 赤、白、ピンク、絞り

科名・分類:ツバキ科 常緑低木
原産:日本・朝鮮半島・中国・東南アジア
花期:10~3月
誕生花:1月25日、2月3日、4月29日

【伝 説】
日本原産のツバキが、ヨーロッパにもたらされたのは18世紀半ばで一大ブームを
巻き起こし、デュマ・フィスが悲恋物語の長編小説のヒロインに椿姫と名づけて発表
しました。
娼婦マルグリットは、一ヶ月のうちに25日間は白いツバキを、あとの5日間は、赤い
ツバキを胸に飾って社交界に現れる歌姫であったが、純朴な良家の息子アルマン
の純真な愛情によって真実の恋に目覚め、二人は相思相愛の中で新生活に入った。
しかし、アルマンの父に妨げられたマルグリットは、自分が不誠実を働いたことにし
て彼のもとを去った。彼女の真情を知ったアルマンは、旅先から駆けつけたが、そ
のとき彼女は、もうこの世の人ではなかった。
小デュマのこの小説を題材としたのが、ヴェルディの有名な歌劇「椿姫」で、それ
ぞれにマルグリットはヴィオレッタに、アルマンはアルフレードとして登場する。

ツバキ(椿、海柘榴)またはヤブツバキ(藪椿、学名: Camellia japonica)
ツバキ科ツバキ属の常緑樹。照葉樹林の代表的な樹木。

・日本内外で近縁のユキツバキから作り出された数々の園芸品種、ワビスケ、中国・ベトナム産の原種や園芸品種などを総称的に「椿」と呼びますが、同じツバキ属であってもサザンカを椿と呼ぶことはあまりありません。
形態・生態
・常緑性の高木。
普通は高さ5–6mだが、樹高18m・胸高直径50cmにも達する例も知られております。
ただしその成長は遅く、寿命は長い。
・樹皮はなめらかで灰白色、時に細かな突起がまばらに出ます。
 枝はよくわかれます。
冬芽は線状楕円形で先端はとがり、円頭の鱗片が折り重なる。
鱗片の外側には細かい伏せた毛がある。鱗片は枝が伸びると脱落します。

・葉は互生、長楕円形から広楕円形、鋭尖頭(先端が突き出す)で、葉脚は広いくさび形、縁には鋸歯が並ぶ。葉質は厚くて表面につやがあり、濃緑色で裏面はやや色が薄い。

・花期は冬から春にかけてにまたがり、早咲きのものは冬さなかに咲きます。
サザンカとの見分け方
ツバキ(狭義のツバキ。ヤブツバキ)とサザンカはよく似ておりますが、次のことに着目すると見分けることができます。
(原種は見分けやすいが、園芸品種は多様性に富むので見分けにくい場合がある)。
・ツバキは花弁が個々に散るのではなく萼と雌しべだけを木に残して丸ごと落ちるが(花弁がばらばらに散る園芸品種もある)、
・サザンカは花びらが個々に散る。

・ツバキは雄しべの花糸が下半分くらいくっついているが、サザンカは花糸がくっつかない。
ツバキは、花は完全には平開しない(カップ状のことも多い)。
サザンカは、ほとんど完全に平開する。
・ツバキの子房には毛がないが(ワビスケには子房に毛があるものもある)、
 サザンカ(カンツバキ・ハルサザンカを含む)の子房には毛がある
・ツバキは葉柄に毛が生えない(ユキツバキの葉柄には毛がある)。
 サザンカは葉柄に毛が生える。

分布
日本原産。
日本では本州、四国、九州、南西諸島から、それに国外では朝鮮半島南部と台湾から知られる。本州中北部にはごく近縁のユキツバキがあるが、ツバキは海岸沿いに青森県まで分布し、ユキツバキはより内陸標高の高い位置にあって住み分けます。

下位分類
琉球列島から台湾のものをタイワンヤマツバキあるいは
ホウザンツバキ C. j. subsp. hozanensis としたこと、
あるいは屋久島のものは果実が大きく果肉が厚いことから
リンゴツバキ C. j. var. macrocarpa として分けたこともあるが、
それぞれに中間型もあり、分けないことも多い。
ユキツバキは種内変異として変種ないし亜種とされたこともあるが、別種との扱いもあります。
花容による品種
花色
白斑の例白斑 - 星斑、雲状斑、横杢斑
覆輪 - 白覆輪、紅覆輪、底白
絞り - 吹きかけ絞り、小絞り、縦絞り、紅白絞り

花形
千重咲きの例

千重咲きの例。乙女椿(オトメツバキ)

獅子咲きのツバキ一重咲き - 猪口咲き、筒咲き、抱え咲き、百合咲き、ラッパ咲き、桔梗咲き、椀咲き、平開咲き
八重咲き - 唐子咲き、八重咲き、千重咲き、蓮華咲き、列弁咲き、宝珠咲き、牡丹咲き、獅子咲き

花の大きさ
極大輪 - 13cm以上
大輪 - 10-12cm
中輪 - 7-9cm
小輪 - 4-6cm
極小輪 - 4cm以下

地域による品種
江戸のツバキ徳川幕府が開かれると、江戸に多くの神社、寺院、武家屋敷が建設された。
それにともない、多くの庭園が営まれ、ツバキも植栽されていきました。
ことに徳川秀忠が吹上御殿に花畑を作り、多くのツバキを含む名花を献上させました。
これが江戸ツバキの発祥といわれる。
『武家深秘録』の慶長18年には「将軍秀忠花癖あり名花を諸国に徴し、
これを後吹上花壇に栽(う)えて愛玩す。此頃より山茶(ツバキ)流行し数多の珍種をだす」とあります。
権力者の庇護をうけて、ツバキは武士、町人に愛されるようになりました。
江戸ツバキは花形、花色が豊富で、洗練された美しさをもちます。
一重では清楚な「蝶千鳥」「関東月見草」「蜀紅」、唐子咲きでは「卜伴」。
八重では蓮華咲きの「羽衣」「春の台」「岩根絞」など。
上方のツバキ古来、都がおかれた上方でもツバキは古くから愛玩されてきました。

