切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

若宮宮・・・式内真幡寸神社    京都市伏見区    2024.7.8 訪問

2024-07-16 22:36:02 | 撮影
若宮宮 (伏見区竹田真幡木町)

 

 若宮宮は近鉄京都線 竹田駅から西へ 数100m のところへにある。歩いてすぐだ。鳥居には若宮宮とあるが、正式には若宮八幡宮という。

 現場についてみるとすぐ横に民家が建ち並び、やや小さめの鳥居がある。参道も細く短く 全体の敷地も細長い形状となっている。奥には小さな本殿があり、その手前に狛犬が2つ置かれている。従って神社そのものとしてはかなり小さめのものと言っていい。神社そのものの詳しいことは分かっていないが、様々な伝承も含めて一定のことが分っている。

 

 鳥居をくぐったところに細長い石碑が建っていて、そこには「史蹟 式内真幡寸神社の跡」とある。かつてこの場所には「真幡寸(まはたぎ)神社」という神社があり、それは「延喜式神名帳」に記載された式内社ということのようだ。延喜式神名帳は平安時代に編纂されたものであり、そこに記載されているものは少なくとも平安時代前期以前に創建されたものとなる。 そういった意味ではかなり由緒のある神社だと言える。

 この地域は平安時代よりもさらにはるか以前、渡来系の「秦氏」が住み付き、様々な産業を起こして この地に同化していったものだ。従って真幡寸神社というのはおそらく、当てられた漢字は別として、その発音からも渡来系のものだと考えられ、秦氏由来の神社ではないかと考えられる。平安京遷都の時に秦氏がはたした役割も大きく、その時に創建されたとも伝わっている。

 

 真幡寸神社はその後も同地に鎮座し続け、平安時代 終わり頃にこの神社を中心に、鳥羽離宮などが造営され、平安貴族たちの憩いの場となった。

 その真幡寸神社は今現在、近くの城南宮の境内にある。摂社となっている。もちろん名前は「真幡寸神社」だ。明治10年に長い間、真幡寸 町にあったこの神社は城南宮の境内に移された。こうして今現在も広い城南宮境内に真幡寸神社がある。従ってその後おそらく若宮 八幡宮が創建または移転されたものではないかと考えられる。

 
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