鮎の俳句日記

その日の徒然を載せていきます

俳句鑑賞 新茶の香

2012-05-01 19:41:59 | 句鑑賞 Ⅰ(土)



   逝く人を羨みてをり新茶の香


            柴田由乃




死んでしまえば死ぬ心配も、死の恐怖もない。
生きる苦労もないという意味で
「逝く人」の境遇を羨ましく思うということだろう。

また、死後の世界には悩みがない
食べる心配がない

それだけでなく
もっとすばらしい浄土に住まうことが出来るとなれば
だれだって死者を羨むだろ。

とはいえ 大抵そのような確信がもてないからこそ
今を不安に生きているのだ
未来は何も死後とは限らない
明日のことすら わからない
わからないから 不安なのだ

しかし
未来より現在を大切にするという考えもある

揚句は「逝く人を羨む」 いう願望が
下五の 「新茶の香」という目の前の現実の幸せ
誰もが簡単に得ることが出来る幸せに
席を譲って行く様が描かれていると考えると
含蓄が深い


今津大天
俳句の対話術より







今日は 八十八夜です。
野山は 黄緑になってきました。

お茶の葉も 伸びてきました。
新茶の季節にはいりました。

今年も新茶をおいしくいただける

これが 幸せというものなのでしょう



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