ことに江戸期には徳川秀忠の娘東福門院和子を中宮として迎えた後水尾天皇や誓願寺の安楽庵策伝などの文化人がツバキを蒐集した。
寛永7年(1630年)には安楽庵策伝によって「百椿集」を著した。
さらに寛永11には烏丸光広によって『椿花図譜』が著され、そこには619種のツバキが紹介されている。現在でも京都周辺の神社仏閣には銘椿が多い。
品種としては「五色八重散椿」「曙」「菱唐糸」など。
上方のツバキは変異の多いユキツバキが北陸から導入されたことと、京都、大坂の人々の独自の審美眼によって選抜されたことに特色がある。
尾張のツバキ江戸時代より名古屋を中心に育成されてきた品種群は、一重、筒咲き(または抱え咲き、椀咲き)、小中輪の茶花向きのものが多いのが特徴である。
「関戸太郎」「窓の雪」「紅妙蓮寺」「大城冠」などがあるほか、名古屋好みの豊満な花容のものもある。
近隣の三河、伊勢、美濃のものとあわせて「中部ツバキ」とも呼ばれている。
加賀のツバキ北陸各地に誕生したユキツバキ系の品種の京都の中継地として、この地は園芸の隆盛の大きな役割を果たした。
茶の湯のさかんな土地柄ゆえに茶花向けの品種が多く、旧家の庭に多くの銘木がある。
代表的な品種には「東方朔」「ことじ」「祐閑寺名月」などがある。
富山、越後のツバキユキツバキの自生地であることから、変化に富んだ選抜品種や、ヤブツバキとの交配によるユキツバキ系の品種が古くから栽培されてきた。
氷見市老谷の「さしまたの椿」のような巨木も多い。
代表的な品種に「大日の暁」「雪白唐子」「栃姫」「千羽鶴」など。
山陰のツバキ「つばきのふるさと」と言われるほどの自生地の多い地域である。
古くから品種改良が盛んで、ことに江戸期松江藩がおかれてから盛んになり松平不昧は各地からツバキを集めた。萩から松江にかけて清楚な一重咲きが作られ愛好されている。代表的な品種は「花仙山」「意宇(おう)の里」「角(すみ)の光」など。
久留米のツバキ肥後のツバキ肥後椿(ひごつばき)は、肥後・熊本藩の大名だった細川家にて、育種・保存されていた系統で、かつては門外不出であったが、現在では苗木が販売され、愛好者が多い。鉢植え・盆栽として栽培され、花は大輪一重で、梅蕊(ばいしん)咲きという花形で、花の中心から多数のおしべが放射状に広がり、赤・白・ピンクやその絞り咲きの花の色と、黄色のおしべとのコントラストが非常に美しい。肥後六花の一つ。

人間との関わり
ツバキの花は古来から日本人に愛され、京都の龍安寺には室町時代のツバキが残っている。
他家受粉で結実するために変種が生じやすいことから、古くから品種改良が行われてきた。

江戸時代には江戸の将軍や肥後、加賀などの大名、京都の公家などが園芸を好んだことから、庶民の間でも大いに流行し、たくさんの品種が作られた。
茶道でも大変珍重されており、冬場の炉の季節は茶席が椿一色となることから「茶花の女王」の異名を持つ。
また、西洋に伝来すると、冬にでも常緑で日陰でも花を咲かせる性質が好まれ、大変な人気となり、西洋の美意識に基づいた豪華な花をつける品種が作られた。

花が美しく利用価値も高いので、『万葉集』の頃からよく知られたが、特に近世に茶花として好まれ、多くの園芸品種が作られた。美術や音楽の作品にもしばしば取り上げられている。

17世紀にオランダ商館員のエンゲルベルト・ケンペルがその著書で初めてこの花を欧州に紹介した。後に、18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ジョセフ・カメルはフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿にカメルという名前をつけ、ケンペルの記載に基づきジャポニカの名前をつけた。19世紀には園芸植物として流行し、『椿姫』(アレクサンドル・デュマ・フィスの小説、またそれを原作とするジュゼッペ・ヴェルディのオペラ)にも主人公の好きな花として登場する。

落椿(おちつばき)

水路の落椿
ツバキの花は花弁が個々に散るのではなく、多くは花弁が基部でつながっていて萼を残して丸ごと落ちる。それが首が落ちる様子を連想させるために、入院している人間などのお見舞いに持っていくことはタブーとされている。この様は古来より落椿とも表現され、俳句においては春の季語である。なお「五色八重散椿」のように、ヤブツバキ系でありながら花弁がばらばらに散る園芸品種もある。

呼称
和名の「つばき」は、厚葉樹(あつばき)、または艶葉樹(つやばき)が訛った物とされております。

「椿」の字の音読みは「チン」で、椿山荘などの固有名詞に使われたりする。なお「椿」の原義はツバキとは無関係のセンダン科の植物チャンチン(香椿)であり、「つばき」は国訓、もしくは、偶然字形が一致した国字である。歴史的な背景として、日本では733年『出雲風土記』にすでに椿が用いられている。その他、多くの日本の古文献に出てくる。中国では隋の王朝の第2代皇帝煬帝の詩の中で椿が「海榴」もしくは「海石榴」として出てくる。海という言葉からもわかるように、海を越えてきたもの、日本からきたものを意味していると考えられる。榴の字は、ザクロを由来としている。しかしながら、海石榴と呼ばれた植物が本当に椿であったのかは国際的には認められていない。中国において、ツバキは主に「山茶」と書き表されている。「椿」の字は日本が独自にあてたものであり、中国においては椿といえば、「芳椿」という東北地方の春の野菜が該当する。

