きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

旗揚げ公演 「奥様女中」

2013年05月15日 | 音楽のこと
ずっとずっと書きたい書きたいと思いながら、なかなかブログ更新にたどり着かず・・・
そして港町オペラ座の立ち上げ、旗揚げ公演、4月20日の一回目、5月11日の2回目、ともに終了!!
北九州で出会った新しい仲間たちとの、新しい冒険が始まっています♪

「奥様女中」を選んだのは、その内容の面白さ、お手軽さ(上演時間が短く、ストーリーもシンプルで、登場人物も少ない)が主な理由だったけれど、
これがまたなかなか、よくできている作品であることに、気づかされています。
アリアやデュエット一つ一つも、その人物の心情や性格をとてもよく表していて、自然に感情移入できるようになっています。
さすが、時代を超えて、現在まで残ってきた名作だけのことはあるなーと、感心することしきりです。

今回私が原作をもとに日本語のセリフを書き、レシタティーヴォをカットして、アリアはイタリア語の原曲のまま残しての上演です。
場所は門司港レトロ。明治時代に開港し、大正時代にかけて貿易港として栄えた街で、重要文化財となっている洋館が立ち並んでいる素敵な所。
オペラ会場はその重要文化財の一つ、アインシュタインも滞在したことがあるという洋館、旧門司三井倶楽部。
イベントホールはこじんまりとしているけれど、暖炉があり、大きな窓には素敵なカーテンがかかり、絨毯の敷き詰められた洋間といった様相。
その洋館の洋間で、和装をしてオペラをするという、何とも和洋折衷なアイデア。
でも、滑稽なようで不思議としっくりくる。
日本語でしゃべってイタリア語で歌っているけれど、意外に違和感がない。。。
そんな舞台になりました。

私的には、かなり思い切って個性的なものを作ろうとしたつもりだったけれど、なんだか思ったよりもナチュラルで落ち着いた感じになったので、
ちょっと驚いていたり(笑)。

思えば幼少の頃から、音楽劇をやりたくて仕方がなかった私。
小学校の時に入っていた所沢少年少女合唱団でちょっとしたオペラ「学校の先生」をやったことがあり、そのあとに合唱団の指揮の先生が上演したのが「奥様女中」だったなー。と、遠い遠い記憶がよみがえってきました。
そして、高校生の時には、合唱部で無理矢理ミュージカルをやり(笑)
あー、仲間は覚えていてくれてるかなー。
1年生が「シンデレラ」2年生が「ロミオとジュリエット」3年生が「緑の館」。
全部台本を書き、既成の有名なメロディーに歌詞をあてはめ、照明器具まで音楽室に運び込み、ドーランをみんなで塗りたくって歌ったなー。
文化祭で5人くらいしかいない合唱部が、最優秀賞やら校長賞を総なめにしてたなー!!(演劇部や吹奏楽部の子たちがそのあと怖かったけど・・)

と、その後の人生かなり色々あったのに、やっていること、やりたいことがちっとも変っていない自分に気づかされ、ちょっと苦笑しています。
なんだか道に迷って、迷って迷って、「やっと出口だ!」と思ったら入り口だった・・・みたいな・・・ははは。。。

そんなわけで、冒頭に「新しい冒険」と書いたけれど、私にとってはホームに戻ってきたみたいな??
不思議な居心地の良さと愛着を感じています。