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SIDEWALK TALK

詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなものだ

William Carlos Williams映画『パターソン』をみた。
主役は『STAR WARS』新シリーズで準主役ともいうべき
カイロ・レンを演じているアダム・ドライバー。
この作品は、けっして大作ではない。
けれど、心地よさが残る秀逸な映画だった。


主人公は、パターソンという街に住んでいる
バスの運転手のパターソン。
彼は誰にもみせることのない詩を、
毎日、ノートにしたためている。


こういうの、オフビート作品というんだろうか?
“The”ジム・ジャームッシュ監督としかいいようがない。
全篇にわたり、とにかく何も起こらない。


映画のラストに、日本人の詩人役で永瀬正敏が登場する。
彼は、パターソン出身の詩人
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩集の翻訳本を手にしている。
そして、不意にこうつぶやく。


Poetry in translation is like taking a shower with a raincoat on
詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなものだ



この台詞はこの映画の主題ではないだろうけど、
僕は目が開かれる思いがした。
そして、むかし読んだW.C.ウィリアムズの詩集を引っ張りだしてきた。
原書で読む能力はないけど、ひさしぶりの彼の口語詩はすばらしかった。


蛇足だが、ビート詩人アレン・ギンズバーグもこの街の出身らしい。
パターソンというニュージャージーの田舎町には、
写実的な口語詩人の俊秀を育む土壌があるのだろうか?

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