英語では、Camellia japonica と学名がそのまま英語名になっている珍しい例である。

用途

Camellia japonica材木ツバキは生長すると樹高20mほどになるが、
日本のツバキの大木はほとんど伐採され、最後の供給地として屋久島からも切り出されたが、現在では入手の難しい材である。大木は入手しにくいので、建築用にはあまり使われない。
木質は固く緻密、かつ均質で、木目は余り目立たない、摩耗に強くて摩り減らない等の特徴から、工芸品、細工もの等に使われる。

代表的な用途は印材や将棋の駒で、近年は合成材料の判子が多くなったが、椿材は、つげ材に次ぐものとして、安価な印鑑などに利用されていた。
平成20年度税制改正により、法人税等の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」が改正され、別表第四「生物の耐用年数表」によれば、平成20年4月1日以後開始する事業年度にかかるつばき樹の法定耐用年数は25年となった。木灰日本酒の醸造には木灰が必要で、ツバキの木灰が最高とされている。また、アルミニウムを多く含むことから、古くは染色用にも用いられた。しかし、ツバキが少ないため、灰の入手は難しい。木炭ツバキの木炭は品質が高く、昔は大名の手焙りに使われた。
椿油椿油は、種子(実)を絞った油で、用途の広さは和製オリーブオイルとも言える。
高級食用油、整髪料として使われるほか、古くは灯りなどの燃料油としてもよく使われた。
ヤブツバキの種子 から取る油は高価なため、同じくツバキ属の油茶などから搾った油もカメリア油の名で輸入されている。
また、搾油で出る油粕は川上から流して、川魚、タニシ、川えび等を殺すのに使われた。

薬用葉のエキスが止血薬になる。特に朝廷では毒消し(悪魔祓い)として祭事が行われた。その祭祀司を稲幡と言う。

花以外の観賞
ツバキは葉や枝も観賞の対象になる。


斑入りの園芸品種「越の吹雪」。覆輪または散り斑が入る

ウイルス斑の例
江戸時代には好事家たちが、葉の突然変異を見つけ出し、選抜育成して観賞した。
錦魚葉(金魚葉と書かれることもある)

梵天葉
百合葉・孔雀葉
鋸葉・柊葉・やすり葉・銀葉などの鋸歯の鋭い細葉
斑入り(ウイルスの感染により葉に斑のような模様が入ることもあるが、ツバキ園芸においてはこれは園芸品種として区別されていない)

弁天葉
盃葉
桜葉・枇杷葉


雲龍(三河雲龍、三原雲龍、紀州雲龍など)
枝垂れ(孔雀椿など)

文化
ツバキは『日本書紀』において、その記録が残されている。景行天皇が九州で起こった熊襲の乱を鎮めたおり、土蜘蛛に対して「海石榴(ツバキ)の椎」を用いた。これはツバキの材質の強さにちなんだ逸話とされており、正倉院に納められている災いを払う卯杖もその材質に海石榴が用いられているとされている。733年の『出雲風土記』には海榴、海石榴、椿という文字が見受けられる。しかし、これらが現在のツバキと同一のものであるかについては議論の余地がある。

『万葉集』において、ツバキが使用された歌は9首あるが、サクラ、ウメといった材料的な題材と比較すると数は多くない。『源氏物語』においても、「つばいもち」として名が残されている程度であり、室町時代までさほど芸術の題材として注目された存在ではなかった。しかし、風雅を好む足利義政の代になると、明から椿堆朱盆、椿尾長鳥堆朱盆といった工芸品を数多く取りよせ、彫漆、螺鈿の題材としてツバキが散見されるようになった。また、豊臣秀吉は茶の湯にツバキを好んで用い、茶道においてツバキは重要な地位を占めるようになる。江戸時代に入ると、二代目将軍徳川秀忠がツバキを好み、そのため芸術の題材としてのツバキが広く知られるようになった。この時期、烏丸光広、林羅山が相次いで『百椿図』を描き、絵画、彫刻、工芸品へツバキが定着する。また、ツバキの栽培も一般化し、園芸品種は約200種にも及んだ。


伝承
年を経たツバキは化けるという言い伝えが日本各地に残る。新潟の伝説では、荒れ寺に現れる化け物の正体が椿の木槌であったり、島根の伝説では、牛鬼の正体が椿の古根だったという話がある。

忌避
馬の世界においても落馬を連想させるとして、競馬の競走馬や馬術競技馬の名前としては避けられる。特に競馬では、過去にはタマツバキの様な名馬もいるが、1969年の第36回東京優駿(日本ダービー)で大本命視されたタカツバキが、スタート直後に落馬で競走中止するというアクシデントを起こして以降、ほとんど付けられることがなくなったとされている。

武士はその首が落ちる様子に似ているというのを理由にツバキを嫌った、という話もあるがそれは幕末から明治時代以降の流言であり、江戸時代に忌み花とされた記述は見付からない。
1600年代初頭には多数の園芸品種が流行。
1681年には,世界で初めて椿園芸品種を解説した書物が当時の江戸で出版される。

作品
音楽 『椿尽し』 地歌(箏曲) - 松島勾当作曲(18世紀中頃・歌詞にツバキ22品種を詠み込んだ手事物曲)
『玉椿』 地歌(箏曲) - 峰崎勾当作曲(18世紀後半・歌詞にツバキ16品種を詠み込んだ手事物曲)
『雪椿』 演歌 - 星野哲郎作詞・遠藤実作曲・斉藤恒夫編曲・小林幸子歌唱・1987年6月25日リリース

