きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

すべての音楽は言語に通ずる

2007年11月22日 | 音楽のこと
その昔教わっていたピアノの教師は、ポーランド人で、その名もエステルハージー。歴史的にも有名なエステルハージー候の分家の末裔である。。。
と言うとなんだか宮殿にでも住んでいそうだが、「豊かな暮らし」とは真逆の生活をしていた変わり者である。

寒くて暗くて汚い、猫が5~6匹うろうろする地下室で、ぎょろっとした灰色の目をした大男がレッスンをする。
今考えれば、まるで彼はフランケンシュタインだ。

それにえらく口が悪い。
セクハラなんて言葉があるが、彼に適応したら牢屋に毎回いれなければ。
(ちなみに、彼は女には興味がない。とだけ書いておく。)

さらに一回レッスン室に入ったら、レッスンは2時間にも3時間にも及ぶ。

彼から学んだことがいかに多いかは、こうやって書いてみると自分でも良くわかる。

前置きがえらく長くなってしまったが、その彼から学び、一番自分が大事にしている事がある。
それが、言語と音楽のつながり

私が彼からショパンを教わった時
フレーズを弾くたびに、彼がポーランド語の美しいフレーズをしゃべってくれる
ショパンの、あの考えられないほど優美な音楽が生まれたのは、奇跡でも偶然でもなんでもない。彼は音を使って私達に語りかけているだけなのだ。と、体で感じる事ができる。
今でも、ショパンのピアノ曲を聴くと、アンジェイ・エステルハージーの美しいポーランド語の響きが耳にこだまする。

現在私は3日後に控えたフランス語ばっかりのコンサートに出演予定。
毎日フランス語を聞く日々である。


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