しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第72回 ポティート「バリオ・アルト」

2006-05-28 20:11:38 | カンテ
ポティート、として知られている彼ですが
今回の新譜、ジャケットには本名の
アントニオ・バルガス
も書かれています。
ポティート(離乳食)とゆーこどもっぽい名前から脱出したいのかな。

さてこのアルバム。
発売までにこれほど時間がかかるものも珍しいのではないかと。
最初、ビセンテ・アミーゴがプロデュースするという話だったのが
後、二転三転。
結局トマティートのグループでの仲間であるディエゴ・アマドールがプロデューサーとなり
完成したのはもう1年以上も前。
ネットの某サイトではもうかなり前から聴けるという噂でありました。

ポティートはご存知のようにセビージャの踊り手一家、バルガス家の一員。
父はチャンギート、伯父に故イシドロ、叔母にアンヘリータ・バルガス、
いとこにも踊り手が多数つー環境で育ち、がきの頃から歌ってた。
あたしが知り合ったのは彼がもう12歳くらいの、声変わり直前だけど
もっと小さいときからあちこちで歌って稼いでいたつーベテラン。
声変わりを経ても、そのフラメンコ性にかげりはなく、
いいひねりをもった、私のお気に入りの歌手の一人。
去年の公演にはでてなかったけど
ホアキン・コルテスのバックや、トマティートのグループで活躍しています。

のっけからカマロンがトマティートのアルバムで歌っていた
「ロサ・デル・アモール」だよ。ギターはパケテだけど。
得意の“のり”できかせるブレリアとかタンゴだけでなく、
タランタやシギリージャ、ソレアもはいってます。
シギリージャの伴奏、ディエゴ・デ・モラオなんだけどこれがめちゃ個性的でよいでっせ。

でもポティート自身の魅力が全面的に発揮されたかとゆーと?な感じものこりますな。
6曲目のタンゴとか、部分部分ドゥケンデも歌ってたし、つい比べちゃう。
いやどっちがいいとかではないですけどね、私的にはどっちもいーし、好きだし。
でもポティートのあの節回しの微妙な感じとかうたいっぷりとかもっとたっぷりきかせてくれよー
って感じなんだよな。なんか不満がのこるのだよ。
たぶん待たされた分期待たかまりすぎた、つーのもあるんだろーけどね。


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