映画 『椿三十郎』 - 侍屋敷の泉水(遣水)に襲撃の合図として「椿」の花が流れてくる。

小説 『椿姫』 - 主人公の恋の始まりに椿の花が重要な小道具として使われる。
『人妻椿』 - 小島正二郎
『五瓣の椿』 - 山本周五郎


※切手割愛しました。

模造
プラスチックや布などで椿の花を象ったブローチ(一般にカメリアと呼ばれる)が作られ、女性の礼装で装飾として用いられる。

※自治体の木は割愛しました。数多あり。


脚注

参考文献
茂木透写真 「ヤブツバキ」『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、
山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、170-171頁。ISBN 4-635-07004-2。

薮椿 (やぶつばき)

(いろんな「椿」と、
「春山茶花」を掲載)

(Camellia)
・椿(つばき)科。
・学名
  Camellia japonica(薮椿)
  Camellia japonica
    var. decumbens(雪椿)
  Camellia vernalis
        (春山茶花)
   Camellia : ツバキ属
   japonica : 日本の
   decumbens : 伏した
   vernalis : 春の

 Camellia は、17世紀のチェコスロバキアの
 宣教師「Kamell カメル」さんの名にちなむ。 
椿はカメルさんが18世紀に東洋からヨーロッパにもたらしたことで広まった。
 英名でも「カメリア」と呼ぶ。
 
・開花時期は、 1/20 ~ 5/10頃。(薮椿)
・薮椿は日本特産。
・一般に「椿」といったらこの「薮椿」を指すようだ。
 一重や八重がある。園芸品種多数。
 「佗助(わびすけ)」などいろいろ種類がある。
・「古事記」では”都婆岐(つばき)”、
 「日本書記」には”海石榴(つばき)”の字で登場する。

(現在の奈良県桜井市金屋に、昔(奈良時代等)、「海石榴市(つばいち)」
  という市場があり、交通の要所ということもあり賑わった)。
 ”椿”の字は「万葉集」で初めて登場する。

・「つばき」の読み方の由来には 諸説あり。

 1.”光沢がある”意の古語
   「艶葉木(つやはき)」から。(葉は濃い緑色で光沢でピカピカ)。

 2.葉に厚みがある意味の「厚葉木」から。

 3.強い葉っぱの木の意味の「強葉木」から。

 4.落ちた花が、刀の鍔(つば)に似ており、「鍔木(つばき)」の名から。

 5.朝鮮名の「冬柏(つくばく)」の名から。

・現在はふつう「椿」の字で知られるが、この「椿」の字は
 日本で作られた字(春に花咲く)で
 中国では「椿」は、栴檀(せんだん)科の高木である「ちゃんちん」という木
 のことを指し漢名では日本の「椿」は「山茶花」と記す。
 (日本では「山茶花」は ”さざんか”で定着済。昔からの取りちがえ)

・椿の花が落下する瞬間を見たことがある。直径10cmぐらいの一花全体が、
 ドスンと一気に落ちる。

・「春山茶花(はるさざんか)」は、名前は「山茶花」だが、姿形は「椿」に近い。 
 花の開花時期も春先まで、と長い。
 しましま模様の「鎌倉絞り(かまくらしぼり)」
 という品種がよく知られるらしい。

★「椿(つばき)」いろいろ

 薮椿 もっともよく見かける椿。
    花は大きくやや筒型。
    花ごと散る。
    花びらは厚みがある。

 雪椿 日本海側の山地などに生える。
    全体的に薮椿によく似ている。
    花びらは平開し、
    花ごと散る。
    葉っぱのこまかい葉脈が目立つ。

 春山茶花 花、葉とも薮椿そっくり。
    花ごと散る。

 山茶花 花びらは平開し、
    1枚ずつ散る。
     葉は薮椿よりは小さい。

 寒椿 花は小さく八重が多い。
    1枚ずつ散る。
     葉は小さい。

 夏椿 咲く時期は夏。
    時期的に区別できる。

・幹は建材に利用され、陶器や漆器などの工芸品のデザインにも用いられる。
 種子から採れる、「椿油(つばきあぶら)」は、頭髪用などに利用される。
 また、椿の灰は紫染めの媒染に使われる。
・花びらは、てんぷらにして 食べられるらしい。

・伊豆大島の椿は昔から有名で、ここは太平洋上で気温が高いため
 1月中旬から見頃(椿祭り)。

・1月12日、2月14日、12月10日の誕生花(椿)

・薮椿の別名 「山椿」(やまつばき)。
・新潟県の県の木(雪椿)


・「あしひきの山つばき咲く八峯(やつを)越え
  鹿(しし)待つ君のいはひ妻かも」   万葉集

 「巨勢山(こせやま)のつらつら椿つらつらに
  みつつ偲(しの)はな巨勢(こせ)の春野を」万葉集 坂門人足
   (さかとのひとたり)

 「ちはやぶる伊豆のお山の玉椿八百万代も色はかはらじ」金槐和歌集 源実朝 

 「落(おち)ざまに水こぼしけり 花椿」 松尾芭蕉

 「赤い椿 白い椿と 落ちにけり」 河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)

 「昼の井戸髪を洗ふと葉椿のかげのかまどに赤き火を焚く(たく)」
   若山牧水(わかやまぼくすい)

 「ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に」 高浜虚子(たかはまきょし)
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必要に応じて、加筆・訂正致します。
取り合えずの掲載です。 







2014年02月07日 21時45分12秒 | 花の神話と伝説

別 名 【好文木(こうぶんぼく)】【春告草(はるつげぐさ)】
    【木の花(このはな)】【初名草(はつなぐさ)】
    【香散見草(かざみぐさ)】【風待草(かぜまちぐさ)】
    【匂草(においぐさ)】


花言葉 【高潔】【上品】【忍耐】【忠実】【独立】【厳しい美しさ】
    【あでやかさ】
(白) 【気品】   

季 語  【春】
【好文木(かうぶんぼく)】【花の兄】【春告草(はるつげぐさ)】
【野梅】【臥竜梅】【枝垂梅】【盆梅】【老梅梅林】【梅園】【白梅】

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バラ科。
中国原産。
日本には、薬として渡来したのがはじまりとされております。

