きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

ヘンデルの楽曲における、ダ・カーポの後の装飾音について♪

2009年07月27日 | 音楽のこと
ヘンデルのオペラやオラトリオのアリアで、ダ・カーポ(最初に戻る)
によって冒頭のメロディーをもう一度歌う、
または演奏するときには、装飾音をつけるのが常識とされる。

この装飾音については諸説あり、最低限にとどめるべきと言う人から、
自由にやるべきと言う人まで色々いる。

現在ヘンデルを勉強中なので、ヘンデルにここでは限って書くが、
実際ヘンデルの時代はどうだったのだろうか?

まず装飾音をつける「目的」は、作曲家ではなく、演奏者の「技術」をみせる事にある。
つまり、装飾は「演奏者」にゆだねられていた。

現に、ヘンデルは、ダ・カーポの後の装飾音に関しては、演奏者に任せていたらしい。
その主たる証拠として、ヘンデルの直筆譜に、装飾音に関する記述は、ないに等しい。

しかし、記述がないと言う事は、当然現在演奏するにあたって、
お手本とするものが一切ないと言うことでもある。

じゃぁ何をしても良いのではないか?
と、言いたいところだが、ここでもまた賛否両論だ。

ヘンデルの時代にありえなかった音形や、ハーモニーが入り混じっている現代。
バロックの様式を、もっと言えばヘンデルの様式の範囲内を越えてはならないという意見。
そして現代の演奏なのだから、現代風になって何が悪いと言う意見。

なかなか難しい問題なのだ。
ヘンデルも、装飾音に関しては、「スタイルを壊さない程度に」と言う、
とてもあいまいな希望を残していたりするから余計だ。

結論、私はどうかと言えば、どちらかと言えばリベラル派だ。
ヘンデルが、現代に生きていたら「いいじゃない!それ!」
と、言ってもらえるような装飾をしたい。

また、あいまいなこと言ってるな。
9月はオペラ「リナルド」の'私を泣かせてください’で、
オリジナルの装飾音をつけて歌う予定だ。


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