七角錐結晶体 2013-06-22 06:59:06 | 掌編 きざしたばかりの芽の形に合わせた掌を、おやゆびの側からゆっくりと開く。柱の立ち並ぶ礼拝堂を思わせる指の形の、その間になにかが凝る気配がある。 「……。近いです。」 「ああ。すまない。」 夢中になって女の掌に息がかかるほど顔を近づけてしまっていた。 老成した手際に比して幼い口振りだな、わざとそんなふうに思って自分を静め、椅子に深く座り直す。女は再び自分の掌に目を落とす。集中が深まっていくのが傍 . . . 本文を読む