左遷される主・菅原道真の後を追い、一夜にして京から太宰府まで飛んでいったという伝説がある太宰府天満宮のご神木「飛梅」は極早咲きの種類で、1月下旬から開花します。

台湾の国花

和歌山県・福岡県の県花
ウメ(梅、学名:Prunus mume、英:Japanese apricot)
バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のこと。
花芽はモモと異なり、一節につき1個となるため、モモに比べ、開花時の華やかな印象は薄い。
毎年2月から4月に5枚の花弁のある1センチメートルから
3センチメートルほどの花を葉に先立って咲かせます。
花の色は白、またはピンクから赤。
葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状。

果実
果実は2センチメートルから3センチメートルのほぼ球形の核果で、実の片側に浅い溝があります。
6月頃に黄色く熟します。
七十二候の芒種末候には「梅子黄(梅の実が黄ばんで熟す)」とあります。
梅には300種以上の品種があり、野梅系、紅梅系、豊後系の3系統に分類されます。
梅の実を採るのは主に豊後系です。
アンズの近縁種であり、容易に交雑します。
野梅系(やばいけい)の果実は小形であり、
果実を利用する豊後系(ぶんごけい)(肥後系(ひごけい)とも呼ばれます)
ではアンズとの交雑により大形化しております。
ただし、完熟しても果肉に甘味を生じることはありません。
特に未成熟の種子には青酸配糖体(Cyanogenic glycosides)が含まれ、
少量でも頻脈や血圧上昇の急性循環器系疾患となり、「梅は食べても実(さね)食うな、中に天神ねてござる」との諺があります。
現在[いつ?]、日本国内では100種類前後の実の収穫を目的とした梅の品種が栽培されておりますが、
特定の地域のみで栽培される地方品種が多く、国内どこでも入手可能な品種は比較的限定されます。
又、品種によっては花粉が無かったり自家受粉しない品種もあり、その場合は開花時期が重なるように授粉用の品種も必要となります。

豊後(ぶんご):淡紅色の花で一重と八重がある、大実品種、観賞用としても植えられております。
白加賀(しろかが):白花、大実品種、繊維分が少ない
南高(なんこう):白花、大実品種、梅干し用として人気品種。日焼け部分が赤くなります。
花香実(はなかみ):ピンクの花、八重咲き、中実、観賞用としても植えられます。
古城(ごじろ):白花、大実、梅酒やジュース向きとされております。
甲州最小(こうしゅうさいしょう):白花、小梅の代表品種
竜峡小梅(りゅうきょうこうめ):白花、信州小梅の中から選抜された品種で種が小さい

薬効と毒性
果実を梅干し、梅酒、梅酢、梅醤やジャムなどにして食用とします。
また甘露梅やのし梅などの菓子や、梅肉煮などの料理にも用いられます。
強い酸味が特徴であり、クエン酸をはじめとする有機酸などを多く含むので
健康食品としても販売されております。
果実から種を取り出すための専用器具も販売されております。

漢方薬では燻蒸(くんじょう)して真っ黒になった実を烏梅(うばい)といい、健胃、整腸、駆虫、止血、強心作用があるといわれております。
中国では話梅(広東語: ワームイ)と呼ばれる干して甘味を付けた梅が菓子として売られており、近年では日本にも広まっております。

また、中国では紀元前から酸味料として用いられており、塩とともに最古の調味料だとされております。
日本語でも使われる良い味加減や調整を意味する単語「塩梅(あんばい)」とは、元々はウメと塩による味付けがうまくいったことを示した言葉です。

バラ科の葉や未成熟の青い果実、核の中の種子には青酸配糖体(アミグダリン)が含まれ、
未熟な種子や腸内細菌の酵素により、シアンを生成します。
これが胃酸により有毒性を発揮すると、痙攣や呼吸困難、さらには麻痺状態になって死亡するといわれております。
胃酸や胃の消化酵素の分泌だけではシアンの生成は起こらないので、大量の種子をかみ砕いた場合を除いて誤摂取による中毒の危険は限られる。アンズの種子による重症例がある一方、幼児が青梅の果肉を囓った程度では心配ないとされております。
また、梅酒の青い実や梅干しの種の中身などは、アルコールや塩分、熱により酵素が失活し、毒性は低下しております。

なお、サッポロ飲料株式会社・近畿大学生物理工学部・和歌山県工業技術センターの共同研究で、梅の果実成分による疲労軽減効果が実証されております。

日本における作付けと収穫
農林水産省が平成20年(2008年)11月に公表した統計によると、日本全国で作付面積は1万7400ヘクタール、収穫量は12万2000トン、出荷量は10万3600トンで、収穫量の都道府県別では、北から青森 1930トン、群馬 6800トン、福井 1270トン、山梨 2100トン、長野 1990トン、奈良 2020トン、和歌山 6万7600トン、徳島 822トンです。
病害虫 - プラムポックスウイルス2009年に東京都青梅市のウメがプラムポックスウイルスという植物ウイルスに感染している事が判明しました。人体に害はないが葉や果実に斑紋などの症状が出て商品価値が無くなってしまう為、感染したウメの木は焼却処分にする他に手だてがありません。
プラムポックスウイルスに感染した梅の盆栽が関東地方から出荷されており、2010年に滋賀県の長浜市で発見され焼却処分されております。
ウメ以外にモモ、スモモ、アンズ、アーモンドなどのバラ科の果樹にも感染するとされており十分な注意が必要です。

日本における梅の文化
別名に好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)などがある。

・江戸時代以降、花見といえばもっぱらサクラの花を見ることとされております。しかし奈良時代以前に「花」といえば、むしろウメを指すことの方が多かった。平安京御所の紫宸殿(ししんでん)の前の左近のサクラと右近のタチバナも創建当初は、桜ではなくウメ(承和年中に枯れたため仁明天皇がサクラを植えたのが始まり)でした。そのように、ウメよりサクラがより一般に愛好されはじめるのは、平安時代からのことです。そしてウメは古里(ふるさと=奈良平城京)の静かな美しさと文化的郷愁の花となり、和歌や能に取り上げられることになりました。

