きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

モーツァルトの歌曲「すみれ」 ドイツリートの魅力♪

2016年03月07日 | 音楽のこと
ドイツリート(ドイツの歌曲)の代表格の作曲家、シューベルトの作品を先にあげたけれども、
今回もう一曲、モーツァルトの作品も歌うことにしました。

歌曲とは、クラッシックの声楽曲の中の1ジャンルで、英語では「アートソング」なんて呼ばれることもあります。
芸術性の高い歌の総称で、歌曲と言っても歌が主役、ピアノは脇役、という位置づけではなく、
歌も伴奏も音楽を形成する重要な役割を果たしています。

先に紹介した「春への想い」は、歌が冬から春へと移り行く季節を人生に例える詩を歌い上げ、ピアノはその情景を美しく表現します。

そして今日ご紹介する「すみれ」は、歌曲の中でも、ストーリーが展開する作品です。

野に咲く可憐な1輪のスミレ
そこに可愛い少女が鼻歌を歌い、スキップをしながらやってきます。
スミレは思います
「ああ、ぼくがもう少し大きな目立つ花だったら。。。
そうしたらきっと、彼女は僕に気づき、つみあげてくれるのに。。。
彼女の胸に押し付けてもらえたなら、どんなに幸せだろう」

そこへ何と、彼女が近づいてきます!
そしてどんどん近づいて。。。哀れなスミレは気づかれることもなく、踏みつぶされてしまいます。。。
そしてスミレは思います。
「ああ、彼女の足の下で死ねるなんて、ぼくはなんて幸せ者なんだ!!」

これをモーツァルトが表現すると、なんとも可愛らしい、なんともひょうきんな、そして何とも物悲しい
何とも言えない絶妙なバランスの、見事な歌曲が出来上がります。

この曲では、ストーリーとスミレは歌を、そして、ピアノは情景だけでなく、女の子の鼻歌、スミレの心の移り変わりを表現しています♪

今回初共演の、瀬戸さんとの素敵なコラボをお楽しみに☆


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