鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

2012-03-20 11:35:20 | 句鑑賞 Ⅰ(土)






            凧糸のなくなるまでを天へ解く




                   柴田由乃



「つちくれ」平成14年5月号より


「凧糸のなくなるまでを天に解く」 とは
風を孕んだ凧の圧力と凧糸の感覚を手にかんじながら
慎重に糸を伸ばしていくのである

凧揚げの感覚は、普段は感ずることのできない
大空を糸を通した手の感覚で捉えることにある
また 大空の中の飛翔感を凧を通して味わうことにもあるのだろう

もし 凧糸が軽くて無限に強かったとしたら
凧はどこまでも天に向かって揚がっていくかもしれない

この句を読んで
「あなたの手が届くよりも更に先へ手を伸ばし
手の届かないことは何もないのだということを思い出すように」との
神の言葉が思い浮かんだ

人間は物分りが良すぎて
すぐ自分に限界を置く
せめて 「凧糸のなくなるまでを天に解く」のが よいだろう

この句は運命の糸を全部使いきり
解き放って天に向かおう と言っているのだ。


          今津大天「俳句の対話術」より





凧は春の季語です。
春の季節風にあおられて高く高く揚がる凧

その凧糸に限界がなかったら
それも やはり 程ほどがいいと作者は言っていてくれるのでしょうか。

人生を考えさせられる
良い句です。



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4 コメント

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Unknown (to_shi_bo)
2012-03-20 15:37:36
こんにちは!

いい俳句ですね。
難しい言葉は一切使っていないのですが
なかなか意味深な一句に仕上がっています。
鮎さんも、負けずに頑張って下さいね。
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Unknown ()
2012-03-20 21:01:36
to_chi_boさん こんにちは 風か春は強いのですね それで凧が春なのですね。面白いです。

由乃先生は「つちくれ」同人誌の主宰をしていましたが 今は大腸がんにおかされ病とたたかっていられますが ベットから句を投稿していらっしゃいました、それもかなわなくなってしまっていますが。

由乃先生の句集は何冊かいただきましたので
お手本 沢山できました。

このような 深みのある句が読めたらとおもいます。

大天先生の句評もすばらしくおもいます。
これらを読んで 俳句とというものが何者かわかりかけたような気もいたします。
また ブログみてくださいね。
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おはようです。^±^ノ (てくっぺ)
2012-03-21 07:00:56
凧は冬でなく春の季語だったんですか。^±^
正月も新春と言いますからね。^±^ノ
ということは正月も、冬でなく、春の季語かなあ。^±^
俳句の季語は旧暦なんですかね。^±^ノ…いまだに謎です
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Unknown ()
2012-03-21 20:29:04
てくっぺさん お久です
名前 改名しました よろしくです。

季語はむつかしいです、なかなかおぼわりません。

俳句はいちおう旧暦でしょう。
暦とともに季節変化していくようです。
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