・天文14年(1545年)4月17日に当時の天皇が、京都の賀茂神社に梅を奉納したと『御湯殿上日記』にあることにちなみ、「紀州梅の会」が新暦の6月6日を梅の日に定めております。また、古来より梅の名所として「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」と唄われた岡本梅林(兵庫県神戸市東灘区岡本)は、起源は明確ではないが山本梅岳の『岡本梅林記』に羽柴秀吉の来訪が記されており、寛政10年(1798年)には摂津名所図会に岡本梅林の図が登場するほどの名所でした。

・平安時代の碩学菅原道真が梅をこよなく愛したことから、道真およびその神格化である学問の神天神のシンボルとして使用されることが多い。たとえば、江戸時代の禅僧で禅画を多く描いた白隠の代表作の一つ「渡唐天神図」には、「唐衣(からころも)おらで北野の神ぞとは そでに持ちたる梅にても知れ」(意訳:これが天衣無縫の唐衣を着た北野天満宮の神であることを、彼が袖に持っている梅によっても知りなさい)の賛が残されている(古くは『菅神入宋授衣記』にほぼ同様の和歌が記載されている)。

語源
「ウメ」の語源には諸説あります。
・ひとつは中国語の「梅」(マイあるいはメイ)の転という説で、伝来当時の日本人は、鼻音の前に軽い鼻音を重ねていた(現在[いつ?]も東北方言などにその名残りがある)ため、meを/mme/(ンメ)のように発音していた、これが「ムメ」のように表記され、さらに読まれることで/mume/となり/ume/へと転訛した、というものです。日[いつ?]でも「ンメ」のように発音する方言もまた残っております。
家紋
梅紋(うめもん)は、ウメの花を図案化した日本の家紋のことです。
その一種で「梅鉢(うめばち)」と呼ばれるものは、中心から放射線状に配置した花弁が太鼓の撥に似ていることに由来しております。
奈良時代に文様として用いられはじめ、菅原道真が梅の花を好んだことにより天満宮の神紋として用いられ始めたと考えられております。
使用「梅」は、太宰府天満宮、「星梅鉢」は北野天満宮が用いております。
武家では、菅原氏の末裔や美濃斉藤氏の一族が菅原天神信仰に基づいて用いられました。
おもに、加賀前田氏の「加賀梅鉢」や相良氏の「相良梅鉢」などがあります。
図案図案は、「梅(うめ)」、「梅鉢(うめばち)」、「捻じ梅(ねじうめ)」、
「実梅鉢(みうめばち)」などがある。「匂い梅(においうめ)」や
「向う梅(むこううめ)」などの写実的な図案の梅花紋と、
「梅鉢」などの簡略的な図案の梅鉢紋に大別されます。
梅鶴
梅にまつわる言葉
ウィキクォートに梅に関する引用句集があります。
「桜伐(き)る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」
春先に咲く代表的な花である桜と梅のふたつを対比しつつ、栽培上の注意を示したもの。桜はむやみに伐ると切り口から腐敗しがちであり、剪定には注意が必要。一方、梅の樹は剪定に強く、むしろかなり切り詰めないと徒枝が伸びて樹形が雑然となって台無しになるばかりでなく、実の付き方も悪くなる。花芽は年々枝先へと移動する結果、実が付く枝は通常数年で枯れ込んでしまう。実の収穫を目的とするのであれば、定期的に枝の更新を図る必要があるからである。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
菅原道真が大宰府に左遷されるとき、道真の愛した庭の梅の花に別れを惜しんで詠んだ歌。
後に庭の梅木が道真を追って大宰府に飛んできた、という「飛梅伝説」があります。
「桃栗三年、柿八年、柚(ゆず)の馬鹿野郎十八年、梅はすいすい十六年」種を植えてから実を収穫できるまでの期間を指す俚謡。
本来は「桃栗三年柿八年」で一つの諺。
「物事は簡単にうまくいくものではなく、一人前になるには地道な努力と忍耐が必要だ」という教訓である。

