きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

オペラって・・・

2011年08月13日 | 音楽のこと
先のブログでも書いたのですが、クラッシック音楽が好きな方でも、意外とオペラについては知識のない方が多かったり。
もちろん日本でも、熱烈なオペラファンの方はいっぱいいるけれど、
一般的に見て、意外とちゃんと知られていない「オペラ」の存在・・・

それもそのはず、日本ではオペラはとても遠いですね。
本場イタリアや、ドイツなどでは、すべての都市にオペラ座があって毎日のように上演されている事を考えたら、日本でのオペラ上演の回数は極端に少なくて、しかもオペラ座が存在しない。

「そりゃだって、本場じゃないから当たり前だよ」

って声が聞こえてきそうだけれど。。。
でもそんな事を言ったらクラッシック音楽自体本場ではないのに、たとえば東京でのコンサートの数は、ロンドンのそれとさして変わらない。
立派なコンサートホールの数も、他のヨーロッパの首都のそれにまったく劣らないのです。
コンサートの質だって、世界の一流演奏家がどんどん来日しているし、日本人演奏家の質もどんどん上がっていて、365日、いつでも良い音楽を生で聞きたければ聴けます。(ちょっと高いけど。。)

じゃぁどうしてオペラは・・・??
理由は沢山あるけれど、まずオペラ座がない、と言う事実がとても痛いです。
少し前にブログでも書いた小沢征爾氏と武満徹氏の対談「音楽」と言う本を読んで知ったのですが、バブルの時代に、オペラ座を日本に作ろう、と言う動きはどうやらあったけれど、実現しなかったようですね。

オペラ座と普通のコンサートホールの差は何かと言ったら、まず、舞台裏のスペース。
オペラは演劇なので、巨大な舞台装置がいくつも必要です。
そして衣装。出演者は、コーラス含め、数十人に上るので、その数も大変。
そしてその人数を収容できる控え室。。。

それをすべて備えているホールって言うだけでもほんの少ししかないのに、
その「音楽」という本によると、たとえば東京文化会館の大ホールでも、舞台装置をたとえば、前日の夜に搬入させてもらえない。
公立のホールなので、時間もしっかり決まっていて、まったく融通がきかないので、とても大変などと書かれていました。
たとえば夜7時に開演の場合、当日朝からセッティングをしていたら、リハーサルの時間がとても限られてしまう。。

そんなこんなで、日本のオペラファンの方は、ヨーロッパまで観に行かれる方が多いですね。
日本にオペラが浸透していないのも、無理はないな、と、とても残念に思っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