日本の梅の名所
全国の天満宮 - 菅原道真にちなんで植えられている。京都北野天満宮、福岡太宰府天満宮が有名。
みかさ梅林邦梅園(北海道三笠市) - 北海道最大の梅園であり、約1万本が植栽されている
平岡公園(北海道札幌市清田区)- 広さ6.5ヘクタールの敷地に約1,200本の梅がある。
紅梅種と白梅種との比率は約6:4
偕楽園(茨城県水戸市) - 約3千本の梅がある日本庭園。日本三名園の一つ、また関東三大梅林の一つ
筑波山梅林(茨城県つくば市) - 約3千本の梅がある、日本百名山の一つ
吉野梅郷(東京都青梅市)- 約2万5千本の梅がある
府中市郷土の森梅園(東京都府中市) - 広さ17ヘクタールの敷地内に、約60種、1100本の梅がある。
秋間梅林(群馬県安中市) - 約50ヘクタールの敷地に35,000本を超える梅がある。
越生梅林(埼玉県越生町)- 関東三大梅林のひとつ
田浦梅林(神奈川県横須賀市)- 三浦半島随一のウメの名所。約2700本が植えられている。
曽我梅林(神奈川県小田原市)
湯河原梅林(神奈川県湯河原町)幕山公園内にあり4,000本の梅が幕山の山肌に咲き誇る姿を広場から一望できる。
不老園(山梨県甲府市)- 甲府盆地随一の梅園。20数種、約3200本が植えられている。
熱海梅園(静岡県熱海市)- 関東三大梅林のひとつ
岩本山公園(静岡県富士市)- 400本程度しかないが、富士山との撮影ポイントとして有名。
三方五湖(福井県三方町)- 梅丈岳の麓三方五湖湖畔の梅林(農園)。
京都御苑(京都御所、京都市中京区)- 京都市内の梅の名所。
青谷梅林(京都府城陽市) - 約1万本の梅がある。広さ20ヘクタール、鎌倉時代からの歴史がある。
大阪城公園(大阪市) - 大阪城公園内。1.7haの広さに約1,270本。大阪市の都市公園事業。無料回遊梅林(果実は使用農薬の品種から採取不許可)。大阪府立北野高校開校100周年事業より。
月ヶ瀬梅林(奈良県奈良市)- 名勝。旧添上郡月ヶ瀬村の梅林。約1万3千本の梅がある。樹齢600年の古木が存在。
追分梅林 (奈良市中町追分)広さ10ヘクタール6000本。追分本陣跡近く。
賀名生梅林(奈良県五條市) - 南北朝時代の和歌にも詠まれる、約2万本の梅林
綾部山梅林・室津(兵庫県たつの市) - 瀬戸内海を「ひとめ2万本」と称される
岡本梅林公園(兵庫県神戸市東灘区岡本) - 江戸時代に「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波」と唄われたという。面積は4566平方メートルと狭いが、37種153本の梅が揃う。
南部梅林(和歌山県みなべ町) - 「一目100万本、香り十里」と称される南高梅の梅林
岩代大梅林(和歌山県みなべ町) - 広さ30ヘクタール、梅木2万本の南高梅の梅林
千里梅林(和歌山県みなべ町) - 熊野古道の千里の浜を見おろす丘にある約6千本の南高梅の梅林
紀州田辺梅林(和歌山県田辺市) - 30万本の梅木、大蛇峰山麓にある。
阿川梅の里(徳島県名西郡神山町) - 30ヘクタールの敷地に1万6千本の鶯宿梅の梅林
牛尾梅林(佐賀県小城市) - 広さ22ヘクタールの面積に約1万3千本の梅林。由来は不明だが江戸末期から梅の名所として知られる。
伊万里梅園(佐賀県伊万里市) - 栽培用。25ヘクタールに6500本。1993年栽培開始と歴史は浅い。

その他、長浜盆梅展(滋賀県長浜市)、平城京旧跡(奈良県)。

梅関連の施設[編集]
道の駅みなべうめ振興館・うめ振興館(和歌山県)
紀州梅干館 - 梅干しの博物館
農林水産総合技術センターうめ研究所(和歌山県)
全国梅サミット

ウメをシンボルとする国・地域[編集]
県花(県木)茨城県(県木)
大阪府(県花)
和歌山県(県花)
福岡県(県花)
大分県(県木県花:ブンゴウメ)
市花(町花・村花)北海道:豊浦町
宮城県:大河原町
秋田県:横手市・羽後町
山形県:最上町・真室川町
福島県:白河市・会津高田町
茨城県:水戸市・五霞町・常陸大宮市
群馬県:安中市
埼玉県:児玉町・美里町・北川辺町・嵐山町・越生町
千葉県:成田市
東京都:大田区・府中市・国立市・青梅市
神奈川県:小田原市・川崎市高津区・横浜市港北区・横浜市磯子区・横浜市都筑区
山梨県:都留市
長野県:小諸市・宮田村
新潟県:糸魚川市・見附市
静岡県:熱海市
富山県:小矢部市(紅梅)
石川県:金沢市・小松市
福井県:あわら市
岐阜県:関ケ原町・美濃市・輪之内町
滋賀県:長浜市
京都府:福知山市・綾部市・城陽市
大阪府:東大阪市・藤井寺市・泉南市・熊取町・大阪市中央区
兵庫県:たつの市・神戸市東灘区
奈良県:天理市・王寺町
和歌山県:田辺市・みなべ町・上富田町
島根県:大田市
岡山県:佐伯町・奈義町
広島県:三原市・竹原市・坂町
山口県:防府市・光市
徳島県:阿南市・神山町
福岡県:太宰府市・香春町
佐賀県:多久市
長崎県:島原市
熊本県:人吉市
宮崎県:新富町
鹿児島県:日置市
日本国外国花
中華民国(台湾)
市花
中華人民共和国:南京市・武漢市・無錫市・梅州市・丹江口市・鄂州市・泰州市・淮北市
大韓民国:金海市・東海市

・学名 Prunus mume(梅)
    Prunus mume var. bungo(豊後梅)
    Prunus : サクラ属
     mume : ウメ 
   (江戸時代の梅の呼び名=ムメ)
     bungo : ブンゴ(豊後)
 Prunus(プラナス)は、ラテン古名の「plum(すもも)」が語源。 
・開花時期は、 1/20 ~ 4/ 5頃。
 1月中旬頃から咲き出すもの、3月中旬頃から咲き出すものなど、さまざま。 
 また、桜とちがって、咲き方も散り方もゆっくり。
・木の花がほとんど咲いていない冬に、「ついに梅が咲き出したか♪」
 という、うれしさのインパクトは大きい。
・漢名でもある「梅」の字音の「め」が変化して 「うめ」になった。
・いろいろな園芸種がある。
・とてもよい香りの5弁花。
 「馥郁(ふくいく)たる梅の香り」の”馥郁”とは、「とてもよい香り」の意味。
  奈良時代の遣隋使(けんずいし)または遣唐使(けんとうし)が
・中国から持ち帰ったらしい。
 「万葉集」の頃は白梅が、平安時代になると紅梅がもてはやされた。
 万葉集では梅について百首以上が詠まれており、
 植物の中では「萩」に次いで多い。
・幹がゴツゴツしているのが特徴。
 花を見ただけでは
 桜などと区別がつきにくい。 
・実が梅干しとなる(白梅の場合)。
 梅雨の頃に収穫する。
 江戸時代には、各藩が非常食として梅干を作ることを奨励したため、
 梅林が全国で見られるようになった。
 ちなみに「梅雨(つゆ)」の名の由来は、梅の実がなる頃に
 雨が多いかららしい。
・梅の字は「母」の字を含むが、中国ではつわりのときに
 梅の実を食べる習慣があるらしい。
            
・「鶯宿梅(おうしゅくばい)」の故事
 ある時、宮殿の前の梅が枯れてしまった。
 そのときの天皇、村上天皇はこれを残念に思い、
 かわりの木を探させていたが、ある屋敷で良い梅の木を見つけて
 それを勅命で宮殿に献上させた。そしてその木を植えてみたところ、
 屋敷の女主人の書いた歌が紙で結びつけてあり、

 「勅なれば いともかしこし 鶯(うぐいす)の
  宿はと問(と)はばいかがこたえむ」 とあった。  
 歌の心を知る天皇は、すぐにこの梅の木を元の屋敷に返したという。
  
・「松 竹 梅(しょうちくばい)」

・中国の
 「四君子(竹、梅、菊、蘭)」の一つ。
 水墨画の画材にもよく使われる。

・「梅に鶯(うぐいす)」  
  梅に鶯を配した豪華な図柄 → とりあわせの良いものの たとえ。
    他に「獅子に牡丹」「紅葉に鹿」

・「桃 栗 3年、柿8年、梅は酸い酸い13年、柚子は大馬鹿18年、
  林檎ニコニコ25年」。
  実を結ぶ時期のこと。
  何事も、時期が来なくてはできないというたとえ。

・1月1日、
 2月3日の誕生花(梅)。

・和歌山県の県花(梅)梅干しの名産地。
 福岡県の県花(梅)菅原道真ゆかり。
 大分県の県花、県の木(豊後(ぶんご)梅)
 山形県の県の木(梅)
・枝垂梅はこちら → 枝垂梅(しだれうめ)
・梅擬(うめもどき)は、”梅に似ている”という名前です。

            
・「春されば まづ咲く宿の 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ」
   万葉集 山上憶良 (やまのうえのおくら)

 「わが園に 梅の花散る ひさかたの  天(あめ)より雪の 流れ来るかも」   
   万葉集  大伴旅人 (おおとものたびと)

 「吾妹子(わぎもこ)が 植えし梅の木 見るごとに 心咽(む)せつつ
  涙し流る」
   万葉集 大伴旅人

 「十二月(しはす)には 沫雪(あわゆき)降ると 知らねかも 梅の花咲く
  ふふめらずして」
   万葉集  紀少鹿郎女 (きのをしかのいらつめ)

 「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」
   古今集  紀貫之(きのつらゆき)

 百人一首(35)
 「月夜には それとも見えず 梅の花 香(か)をたづねてぞ 知るべかりける」 
   古今集 凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね)

 「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
   拾遺和歌集 菅原道真 (すがわらのみちざね)

 「君ならで 誰にか見せむ わが宿の 軒端ににほふ 梅の初花」
   金槐和歌集 源実朝 

 「大空は 梅のにほひに かすみつつ くもりもはてぬ 春の夜の月」
   新古今集 藤原定家 (ふじわらのていか)

 「とふ人も なき古郷の 梅見月 風のなさけを  袖に知るかな」
    (梅見月=2月)
   蔵玉集(ぞうぎょくしゅう) 有家

 「春もやや けしきととのう 月と梅」
   松尾芭蕉

 「しら梅に 明(あく)る夜ばかりと なりにけり」
   与謝蕪村(よさぶそん)

 「二(ふた)もとの 梅に遅速を 愛す哉」
   与謝蕪村(よさぶそん)

 「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」 
   服部嵐雪 (はっとりらんせつ)

 「白梅や ひと日(ひ)南を あこがれぬ」
   石川啄木

 「鳥の名の 都(みやこ)となりぬ 梅やしき」
   千樹庵益賀 

 「道ばたの 風吹きすさぶ 野梅かな」
   高浜虚子  

・東京周辺の見どころ

 <湯島天神>
   学問の神様、
   菅原道真公をまつり、
   境内は
   合格祈願絵馬がいっぱい。
   花見頃2月中旬~3月中旬。
   白梅多し。 
   文京区湯島。
   最寄駅
    地下鉄千代田線湯島駅

 <羽根木公園>
   住宅街の中にある。紅梅多し。
   花見頃2月上旬~3月中旬。
   世田谷区代田。
   最寄駅
    小田急線梅ヶ丘駅

 <吉野梅郷> 
   青梅の西にある梅の名所。
   花見頃2月上旬~3月下旬。
   青梅市梅郷。 
   最寄駅
    JR青梅線 
    日向和田(ひなたわだ)駅

 <曽我梅林>
   小田原近くの丘陵地にある。
   白梅多し。 
   花見頃2月上旬~2月下旬。
   小田原市曽我。
   最寄駅
    JR御殿場線下曽我駅

 <熱海梅園> 
   早咲き品種多し。温泉街の中。
   花見頃1月中旬~3月中旬。
   静岡県熱海市梅園町。
   最寄駅
    JR伊東線
    来宮(きのみや)駅

 <水戸偕楽園(かいらくえん)>
   金沢の兼六園、
   岡山市の後楽園とともに 
   日本三名園のひとつに
   数えられる。
   花見頃2月下旬~3月下旬。
   水戸市常盤町。
   最寄駅
   JR常磐線水戸駅からバス。
    梅の頃は
    常磐線に偕楽園駅が
    臨時開業する。

 <越生(おごせ)梅林>
   町全域で梅栽培を行っている。
   花見頃2月下旬~3月下旬。
   埼玉県入間郡越生町。
   最寄駅
    東武越生線越生駅からバス


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必要に応じて、加筆・訂正致します。